日本代表復帰のFW伊東純也に一問一答「本当にうれしいですし、チームに貢献したい気持ちでいます」
サッカー日本代表は3日、FIFAワールドカップアジア最終予選中国代表戦(5日午後7時35分、埼玉スタジアム2002)に向けて埼玉スタジアム2002で公開練習を行った。
この日はフランス1部スタッド・ランスFW伊東純也が報道陣の取材に応じた。
今年1月に『週刊新潮』が伊東の性加害疑惑を報道。性被害を受けたとして女性2人から刑事告訴され、伊東は書類送検されていた。先月9日に大阪地検から9日付けで不起訴処分となり、伊東は晴れて無実の身となった。サムライブルーに復帰した男は、久しぶりの代表活動に満面の笑みを浮かべていた。
(伊東純也写真、撮影・浅野凜太郎)
――久しぶりに日本代表へ戻ってきました。今の心境はいかがでしょうか。
本当にうれしいですし、チームに貢献したい気持ちでいます。
――外から見ていた半年間はどんな気持ちで見ていて過ごしていましたか。
(日本代表指揮官)森保(一)さんとコミュニケーションをとってました。(中村)敬斗が代表入ったりしていて、応援していました。夏は初めて代表に入らなかったオフだったので、少しゆっくり過ごした感じですね。
――また戻れるかといった不安はなかったですか。
コミュニケーションを取っていたので、上手くやれていたかと思います。
――森保監督はメンバー発表のたびに「伊東選手を守るために呼ばない」という表現を繰り返していました。それを聞いてどう思っていましたか。
いろいろ言われることもあると思う。そういうのをいろいろと考えてくれてたと思う。そこはうまく話し合ってたかなと思います。
ファンは温かく迎えてくれた
7月下旬に伊東が所属するスタッド・ランスはジャパンツアーを開催し、J1ジュビロ磐田、J2清水エスパルス、J1・FC町田ゼルビアと対戦した。来日した伊東は、ファンが温かく迎えてくれた出来事を印象的に覚えていた。
――スタッド・ランスで日本ツアーをやったときの反応はいかがでしたか。記者、観客の反応です。
ファンの方たちはみんな温かく迎えてくれました。記者の方たちも普通に、“普通の方々”だったので大丈夫でした(一同爆笑)。
――体調もすごく良さそうですね。
いまはそうですね。日本ツアーで結構ハードにやって、ちょっと休んでいい感じで入れたと思います。チームもそこまで悪い状態じゃなくて、個人としても(合流前の)最後に点を取れてこっちに来れたんで良かったと思います。
――前回の最終予選(前々回は2016年9月1日にUAEに1-2、前回は2021年9月2日にはオマーンに0-1)。いまでも忘れないぐらいすごかったと思いますけど、その経験を踏まえて今回最終予選で自分の役割、チームでやるべきことはどう思いますか。
前回も初戦を落としています。それで自分たちで難しくしたアジア最終予選だったと思う。今回はアジア最終予選、1戦目からしっかり勝っていい状態で臨んでいければよりいいかなと思う。わざわざ追い込まれにいく必要はないかなと思います。
――その追い込まれたときに伊東選手が助けてくれました。
それは自分のやるべきことをやっただけです。ゴール、アシストは自分が1番やらなきゃいけないことだと思う。それが上手くできてチームを勝たせられて良かったと思っています。
森保監督「プレーは常に見ている」
性加害疑惑により書類送検されてから代表活動から遠ざかっていた伊東。その間は日本代表指揮官とコミュニケーションを取り続けていた。復帰を信じる森保監督は伊東にメッセージを送っていた。
――森保さんとコミュニケーションを取っていく中で、支えになったり、記憶に残っている言葉はありますか。
毎回普通に「今回は守るために入らない」という連絡はくれてました。そういうので自分も納得していました。特に問題なく過ごせてたかなと思います。
――アジアカップを途中で離脱しなきゃいけなくなってしまったときはどういう心境でしたか。
あのときは悔しい思いがありました。チームとして戦っているのでしょうがないかなと。納得して離脱したという感じですね。
――その後からコミュニケーションは取れていましたか。
そうですね。3月、6月のときもコミュニケーションは取れていました。
――どんな言葉ですか。
「プレーは常に見ている」と言っていました。どんな言葉だったのか覚えていないです(笑)。深刻な感じではなかったです。「元気?」みたいな感じから始まって。
――(代表に復帰できて)ホッとしましたか。
ホッとしたはしましたね。こういう区切りが付かないとなるといろいろ難しい部分もあると思う。そこは自分も納得して少し離れた部分もありました。でもいまは最終予選なので、まずはチームのために貢献するしかいまは頭にない感じです。
――中国とは前回の最終予選でも戦っています。印象は。
前回もそうでしたけど、後ろでブロックを組んで守ってくる。そういう相手をこじ開けるには、そんなに簡単なことじゃない。そこでうまく先制点の部分だったり、サイドでうまく崩していいチャンスを作れればいいかなと思っています。
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