暑い日に炊飯器で「予約」や「保温」は衛生的に大丈夫…

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 お盆を過ぎても、気温30℃を超える日が続いています。毎日、炊飯器で米を炊くという人も多いのではないでしょうか。暑い日に白米に水を張って「予約」をしたり、炊き終わった後に「保温」をしている人もいると思います。そこで、注意点について、炊飯器を取り扱うタイガー魔法瓶・炊飯器商品企画担当の辻本篤史さんに聞きました。

気温が高い日の「予約」は注意が“必要” 内なべは必ず毎回、洗浄

Q.暑い日の予約炊飯は、衛生的に問題はないのでしょうか。

辻本さん「30℃を超えるなど、気温が高い日に室内の温度が高くなってしまう環境での長時間予約は可能な限り避けてください。近年の猛暑を加味するとリスクがゼロとは言い切れないかと思います。また水温が上がってしまうと衛生面のリスクがあるだけでなく、一定の温度を超えるとα化がゆっくり始まり、お米がふやけてしまい、炊き上がりがベチャついた食感になってしまいます。どうしても予約が必要な場合は、水温の低い水を使うなど工夫をしていただければと思います」

Q.気温が高い日の保温機能についても衛生面での問題はないのでしょうか。

辻本さん「保温に関しては一定の温度(60〜70℃)以上で、温度管理しておりますので、ご使用の炊飯器の説明書に記載の時間内であればリスクは低いと考えます。

一般的な炊飯器の保温時間は『12〜24時間』です 。保温時間の目安は説明書に記載されていて、その範囲であれば食べても衛生的に問題はありません。

ただし、時間が経つにつれてご飯の風味は減少していきます。保温したまま炊きたてのおいしさをキープできるのは、一般的な炊飯器で5〜6時間ほどといわれています。それ以降はどうしてもご飯の水分が抜けて味が落ちたり、食感が悪くなったりしてしまいます。

ご飯を多めに炊いてしまった際は、早めに保存容器やラップに包み、冷蔵・冷凍保存するのがベストです。冷蔵ご飯の場合は、チャーハンなどの炒め物などに利用すると、炊きたてのご飯を使うよりおいしく仕上がります」

Q.白米と炊き込みご飯で違いが出たりはするのでしょうか?

辻本さん「炊き込みに関しては、生肉を入れるケースもあるため衛生的なリスクも鑑み、弊社の炊飯器では予約炊飯ができない仕様になっております。弊社としては推奨しておりませんが、白米メニューで炊いた炊き込みご飯に関しても、炊飯器の保温温度である60〜70℃に適していなかったり、傷みやすい食材があるので衛生観点から早めに召し上がることを推奨しています。

炊きすぎてしまった際に冷凍保存をする場合も、白米のみの時とは異なり、コンニャクや根菜など、レンジ解凍に適していない具材などが入っていないか注意いただければと思います」

Q.まだまだ暑い日が続いていますが、安全に炊飯器を利用するポイントを教えてください。

辻本さん「上記の通り、予約炊飯についてはよく注意を払ってご利用いただければと思います。また、炊飯時に入れる水の水温にも注意が必要です。水温が高い状態で、米を浸した『内なべ』を放置すると、お米の腐敗が高くなるリスクがあるため、肌で触れて冷たい水でお米を炊くことをお勧めいたします」

Q.炊飯器の洗浄方法やお手入れ方法はありますか?

辻本さん「夏冬関係なくお手入れはしっかりしていただきたいのですが、洗い残しがあると、そこから菌が発生するリスクが冬よりも夏の方が高いため、より丁寧にお手入れしていただくのが良いと思います。

内なべは必ず毎回洗っていただきたいです。『おねば』や米粒など洗い残しがあると、細菌の繁殖につながる可能性もあるので、しっかりお手入れしてください。また意外に忘れがちなのが、炊飯器の内ぶたとスチームキャップです。

毎回お手入れしない方もいらっしゃると聞きますが、内ぶたについてはおねばや米粒、スチームキャップは蒸気などの水分が残っているため、しっかりと洗って、水気を十分に乾かした上でご使用いただければと思います」