Image: NASA/ESA/G. Bacon (STScI)

宇宙人、やっぱいないのかなぁ…。

多くの天文学者が生命を維持できる可能性があると信じていた「赤色矮星(せきしょくわいせい)」。低温の恒星ですが、頻繁に致命的な紫外線放射のフレアを放出していることが判明。その威力は、天文学者が以前考えていたよりもはるかに強力だということもわかりました。

どれくらい強力なフレア?

天文学者チームはGALEX宇宙望遠鏡によって収集されたデータを使用して、天の川銀河の30万個の恒星からの太陽フレアを分析した結果が『王立天文学会月報』に掲載されています。

この研究論文では、2003年から2013年の間に望遠鏡によって検出された紫外線放射が、平均して以前の想定の3倍のエネルギーを持っていたと報告されています。フレアはその12倍のレベルに達していたケースもあったそうです。

フレアを通じて十分な紫外線を生成し、惑星での居住の可能性があると考えられている星はこれまでほとんどありませんでした。しかし、私たちの研究結果ではさらに多くの星がこういった能力を持つ可能性があることを示しています。

とケンブリッジ大学の大学院生でこの研究を主導したVera Berger氏は述べています。

なぜフレアが出ているか?

赤色矮星がなぜそんなにも強力なフレアを放出しているのかは明らかではないとのこと。Berger氏の同僚Jason Hinkle氏は、赤色矮星は地球の太陽よりも小さく、冷たく、フレア以外では紫外線放射が少ないと指摘しています。研究チームは、このフレアの予想外の強度は紫外線放射が狭い波長に集中していることが原因かもしれないと仮説を立てています。これは星の中の炭素や窒素などの元素の存在によって引き起こされている可能性があるそうです。

原因が何であれ、強力なフレアは近くの惑星における生命の可能性にとっては大きな障害となってきます。紫外線放射は大気を侵食する効果があり、それが長期的に生命が形成・繁栄するのに必要な有機的プロセスを阻害するからです。

この発見は、地球から約6光年離れた100億年の赤色矮星であるバーナード星を調査した2020年の論文と同じような結果と言えます。研究チームは、居住可能領域内(生命にとって暑すぎず、寒すぎずの環境)の惑星に壊滅的な影響を与える可能性があることを確認しています。

他にも生命の可能性のある惑星がある?

赤色矮星は「天の川銀河星」として知られている星の約75%を占めています。一部の宇宙生物学者は、もし宇宙に異星生命が存在するなら、その大部分は赤色矮星系の惑星だろうと仮説を立てているのです。2013年に発表された論文では、私たちの銀河内だけでも最大で45億の居住可能な惑星が小さな星の周りを回っている可能性があるとされています。

しかし、フレアの問題を除いてもこの仮説は崩れそうな感じはあるんです。同じ2013年の別の研究では、理論的には生命が繁栄できるかもしれない赤色矮星近傍の系外惑星の多くが、致命的な太陽風にさらされていると結論づけられています。また2016年の研究でも、星の居住可能領域にある多くの惑星が、実際には生命が生き残るには暑すぎることが判明しています。

生命の可能性があった惑星が新しい研究でどんどん除外されてはいますが、2020年に発表されたリストでは、地球よりもさらに生命を維持するのに適している可能性のある24の系外惑星が紹介されています。

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