子どもの孤食が習慣化した場合、どのような影響がある?

写真拡大

 核家族化が進んでおり、子どもと一緒に住む大人が両親だけという家庭で育った人は多いと思います。両親が働いていると、子どもだけで家にいる時間が自然と増え、食事も1人、もしくは兄弟姉妹だけで食べるというケースも増えます。

 もし、子どもが1人で食事をすることが習慣化した場合、発育上、どのような影響があるのでしょうか。保育士の白井麻依子さんに教えていただきました。

行儀が悪い食べ方が身に付いてしまう場合も

Q.子どもの孤食が習慣化した場合、発育上、どのような影響があるのでしょうか。

白井さん「孤食の悪い点は、食事によるコミュニケーションをまったく得られないことです。黙々とただ食べるだけになってしまうと、食への関心が薄れてしまいます。食事は、ただおなかを満たせば良いのではなく、日々の食事から私たちの体がつくられていることを知り、正しい食習慣を身に付けるための重要なプロセスなんです。

また、親や周囲の大人と食べる機会がなくなると、子どもが箸の持ち方のほか、食事中にしてはいけない食べ方などの指導を受けられなくなるため、行儀が悪い食べ方が身に付いてしまうことも問題視されています。

子どもの成長のほか、子どもに食べることの大切さを学んでもらうためには、できるだけ家族で食卓を囲むことが重要です」

Q.では、子どもの孤食の習慣を解消させるためには、どうすれば良いのでしょうか。

白井さん「『両親が朝から晩まで仕事』という家庭は、料理を作ったり、家族全員で過ごす時間が取れなかったりするかもしれません。

そこで、ぜひ活用していただきたいのが保育園です。保育園では同じ年齢層の子どもたちと一緒に食事を取る機会が必ずあるため、みんなで食事をすることでコミュニケーションをしながら食事をする楽しさを味わってほしいと思います。

近年は、1日や数時間単位で子どもを預けられる『一時保育』を行っている施設も多いため、自宅の近所にそうした施設があるか調べていただくと良いかもしれません。親御さんもリフレッシュすることで、気持ちに余裕が生まれると思います。

このほか、子ども食堂やシッターなど、安心して子どもを預けられる場所やサービスを探しておくのがお勧めです」