なでしこと対戦し敗れた北朝鮮(24年2月)【写真:Getty Images】

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英国で「女子サッカーの眠れる巨人」と評される

 サッカー北朝鮮女子代表は、パリ五輪の出場を逃し今大会は参加できなかった。

 アジア最終予選でなでしこジャパン(日本女子代表)に敗れた北朝鮮について、海外メディアは「女子サッカーの眠れる巨人」とその存在の不気味さを報じている。

 FIFAランキング10位の北朝鮮。AFCアジアカップでは3度の優勝を誇り、アジア競技大会、E-1サッカー選手権でもそれぞれ3度のタイトルに輝いている。パリ五輪の出場を懸けた2024年のアジア最終予選では、2月28日に日本と第2戦を行った。

 中立地サウジアラビア・ジッダで行われた第1戦を0-0で終えていた両チーム。28日の第2戦では2-1で日本が勝利し、無事パリ五輪への出場権を獲得した。一方敗れた北朝鮮は出場を逃し、リ・ユイル監督は試合後に涙を浮かべる様子もあったという。

 本大会で日本は、準々決勝で金メダルのアメリカに敗れて2大会連続のベスト8敗退に終わる。五輪は全日程を終えたなか、英公共放送「BBC」は「女子サッカーの眠れる巨人」と、北朝鮮をピックアップ。「北朝鮮は世界でも有数の女子サッカー強国である」と、過去対戦したアメリカ女子代表MFヘザー・オライリーの語った内容を回顧している。

「2007年の試合は本当にハードだった。彼女らからボールを奪うのは難しかった。私たちが持っていた彼女たちの映像は、当時から非常に限られていた。北朝鮮と対戦するたびに、彼女たちは謎に包まれていた」

 2007年の女子ワールドカップ(W杯)で対戦し、決勝ゴールを挙げたオライリーは北朝鮮戦の厳しさに言及。さらには「BBC」の報道を受け、韓国ニュースサイト「マネー・トゥデイ」も「北朝鮮女子サッカーを海外が評価した理由」と題し取り上げる。

「北朝鮮女子サッカーチームは2024年パリ五輪への出場を逃したが、それでも世界は彼女たちに注目している。彼女たちは2月に2-1で日本に敗れ、2024年パリ五輪の出場権を逃した。世界の舞台には立てなかったものの、北朝鮮の女子サッカーチームはアジアのみならず世界でも屈指の強さを誇る」

 ベールに包まれた北朝鮮の持つ不気味さを伝えつつ、「韓国女子サッカーチームは過去の試合で北朝鮮に絶対的に劣っていた」と、女子サッカー界では自国が劣勢に置かれている現状にも触れていた。

「BBC」では「このチームが今後どのような力を発揮できるかは誰にも分からない」と謎多き北朝鮮チームについて総括している。今後もアジアを戦ううえで対戦を免れない国であるだけに、この先も十分な準備をして戦いに挑む必要があるのかもしれない。(FOOTBALL ZONE編集部)