トランプ氏、残業代への課税全廃と表明

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Tim Reid Ann Saphir Kanishka Singh

[12日 ロイター] - 米大統領選の共和党候補トランプ前大統領は12日、当選すれば減税策の一環として残業代への課税を全て廃止すると表明した。

アリゾナ州ツーソンの集会で「あなたの残業時間は非課税になる」と述べた。

残業代問題はこのところ選挙の争点になっている。

民主党候補ハリス副大統領は今月行われた労働者とのイベントで、トランプ氏が2017年から21年の大統領在任中、何百万人もの労働者の時間外労働手当を「妨害」したと非難した。

19年に当時のトランプ政権は、残業手当の支給対象を130万人拡大する規則を発表。これに対し労働者の権利擁護団体は、オバマ政権時代に提案された内容より拡大対象が大幅に少ないと批判した経緯がある。

トランプ氏は12日の集会で「時間外労働に従事する人々はわが国で最も勤勉な市民の一員であり、あまりにも長い間ワシントンでは誰も彼らに目を向けてこなかった」と述べた。

労働統計局のデータによると、先月時点で、非管理職の米工場労働者の残業時間は週平均3.7時間だった。

残業代への課税で政府がどれだけの税収を得ているかは不明だ。トランプ氏の提案が実現すれば連邦政府にとって初の取り組みとなる。