THE RAMPAGEから派生した5人組ヒップホップユニット、MA55IVE THE RAMPAGEが、デビューから4年の時を経てキャリア初の単独ツアー<MA55IVE THE RAMPAGE 1st LIVE TOUR 2024 "M5V">を開催。そのファイナル公演が8月28日、Zepp Hanedaで行われた。

◆ライブ写真

メンバー自身が強く待ち望んだ初ツアーのラストとあって、5人は気合い十分。全身全霊のパフォーマンスの果てに声を嗄らしたメンバーもいたほどだった。約30曲2時間にわたるライブは圧巻のMA55IVE全部盛り。8月14日にリリースした1stアルバム『M5V』の楽曲を中心に、記念すべきデビュー曲やスペシャルゲストとのコラボ曲、さらに今回のツアーでしか聴けないソロ新曲まで、4年間の軌跡を辿ると共に今後への期待を大きく感じさせる夜となった。
 

ライブはアルバム『M5V』収録曲を立て続けに披露してスタート。1曲目「Xscape」のイントロが鳴り出すとステージ幕が左右に開き、まずは中央から鈴木昂秀が凜々しい立ち姿で登場。数秒後、イントロが一時停止すると、ステージ全体が青紫に染まり、残る4人がスポットライトを浴びながら鈴木の左右に横一列になって姿を現す。客席から大きな歓声が起こるなか、5人はW型の階段状ステージに立ち、1人ずつ「Xscape」のヴァースをキック。スペイシーなサウンドでMA55IVEが織りなす音の宇宙をガイドしていく。


歌い終えた5人は階段から降りてステージ前方に集結し、「INVADERZ」「X MIND」を連続投下。アルバムのジャケット写真と同様の衣装をまとった5人はMVで披露した振付を交えながら、観客をフューチャリスティックな『M5V』の世界にぐいぐい引き込んでいった。


メンバーの短い自己紹介を挟んだあとは、頂きをめざす熱き魂を歌った「No.1」へ。ステージを真っ赤に染めるライトが楽曲の情熱をさらに駆り立てる。エネルギッシュなステージから一転、続いては、ひとり舞台に残ったLIKIYAが甘く艶やかなソロ曲「Whitney & Bobby」を披露。会場をセンシュアルな雰囲気に変えていく。


その後は再び5人に戻り、「W.Y.W」「LIT」「Drip Drop」を連続披露。多彩に変化するサウンドとリズムに合わせ客席にハンドクラップを求めながら場内温度を上げていく。熱気が十分に高まったところでBALLISTIK BOYZとのコラボ曲「SURVIVE」をドロップ。曲の途中でBALLISTIK BOYZの海沼流星、奥田力也、松井利樹が現れると客席から嵐のような黄色い声が上がり、疾風迅雷といえるような激しいパフォーマンスで会場を熱狂の渦に叩き込んだ。


その熱狂をパーティー気分にトランジションしたのが、DJ Sho-heyこと浦川翔平によるDJプレイ。スクラッチなどを盛り込みながら、THE RAMPAGEのラテンフレイバーの楽曲を巧みに繋ぎ、Zepp Hanedaをクラブに変えていく。DJプレイの後半では自分でビートを出しながらソロ曲「Hands In The Air」を披露。オールドスクール風味の高速ラップに場内が湧き上がる。


上昇し続ける熱気を一旦クールダウンさせるようなピアノの美しいインタールードを挟んだあとは、神谷健太のソロ曲「0」へ。過去の恋を振り返るスロウバラードを情感たっぷりに歌い上げ、「夢は夢のまま」「Be Your Man」「Way Up」というチル&リラックスなセクションへとバトンを繋げた。


その後はMCとなったのだが、ここで最初に口を開いたLIKIYAがやらかした。「みなさん、ここまで楽しんで頂けましたかー?」と調子良く切り出したあとに、「改めましてTHE RAMPAGEです!」と挨拶。思わぬ間違いに場内から大爆笑が起きる。「いや、まあ、間違ってはないけど……」とツッコミを入れながら笑い転げるメンバーたち。ファイナルとあってどこか緊張していた空気が、LIKIYAのこのひと言でほぐれていった。

和らいだ空気の中、5人は今回のツアーが開催できた喜びと感謝を伝え、そこからメンバーのサイン入りボールとTシャツのプレゼント抽選会へ。その後、LIKIYAが「情報解禁があります」と伝え、9月・10月にメンバーの出身地&東京で、ツアーのアフターパーティー『「M5V」Release Party』を開催することを報告。嬉しいニュースにファンはどよめき、やがてそれはファンからの喜びの拍手に変わった。


MCのあとは、観客にピースサインを掲げてもらった「Better」、肩の力を抜いて前に進むことを伝える「ガーベラ」を披露。ハードでソリッドな部分だけでなく、こういうソフトでチャーミングな曲調・表情もMA55IVEの大きな魅力のひとつだ。

続いては鈴木昂秀のソロコーナー。まずは最近のお気に入りというLinusの「雨」のサビをカバーし、そこから書き下ろしの新曲「One way」へ。オートチューンをかけた歌声が印象的なこの曲は軽やかなダンスチューンで、そのまま疾走感ある「On My Way」へと繋いでいく。


コラボ相手のRIKU(THE RAMPAGE)を呼び込んで投下された次曲「INFERNO」は、イントロが鳴り出しただけで場内は興奮状態。割れんばかりの黄色い声が続くなか、RIKUが曲の途中で曲名をコール&レスポンスしてさらに煽り、会場は狂騒と歓喜に包まれた。

その勢いのままライブはラストスパートへ。力強い重低音を響かせる「Wild Boy」ではブリッジの「Oh, Oh, Oh……」の部分を観客が大合唱。「RIDE OR DIE」ではフラッシュライトとレーザー光線が派手に明滅するなか、5人が力の限りに熱くスピット。観客の手首に巻かれた青いリングライトが上下に大きく揺れ、会場がひとつになって本編が終了した。


大きな拍手に迎えられて始まったアンコール1曲目は「playboi」。ツアーTに着替えたメンバーがヴァース順にひとりずつ登場しマイクリレーしていく。トリを務める山本彰吾は、自分のヴァースに続ける形でソロ曲「Rust」を披露。圧巻の高速ラップで畳みかけ、最後は叫ぶようにアカペラでラップして会場を大いに沸かせた。

その山本が「MA55IVEという名前が始まる前にもう一個ストーリーがあって……」と切り出し、「(THE RAMPAGEの)ホールツアーの2017-2018で、ここにいる俺と健太以外の翔平、LIKIYAさん、昂秀、そしてあとひとりの4人でヴァースを蹴ってました。それを見て俺はすげえカッケーと思ってラップを始めました。『M5V』を聴いてくれた人だったら、あとひとり足りてねえのわかるよな!」と煽って繰り出されたのが「GO HARD」。コラボ相手のTHE RAMPAGEの川村壱馬を呼び込むと会場中が大絶叫。地鳴りのような歓声と力強くバウンスするリズムに、フロアは暴走列車のように激しく揺れ動いた。

続けて披露されたデビュー曲「Determined」では、フックの「Ay yay ya letʼs go」「on my mind」という掛け声を観客が一体となって大コール。ボルテージは最高潮に達し、会場は熱狂と興奮のるつぼと化した。ラストは再び『M5V』の世界に戻り、星がまたたくステージセットでアルバムリード曲「Planetarium」をパフォーマンス。光り輝きながら高みをめざす今のMA55IVEを噛みしめるように歌う5人の姿が印象的だった。

すべての演目を終えた5人は、改めてファンに感謝を伝え、今後に向けた想いをひとりずつ語っていった。

「これからもみなさんの幸せを思っていろんな作品を生み出していきます!今後とも応援よろしくお願いします!」(神谷健太)

「ここから見える景色が最高すぎて、これからの日常が真っ暗にならないか心配です(笑)。僕らのパフォーマンスと歌でみなさんの人生をどんどんハッピーにしていきたいと思います。今日は来てくれてありがとうございました!」(山本彰吾)

「声がガラガラになってますけど、それくらいみなさんに幸せになって欲しくて全力を尽くしました。ツアーは今日で終わりですけど、MA55IVEの旅はまだまだ終わらないので付いてきてください!」(浦川翔平)

「みなさんから最高の笑顔とパワーをいただきました。僕らはこの星のきらめきに負けないようにもっともっと輝いていきたいと思います!付いてきてくれますか?」(鈴木昂秀)

「僕らの道のりはここからスタートだと思ってます。もっともっと僕らの可能性を広げて、みなさんに最高のエンタテインメント、そして愛をこの5人で全力で届けていきます。また必ずお会いしましょう!未来にピース!」(LIKIYA)

パワフルでありながらスタイリッシュ。野性味の中に見え隠れするエレガンス。スマートな立ち振る舞いとお茶目な顔。滑らかなフロウと洗練のメロディー。飽くなき向上心とピースフルなメッセージ。今回のライブでMA55IVEが、多彩な表情とヴァーサタイルな魅力を備えていることは実証されただろう。初ツアーを大成功に導いた彼らが進む未来は、宇宙を映し出すプラネタリウムのように美しくきらめいている。

文◎猪又 孝
写真◎高田梓、藤井拓、木下マリ

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◆MA55IVE THE RAMPAGE オフィシャルサイト