かつて手放した革靴と奇跡の再開 推定50年物のビンテージシューズをつやつやに修理する
今回紹介するのは、ニコニコ動画に投稿された『靴修理をしてたら奇跡が起きてしまいました…!【トリッカーズ】』というシヨミフさんの動画です。
投稿者のシヨミフさんは靴の修理をする動画シリーズを投稿しています。
今回、扱う靴は8年ほど前に履いていたビンテージ物の靴で、一度手放したものを偶然見つけて買い戻したそうです。
手放す前にも修理していたため、自分の過去の修理跡とも再会する形に。
靴底に空気が入って、歩くと音が出る状態だったため貼り直す修理をしていきます。
靴底に入っている「シャンク」と呼ばれる支えの部品と、クッション材のコルクを取り外します。
シャンクは質の良い物だったので、綺麗にして再利用します。
靴の底の革と甲の革をつなぐ「ウェルト」という細い革を取り、底の部品を綺麗に取り去ります。
靴底を取り終わったら、一旦丸洗いにします。
シヨミフさんが愛用する洗剤は「アクロン」です。
洗った後は革に油分を補給し、風を当てて乾かします。
革は高温にさらすとダメになってしまい、とくに濡れているときは注意が必要なため、乾燥は送風だけで行っているそうです。
乾燥後にウェルトを縫い付け直します。
「リウェルト」と呼ばれる工程ですが、以前も修理しているので「リリウェルト」……? などと言いつつ作業を進めます。
ウェルトを縫い直したら、シャンクを戻します。
続いて、新しいクッション材を入れます。
接着剤をしっかり塗って、ハンマーでたたき空気が入らないように固定します。
最後に靴底を貼り直します。
こちらも空気が入らないようにハンマーで念入りにたたきます。
貼り付けた靴底がはがれないよう、底縫い屋さんに外注して縫ってもらいます。
底が完成したら、かかとを取り付けます。
接着剤で取り付けて、ハンマーで空気抜き。さらに釘で固定します。
こうして底の張り直して、ビンテージ革靴の修理完了です。
修理前と見比べると、取り換えた靴底やウェルトが違っているのはもちろんですが、丸洗いして油分を補給した皮全体がつやつやになり、色合いも深みを増しているように思えます。
大切に履き、壊れれば修理してさらに使い込んで行く中で、次第に唯一無二の靴になっていくというのは時間の重みを感じます。
しっかり修理したのでこの先50年頑張ってもらいましょう、とのこと。
日々使う「靴」ですが、その構造や修理について知っている方は少ないかと思います。
修理の様子以外にも、靴や素材の革についての知識もつまった興味深い動画でした。
視聴者のコメント
色とか縫い目とかかっこいいな
トリッカーズは現英国王チャールズ3世のロイヤルワラントをもらっている靴メーカーです
革って帰巣本能あるんだな
買った人みんなが大切に履いてたってのも凄いな
数十年後にとんでもないプレミアついてそう。革の状態で価値が変わったり