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セバスチャン・スタンが若き日のドナルド・トランプを演じる、伝記映画『ジ・アプレンティス(原題:The Apprentice)』の米予告編が公開された。米国公開日は2024年10月11日を予定している。

『アベンジャーズ』バッキー役で知られるスタンが、印象的な髪型と共に若きトランプになりきった姿に注目だ。実録ドラマ「パム&トミー」(2022)ではトミー・リーを熱演したスタンは、後の大統領となるアメリカ最大の野心家をいかに演じるか。

本作は1970年代のニューヨークを舞台に、青年ドナルド・トランプが不動産ビジネスで成功を収め、権力の座に上り詰めていく物語。富豪一族の末裔として名を上げようと躍起になっているトランプを、悪名高き弁護士ロイ・コーンは“完璧な弟子”として見出した。成功を渇望し、強い野心を抱いていたトランプは、コーンの教えを受け、やがて勝利のために手段を選ばなくなってゆく。

予告編は、若きトランプが、のちに彼の師となるコーンと対面するシーンで幕を開ける。「ロイ・コーン?あなたは残忍だ」と言うトランプに対し、「ご名答(Guilty as charged)」と返すコーン。早くもコーンの老獪さがうかがえ、トランプはぎこちない笑顔を見せている。

トランプが常に勝つためのアドバイスを求めると、コーンは3つの法則を彼に叩き込む。1つ目は「攻撃、攻撃、攻撃」、2つ目は「何も認めず、すべてを否定すること」、そして3つ目は「決して敗北を認めないこと」だ。そんな譲歩を許さないコーンの指導の下で、トランプはビジネスにおける戦術を着実にモノにしていく。また一方で、トランプの最初の妻イヴァナも登場しており、当時の彼のプライベートな側面も垣間見ることができそうだ。

他にも、トランプが「アメリカを再び偉大に」と記されたレーガン元大統領のピンバッジを見て微笑むシーンや、テレビインタビューで「もし財産を失ったら?」と質問されて「それなら大統領に立候補するかもしれません」と答えるシーンなど、現在のドナルド・トランプ前大統領につながる描写も収められている。

監督は『聖地には蜘蛛が巣を張る』(2022)の鬼才アリ・アッバシ、脚本はノンフィクション作家のガブリエル・シャーマンが務める。出演者はドナルド・トランプ役のセバスチャン・スタンをはじめ、ロイ・コーン役で「メディア王 ~華麗なる一族~」(2018-2023)のジェレミー・ストロング、元妻イヴァナ役で『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』(2020)のマリア・バカローヴァ、父親フレッド役で『TENET テネット』(2020)のマーティン・ドノヴァン。

なお、本作は2024年5月にカンヌ国際映画祭のプレミア上映にて称賛を浴びたが、その後、劇中の描写に反発したトランプ陣営が妨害活動を行うなど、一部で議論が巻き起こっていた。最終的に米国配給はBriarcliff Entertainmentが担当し、米大統領選前の10月11日に米公開する運びとなった。日本公開は2025年を予定。