「サンデーサイレンス旋風」の幕開けは札幌から 産駒が早々に重賞初勝利
後に日本競馬の血統地図を塗り替える大種牡馬となったサンデーサイレンス。その産駒重賞初制覇は94年の札幌3歳S、勝ったのはプライムステージだった。初年度産駒からフジキセキやタヤスツヨシ、ダンスパートナーなど、大物を続出したスーパーサイアーの黎明期を振り返る。
幼少期のサンデーサイレンスは決して見栄えのする馬ではなかった。後肢の飛節が内側に湾曲していたこともあって、セリでは希望価格に届かなかったほど。それでもケンタッキーダービーなどG1を6勝したが、血統が地味だったため、米国では種牡馬として評価されず。結果的に社台ファームの吉田善哉氏が購入し、社台スタリオンステーションでスタッドインすることとなった。
結果的にこれがサンデーサイレンスにとって幸運だったのかもしれない。94年に初年度産駒がデビューすると、評価は急上昇した。それもそのはず、キタサンサイレンスが産駒初出走初勝利を果たすと、その後も勝ち馬が続出した。そして産駒重賞初出走となったのが札幌3歳S。単勝1.8倍の圧倒的1番人気に支持されたプライムステージが、先団から楽々と抜け出して完勝。2着にもキタサンサイレンスが食い込み、重賞初出走で産駒ワンツーの偉業を果たしたのだ。
その後もSS旋風は吹き荒れた。12月にはフジキセキが朝日杯3歳Sを制し、産駒GI初制覇。翌年のクラシックではタヤスツヨシ、ジェニュイン、ダンスパートナーなどが大活躍することとなる。そんな新時代の到来を告げた札幌3歳Sから早くも30年。これからもサンデーサイレンスの名前は日本の、そして世界の名馬の血統表で、存在感を放ち続けるに違いない。