大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、8月21日の放送に「保育園を考える親の会」顧問で保育ジャーナリストの普光院亜紀(ふこういん あき)が出演。発売中の新刊『不適切保育はなぜ起こるのか──子どもが育つ場はいま』のタイトルにもある「不適切保育」を解説した。

大竹まこと「“不適切保育はなぜ起こるのか”。一時期ね、国会でも取り沙汰されて……」

普光院亜紀「2022年11月に静岡県裾野市で起こったことを市長さん自身が会見で報告されました。その以前からいろいろあったんですけど、非常にメディアに注目されて。国会でも話題になりましたし、こども家庭庁もガイドラインを出したり、調査をしたり、ということをしています」

大竹「だから国は力を入れた、という感じですね」

普光院「保育の質も大事なんだ、ということは最近の文書を見ると、書いてくれるようになったかな、と思います」

大竹「現場を見て。いま親御さんからはどんな声が上がっているわけですか?」

普光院「騒動で伝えられたのが、たとえば保育士が子供を叩いている、怒鳴っている、恫喝している……。中には足を持って逆さ吊りしたなど、すごい報道だったので、皆さん、たいへん不安に思っていて」

大竹「はい」

普光院「私どもの会(保育園を考える親の会)で保育園入園のためのオリエンテーションのイベントを行うんですけど、そういうところでも『安心な保育園はどう選んだらいいのか』『不適切保育はどうなっているのか、どこにでもあるのか』といった御不安の声は出てしまっている状態です」

大竹「これは認可保育園の話ですか?」

普光院「認可保育園でも、認可外でも起こっています。入園に関しては、入りやすくなってきたんですね。待機児童数も減ってきて。だけど今度は『どこでもいいというわけじゃないよね』『安心で安全な保育園にお願いしたいですよ』ということになっています。どうすれば見分けられるのか、という相談をよく受けます」

大竹「この保育園はいいよ、という噂は?」

普光院「そういう口コミみたいなのはありますね。そもそも私は保育園が大好きでこの会をずっとしてきたんですけど、どこでもそんなことが起こっているわけじゃない。本当に一部の園なんです。ただやはり、子供が駄々をこねたときの対応ができない、理解をうまくできない経験の浅い保育士さんも多い。いろんなお子さんがいる集団生活ですから大変なんですよ」

大竹「うん」

普光院「ご飯食べたりお昼寝したり、と1日のスケジュールを組んでいくのに、チームワークをうまくしてね。経験のある先生と『こういうときはこうしたほうがいい』と言いながら保育ができていれば大丈夫なんですけど、できていないところだと保育士さん自身が追い詰められて。家庭でも虐待が起きるように、保育施設でも子供を力で支配する。子供は怒鳴られたり叩かれたりすれば言うことを聞く」

大竹「うん……」

普光院「支配して言うことを聞かせると集団生活させるのが楽なので、そうしがちなんですけど、それでは子供の心がうまく育たないんですね」