今月友人の結婚式に参加しますが、ご祝儀は「渋沢栄一」の1万円札にすべきですか?“新紙幣”を3枚用意できなければ、福沢諭吉の旧紙幣でも問題ないでしょうか?
「渋沢栄一の新紙幣」が手に入らない!?
結婚式・披露宴に参列する際のご祝儀に、発行されたばかりの渋沢栄一が描かれた1万円札を包めば、縁起が良さそうに思えますね。
しかし、残念ながら渋沢栄一の1万円札はまだじゅうぶんに出回っておらず、「1枚も持っていない」という人が多い状態です(2024年7月現在)。銀行の両替を利用すれば手に入るのですが、小さな地方銀行では扱っていないとか、銀行の口座を持っていないと手数料が割高になることがあるなど、不都合な点があります。
ご祝儀は「渋沢栄一の新紙幣」でないとダメ?
一般的に1万円札と聞くと、「現在発行されている紙幣」を思い浮かべるのではないでしょうか。例えば2024年7月3日より前であれば、1万円札と聞いて福沢諭吉をイメージする人が多数でしょう。しかし、新紙幣が発行されしばらく経つと、レジのお釣りやATMの出金時に新紙幣を手に入れる機会も増え、「1万円札=渋沢栄一」のイメージが定着していきます。
そのため、新紙幣が発行されて間もないうちは、「手元に福沢諭吉の1万円札しかないけど、新紙幣を包むべき?」と悩む人もいるかもしれません。
ご祝儀として包むのであれば、できる限り新紙幣である渋沢栄一の1万円札を包むのがベターです。とはいえ、まだ発行されて間もなく、複数枚そろえるのが難しい場合は福沢諭吉の1万円札でも構わないでしょう。
キャッシュレス時代のご祝儀
近年ではご祝儀をキャッシュレスで払える場合もあります。招待客は招待状をWEBで受け取り、案内に従って事前に送金するのです。支払方法はクレジットカード、○○ペイなど多数用意されています。事前ではなく当日会場でQRコード決済したり、従来の現金をご祝儀袋に入れて持参するという場合もあり、支払い方法は多様化しています。
招待客にとってキャッシュレス決済は、新札もご祝儀袋も、ふくさも用意しなくてよいと歓迎する人もいるでしょう。一方で、新郎新婦に直接金銭を請求されるようで、嫌だと感じてしまう人もいるかもしれません。しかし嫌だと思う理由が「キャッシュレスなんて心がこもっていない」「新郎新婦に失礼だ」ということなら、心配は無用です。
キャッシュレス決済を使うことを決めるのは新郎新婦です。式場は方法を提示しますが、実際にどんな決済方法を使うかを決定しているのは新郎新婦なので、失礼にはあたりません。新郎新婦にとっては、事前にご祝儀を受け取ることで式場に支払う金額が安く済むというメリットもあります。
キャッシュレス支払いを採用する新郎新婦にとっては、現金の集計や口座への入金という手間がいらない、受付を頼んだ友人や親族が多額の現金を扱うストレスが減る、などというのも大きなメリットです。
会費制ウェディングなら新札は不要
近年では、カジュアルウェディングが流行し、立食ビュッフェスタイルで会費が1万円という式も珍しくありません。その場合、渡すのはご祝儀ではなく会費なので、お金はご祝儀袋に入れず持参しましょう。もちろん、極端に汚れ・破れ・シワの多いお札は失礼になりますが、新札だと数えにくいため受付係の負担になるのです。
会費制だと、全員分のお金がまとめて新郎新婦に渡され、誰からどんなお札をもらったかは分かりません。「渋沢栄一」の中に「福沢諭吉」が混ざっていても見落とされてしまうでしょうから、わざわざ「渋沢栄一の新紙幣」を手に入れる必要はないでしょう。
場に合わせたマナーを
キャッシュレス化が進む近年、ご祝儀の支払い方法は様変わりしています。新郎新婦にキャッシュレス決済を提案されたら、無理に現金で通そうとせず提案に従っておきましょう。
また、ご祝儀を現金で包む場合は多少手間でも「渋沢栄一の新紙幣」を用意するのが無難です。ただし、新紙幣はまだ十分に行き渡っていないため、用意が難しい場合は福沢諭吉の旧紙幣でも問題ないと考えられます。どちらの紙幣を包むにしても、新札を用意する、金額に見合ったご祝儀袋を用意するなどでお祝いの気持ちは伝わるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー