体重や外見の理想をうたう動画を繰り返し視聴すると有害になる可能性があるという専門家からの警告を受けて、YouTubeがそのような動画を10代のユーザーにおすすめ表示することをやめると発表しました。

A collaborative approach to teen supervision on YouTube - YouTube Blog

https://blog.youtube/news-and-events/a-collaborative-approach-to-teen-supervision-on-youtube/



YouTube to restrict teenagers’ exposure to videos about weight and fitness | YouTube | The Guardian

https://www.theguardian.com/technology/article/2024/sep/05/youtube-to-restrict-teenagers-exposure-to-videos-about-weight-and-fitness

YouTubeは、「YouTubeは10代の若者が学び、情熱を探究し、自分を表現し、帰属意識を持つことができる場所です。私たちは若者の生活においてYouTubeが重要な役割を担っていることを認識しています」と述べ、YouTubeに新しい管理機能を導入することを明らかにしました。

YouTubeによると、若いユーザーとその保護者はアカウントをリンクすることで、共有された分析情報や通知を受け取ることが可能になるとのこと。保護者は子どものYouTubeチャンネルでのアクティビティを把握し、責任あるコンテンツ作成をサポートできるようになります。

具体的には、「ファミリーセンター」でアカウントのリンクを行うことで、保護者は子どものYouTubeチャンネルの動画アップロード数や登録数、コメント数を確認できるようになります。また、子どもが動画をアップロードしたりライブ配信を開始した時に保護者へ通知が届くようになるとのこと。



さらに、YouTubeは「長年にわたり、摂食障害や自殺の助長への対策から、新しいプライバシー保護やウェルビーイング保護の導入まで、若年層のユーザーを保護するためのさまざまな機能に投資してきました。そして最近、特に10代の若者にとって、繰り返し視聴すると問題となる可能性のあるコンテンツを含む動画のおすすめを制限する新しいセーフガードを導入しました」と述べています。

例えば、「鼻を細く見せるための美容法」を紹介する動画や「理想の見た目」を追求するためのエクササイズを紹介する動画など、特定の外見や体重を理想化するようなコンテンツは、10代の若者が「理想とかけ離れている自分」を認識して自己否定に陥る可能性があります。



また、特定の見た目や体重を理想化することは、それ以外の身体的外見を誹謗(ひぼう)中傷することにつながりかねません。もちろん特定の外見や体重を理想化するような動画はYouTubeのガイドラインには違反していないため、これからも10代のユーザーでも視聴することは可能ですが、今後はおすすめには表示されなくなります。

臨床医でYouTubeのアドバイザーであるアリソン・ブリスコー・スミス氏は「不健全な基準や行動を理想化するコンテンツが頻繁に表示されると、潜在的に問題のあるメッセージが強調される可能性があり、そうしたメッセージは一部のティーンの自己認識に影響を与える可能性があります」と述べています。

YouTubeのヘルス部門グローバル責任者であるガース・グラハム氏はイギリスの日刊紙・The Guardianに対して、「10代は自分が何者であるか、そして基準についての考えを深めている時期であるため、非現実的な『理想の基準』を強調するコンテンツを繰り返し消費すると、自分自身をネガティブに捉えることにつながる可能性があります」とコメントしました。