日本代表がW杯アジア最終予選に向けて活動開始!DF中山雄太「やってやるぞ」とアジアカップ以来の代表に意気込む
日本代表は2日、千葉市内の高円宮記念JFA夢フィールドで公開練習を行った。2026北中米FIFAワールドカップアジア最終予選の2試合に向けて活動を開始した森保ジャパン。初日となったこの日は、欧州組9選手、国内組7選手の計16人で始動した。DF中山雄太(J1・FC町田ゼルビア)はAFCアジアカップ以来の代表活動に意欲を見せた。
ボールを使った練習に取り組んだ選手たちは中山のほか、同クラブで活躍するルーキーのDF望月ヘンリー海輝(ひろき)、DF長友佑都(J1・FC東京)、FW細谷真大(J1柏レイソル)の計4人。彼らは軽いランニングなどでウォーミングアップをした後、4対1と4対2のロンドに励んだ。なお同メニューには、今回から日本代表に入閣した長谷部誠コーチ(ドイツ1部フランクフルトのセカンドチームコーチ)が参加し、選手たちとともに汗を流した。
今夏、中山はイングランド3部に降格したハダースフィールド・タウンFCとの契約が満了となり、先月14日に町田へ加入した。Jリーグ復帰戦となったJ1第27節ジュビロ磐田戦ではゴールを決めていたが、実戦は3試合のみ。それでも本人は「コンディションはいい」と話し、この状況をポジティブに捉えていた。
「逆にいえば3試合だけしかプレーしていないので、これから良くなっていくと思う。ただその中でも呼んでいただけたことは自信になりますし、うれしいです。呼ばれたからにはパフォーマンスを出すことが1番大事。試合までの期間、しっかりと準備したいです」
中山にとっては直近の代表活動である1月から2月にかけて開催されたアジアカップを振り返った。
「個人としてだけではなく、チームとしても悔しさがある。ただチームはそれから数回の活動を経て積み上がったものがあります。僕はそれに順応しつつ、あのときの悔しさをプラスアルファにして最終予選に乗っけていきたいです」と燃える。代表は特別な場所だ。
「久しぶりなので『やってやるぞ』という気持ちが湧き上がってくる。もちろんその気持ちを持っていましたが、いざ入ってみると感じるものがあります。充実感を初日から感じています」
町田の公式Instagramが8月29日のメンバー発表直後に投稿した動画では、同じく代表に選出された望月に対して「俺も俺で勝負かかっているし」と発言していた中山。同クラブでの日々を代表にも還元できると話した。
「自分は町田という勝利にこだわるチームで日々取り組んでいる。もちろん前から意識していた部分ではありますが、町田に入ってからより伸びしろを感じています」
そのうえで「ここに集まっている選手たちは、勝利のために準備するということが前提としてできる。その中でも自分は勝利に対する貪欲さがあるチームでやってきたからこそ、プラスアルファのエナジーやアプローチをできたらいいと思います」と町田での経験が中山を進化させていた。
鬼門の初戦は「気負う必要はない」
日本代表は5日に中国代表と埼玉スタジアム2002で対戦する。前回のアジア最終予選ではオマーン代表に0-1で敗れているサムライブルー。ここまで2大会連続で最終予選における初戦を落としているが、中山は過去を重要視していなかった。
「教訓として意識しているくらいなので、個人的には足かせのような捉え方をしていない。本来あってはいけない初戦だったとみんな反省していました。まずはあのようなことが起きない前提で考えられるといいですし、あまり気負う必要はないと思っています」と言葉に力を込めた。
「単純に初戦は大事になってくるので、全力で取りにいく。前回大会の経験は、今回の初戦につながるいい材料だったと思えるように、勝利という形で還元したい。そして第2戦の勝利に繋げていく」と中国戦の勝利を誓った。
しかしあくまでも大本命はW杯だ。限られた代表の活動期間でチームとしての練度を高めたい。
「準備の段階からチームの共通認識を持ってやりたい。アジアカップでは負けたことによって問題提起がありましたが、結果ではなくて内容の部分から課題が出てきて、それを修正しなければいけないと思います。これから始まる準備の段階でそこを潰していきたいです」と、ワールドカップへ続く戦いが始まった。
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まずは初戦で勝利したい日本代表。久しぶりに日の丸を背負った中山にとってもアピールしたい一戦だ。町田で培った勝利への執着心を代表でも発揮したい。
(取材・文・写真 浅野凜太郎)