ファーウェイが第1位に、中国市場でタブレットのシェア伸ばし低迷のアップル抜く
米国に本社を置きITに特化した調査サービスなどを手掛けるインターネット・データ・グループ(IDG)の発表によると、中国国内のタブレットPCの2024年第2四半期(4−6月期)の市場シェアでは、華為技術(ファーウェイ)が前年同期比7.7ポイント上昇の28.4%で、同8.1ポイント下落で28.0%だったアップルを抜いて第1位になった。
中国市場全体のタブレット出荷台数は前年同期比7.0%増の720万台だった。中国市場におけるタブレット出荷台数は23年第4四半期(9−12月期)まで前年同期割れが続いていたが、24年第1四半期(1−3月期)には前年同期時6.6%増で、第2四半期も前年同期を上回った。IDGは、買い替えなどによる上昇サイクルに入ったと分析した。
24年第2四半期における中国市場でのファーウェイとアップルに続くシェア第3位から第5位までは、前年同期比1.9ポイント上昇で12.8%だった小米(シャオミ)、同1.8ポイント上昇で9.0%だった栄耀(オナー、Honor)、同0.3ポイント上昇で6.8%だった聯想(レノボ)が続いた。
IDGは24年第1四半期におけるファーウェイのタブレット販売の状況について、「出荷台数は前年同期比46.9%増だった。5月に発売された『MatePad 11.5S』は外部からの部品調達が困難になった後の初の製品であり、発売と同時に人気に火がついてファーウェイ全体の出荷量の急増を後押しした。商用市場ではファーウェイが引き続きトップを維持している。移行期の中高価格帯の製品には一時的に小幅な落ち込みが見られた」と評した。
アップルについては、「今期の新製品の発売が市場シェアを前月比で回復させた」「しかし次世代型iPad AirとiPad Proシリーズの価格設定が高いため、市場の主流の獲得は難しかった。6月18日の販促期間には中国ブランドのアンドロイド機種との機能面と価格面での激しい競争に直面し、アップルの中国市場シェアは前年同期比で依然として低下した」と分析した。
IDGのシニアアナリストである龍雲氏は中国における24年下半期タブレット市場について、「AI機能が徐々にタブレットに導入され、市場の発展を促進するだろう。短期的にはAIが販売台数に与える影響は限定的かもしれないが、AI機能の探求が将来のタブレットのサイズ、仕様、価格などに影響を与えることになる。初期の段階では、タブレットのAI機能は主にPCやスマートフォンからの流用によるものになるが、その後はAIを利用した独自の機能の革新がタブレットの潜在能力を引き出し、メーカーの競争力を強化する鍵になる」との見方を示した。
IDGが前後して発表したタブレットの24年第2四半期の世界シェアでは、アップルが35.8%で第1位だった。第2位は、20.1%のサムスン、第3位は7.3%のレノボ、第4位は6.8%のファーウェイ、第5位は5.8%のシャオミだった。(翻訳・編集/如月隼人)