エッグスンシングスの「1045円朝食」で味わう幸福
ハワイアンカジュアルレストラン、エッグスンシングスのモーニングをご紹介!(筆者撮影)
喫茶店やレストランが、朝の時間帯にドリンクやトーストなどのメニューを割安価格で提供するモーニングサービス。名古屋の喫茶店が始めた文化とされていますが、最近では大手外食チェーンも数多く提供しています。
そんなチェーン店の外食モーニングをこよなく愛するライター・ブロガー、大木奈ハル子さんがお届けする本連載。第91回となる今回、訪れたのは「エッグスンシングス(Eggs 'n Things)」です。
ひそかに飲食チェーンがしのぎを削っているジャンル、それがモーニングです。集客の弱い時間帯である午前中の売り上げを強化すべく、朝の数時間だけ提供される限定メニューの数々は、コスパ抜群かつ店の特色が強く表れ、どれも魅力にあふれています。
今回ご紹介するのは、ハワイ発のカジュアルレストラン「エッグスンシングス」です。開放的な店内で、ハワイアンモーニングを堪能してきました。(なお、当連載の性質により、記事内では「ブレックファスト」ではなく、「モーニング」と形容させていただきます)
パンケーキの人気店、エッグスンシングスはブレックファスト専門店
「エッグスンシングス」は、2010年に日本1号店を原宿に出店し、現在は国内に33店舗を展開しています。
【画像16枚】「平日1時間だけ…でも大行列」「値段もかなりお得!」…。エッグスンシングスの「1045円モーニング」はこんな感じ
看板商品である、ホイップクリームてんこ盛りのハワイアンパンケーキは、そのおいしさと抜群のSNS映えから人気を呼び、パンケーキブームの火付け役となりました。
エッグスンシングスの大人気メニューはホイップクリームたっぷりのパンケーキ(筆者撮影)
薄めに焼いたしっとりパンケーキに、うず高く盛り上がったホイップとシロップ漬けのいちごをトッピング。さらにお好みでトロピカルなグァバソースやココナッツシロップをかけて食べるという、甘さ控えめの対極にある、甘党垂涎の蠱惑的なシロモノです。
甘いホイップクリームにお好みで、さらに甘いグァバソースをかけて召し上がれ(筆者撮影)
たとえエッグスンシングスでパンケーキを食べたことはなくても「テレビで紹介されているのを観た」「友達のインスタグラムに写真がアップされていた」など、その存在を知っている人は多いのではないでしょうか。
このお店のコンセプトは「All Day Breakfast」。直訳すると「1日中朝食が食べられるお店」という意味です。言われてみれば、グランドメニューを眺めると、いずれも朝食っぽいメニューが揃っています。
いわば朝食の専門店による朝限定メニュー。それが当記事でこれからご紹介する「ブレックファストスペシャル」です。
エッグスンシングスの朝メニューブレックファストスペシャル
「エッグスンシングス」朝限定メニュー「ブレックファストスペシャル」のメニューは9種類。すべてドリンク付きで、販売は平日限定、提供時間は開店から朝11時となっています。
・エグスンパンドイッチ カルアポーク&チーズ 税込1045円
・エグスンパンドイッチ ロースハム&チーズ 税込1045円
・チーズクレープ 税込1265円
・エッグホットサンド 税込1045円
・クラシック・フレンチトースト 税込1265円
・アサイーアイスボウル 税込1595円
・ミニロコ・モコ 税込1078円
・バニラココナッツボウル 税込1485円
・クラシック・クレープ 税込880円
セットドリンクも豊富で、日常ではあまり馴染みのない、コナコーヒーやグァバジュースなど、ハワイにちなんだ飲み物もありました。
・コナコーヒーブレンド(ホット)
・アイスコーヒー
・アールグレイティー(ホット/アイス)
・プランテーションアイスティー
・レモネード
・チョコレートドリンク
・トマトジュース(リコピンリッチ)
・ミルク(ホット/アイス)
・フルーツドリンク(オレンジ/グレープフルーツ/グァバ/パイナップル/マンゴー/クランベリー)
右上にあるのが、エッグスンシングスの朝メニュー・エッグホットサンド。その他も、かわいいイラストでテンションが上がります(筆者撮影)
「エッグスンシングス」のパンケーキは、ホイップクリーム付きの場合は税込1408円〜と、なかなか強気な価格です。
それ以外のメニューも、ハンバーガーが税込1518円〜、エッグベネディクトが税込1430円〜、オムレツが税込1353円〜と、ドリンクを一緒にオーダーするとして1人あたりの予算は2000円ぐらいという感じ。
卓上調味料は、左からグァバソース、ココナッツシロップ、メープルシロップ、トマトケチャップ(筆者撮影)
つまりはモーニングメニューの、ドリンク付きで800円から1500円台という価格設定は、牛丼チェーンのたまごかけご飯定食と比べるとお高く感じるかもしれませんが、同店内で比較するとかなりのお得感です。
平日1時間だけのモーニングに大行列
今回筆者が訪れたのは、海沿いのショッピングモールにあるお店です。
モーニングの提供時間は、平日朝10時の開店から11時までの1時間だけなのですが、10時半頃に到着した時点で店内は満席で、さらに15人ほどの行列ができていました。どうやら「エッグスンシングス」のモーニングは、知る人ぞ知る人気メニューのようです。
20分ほど待ったのち、アロハシャツに短パンのスタッフに「アロハ」と挨拶をされ、窓側のテーブル席に通されました。
レンガ壁と無垢フローリングの床がナチュラルな印象の店内は、広々とテーブルが配置され、窓の外にはレインボーブリッジと青い空。BGMはもちろんハワイアンミュージック。スチールギターとウクレレの温かみのあるサウンドが耳に心地よく響きます。
客層はファミリーや、女友達、カップルなど、複数人利用が中心で、4人以上のグループ利用も多め。男性1人客はいません。
お皿は、ラインが入っただけのシンプルなデザイン。茶色やオレンジの色味も愛らしく、朴訥としつつもおしゃれ(筆者撮影)
いつ行っても女性客がほぼいない、男性1人客がメインの牛丼チェーンとは対照的な客層です。
滞在時間も対照的で、利用客のほとんどがゆっくりと食事を楽しみ、ハワイの空気感を楽しんでいました。
エグスンパンドイッチ カルアポーク&チーズ1045円
エグスンパンドイッチ カルアポーク&チーズは、税込1045円。「エッグスンシングス」の名物であるハワイアンパンケーキに、カルアポークとチェダーチーズを挟んだサンドイッチです。
エグスンパンドイッチ カルアポーク&チーズ1045円(筆者撮影)
と、書いたところで、よほどのハワイ通でもない限り「はいはい、カルアポークね」とはなりませんよね。
カルアポークというのはハワイの伝統的な料理で、豚肉をバナナの葉で包んで燻製にしてから、ほぐしたものです。
燻製されることで豚肉に葉の風味が移り、水分が飛ぶことで旨みが凝縮されています。じっくり火を通して柔らかくなった肉を細かく割くことで口の中に入れるとホロホロと崩れるような食感に仕上がります。
このカルアポークとチェダーチーズとピクルスを、2つ折りのパンケーキにイン。具材はシンプルだし、ソースなどの調味料もなし。
調理工程にあまり手が込んでないのですが、素材のひとつひとつにこだわっているのと、食い合わせの相性が良いので、独特の癖があり食べ慣れない味ではあるものの、シンプルかつハワイアンな味わいです。
カルアポークはベーコンとツナフレークを足して2で割ったような味で、噛めば噛むほどにエキスが口のなかにじゅんわり広がります。チェダーチーズはマクドナルドのスライスチーズなどにもブレンドされている濃いオレンジ色が特徴で、こっくりとコクのあるまろやかな味わい。
卓上調味料のメープルシロップとカルアポークは意外なフードペアリング。マックグリドルのような甘さとしょっぱさのコントラストが楽しめます(筆者撮影)
パンケーキはかなり甘めなのですが、意外としょっぱいおかずとマッチします。ピクルスは唐辛子漬けにされており、ピリリとした辛さが味をひきしめます。
添えられたサラダにはシーザードレッシングがかかっているのですが、クリーミーでコクがあり、酸味はかなり控えめ。スーパーの商品棚に陳列されているシーザードレッシングとは似て非なるものです。
日本でハワイの朝食を味わえる贅沢
筆者はハワイ旅行に行ったことはないものの「なるほどこれがハワイアンの朝ごはんか」と。目を閉じれば脳裏にワイキキビーチが広がる……というのは言い過ぎですが、日本のコンビニでは売っていない、ここに来ないと食べられない料理を堪能しました。
窓の外には最高の景色。レインボーブリッジと青空が広がっていました(筆者撮影)
食べ慣れた味は愛すべきものですが、「たくさんの新しいおいしさとの出会いは、人生を豊かにしてくれるなぁ」としみじみ感じる朝です。
【その他の画像はこちら】「平日1時間だけ…でも大行列」「値段もかなりお得!」…。エッグスンシングスの「1045円モーニング」はこんな感じ
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さまざまなトッピングが選べるパンケーキメニュー(筆者撮影)
エッグスンシングスの朝メニューブレックファストスペシャル(筆者撮影)
プランテーションアイスティーとコナコーヒーブレンド。プランテーションアイスティーはパイナップル果汁たっぷり。コナコーヒーはハワイ産のコーヒー豆を使用(筆者撮影)
店外の看板。ナチュラルな配色と素材がなんともハワイっぽい(筆者撮影)
天井は高く、開放感のある店内(筆者撮影)
エグスンパンドイッチ カルアポーク&チーズ。薄いパンケーキに具材がたっぷり詰まっています(筆者撮影)
こちらもおいしくいただきました(筆者撮影)
編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。
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(大木奈 ハル子 : ブロガー・ライター)