リバプールでプレーする遠藤航【写真:ロイター】

写真拡大

新生リバプールで序列低下の遠藤

 イングランド1部リバプールは今夏の移籍市場でレアル・ソシエダのスペイン代表MFマルティン・スビメンディの獲得に失敗し、補強ゼロでプレミアリーグの開幕を迎えた。

 開幕節のイプスウィッチ戦ではオランダ代表MFライアン・フラーフェンベルフのアンカー起用が的中し、2-0の勝利を収めたなか、現地メディアは「リバプールはスビメンディの代替案で大きな間違いを犯しているかもしれない」と見出しを打ち、日本代表MF遠藤航の起用について指摘している。

 昨季リバプールに加入した遠藤は、シーズン途中からアンカーのレギュラーに定着。チーム唯一の守備的MFとして重宝された一方、新シーズンから就任したアルネ・スロット監督はアンカーにゲームメイク力を要求するスタイルであることから、プレシーズンマッチでも新しいチーム戦術に苦労する姿が目立っていた。これもあってか、リバプールはスビメンディに違約金の満額である5200万ポンド(約98億円)の正式オファーを提示し、一時は合意に迫っていたが、最終的にはスビメンディ本人の固辞によって実現には至らなかった。

 現地時間8月17日に行われた開幕節のイプスウィッチ戦では、スロット監督は昨季までインサイドハーフでの出場が多かったフラーフェンベルフを6番役に抜擢。指揮官が求める攻撃的アンカーを体現し、全2得点に絡む貢献で2-0の勝利に貢献した。そんななか、英メディア「GIVE ME SPORT」は「リバプールはスビメンディの代替案で大きな間違いを犯しているかもしれない」と見出しを打ち、「GIVE ME SPORTは、新たな6番の獲得失敗で遠藤が恩恵を受けると取り上げた。しかし、この日本代表選手のプレースタイルはスロットのプレースタイルに適することはあるのだろうか?」と、前向きな見解から一転して遠藤の立場に疑念を抱いている。

 ポゼッション志向のスロット監督は、MFアレクシス・マック・アリスターのポジションニングをやや下げることでフラーフェンベルフの負担を補填し、攻撃的MFを中盤に並べるリスクを軽減させる戦術を示したなか、「クロップの4-3-3システムで居場所を見出していた守備志向の遠藤にとって、難しいシナリオが描かれている」と言及し、「中盤は最終ラインのすぐ前にいるが、トランジション能力が不可欠となっており、スロットは遠藤にその能力を見出しているわけではない」と指摘していた。(FOOTBALL ZONE編集部)