「お父さま、それはいかがなものですか」愛子さまが陛下を諫めた「意外な理由」<54年来のご学友が明かす天皇ご一家の実像>

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陛下と愛子さまの共通点

「陛下は生真面目で几帳面な方ですが、愛子さまはそれ以上です。愛子さまは陛下よりもさらに厳格でいらっしゃる。父君であっても母君であっても注意すべきところは注意されることもあるようです」

こう明かすのは陛下のご学友である乃万暢敏(のま・のぶとし)氏。学習院において初等科から大学院まで今上天皇の同級生だった乃万氏は、その後も陛下と家族ぐるみの親交を続けてきた。

陛下の意外な一面を紹介した前編記事『54年来のご学友が明かす、今上天皇陛下の「お人柄」「成績」からまさかの「あだ名」「酒豪伝説」「たった一度のわがまま」まで』に続き、54年にわたって親交を続けてきた陛下の無二の親友が、雅子さま、愛子さまの素顔を紹介する――。

「愛子さまは陛下のお側で深い薫陶を受けてこられました。何事にも誠実であろうとされるところが、陛下とよく似ていると思います。あと、頑固なところでしょうか。言い出したら後に引かないというか。言い換えると、極めて生真面目な方だと思います。

愛子さまは学習院大学を卒業後、今年4月から日本赤十字社に就職されましたが、ほぼ毎日出勤されており、時には残業することもあると聞きます。その働きぶりにも生真面目な性格の一端が現れていると感じます」

愛子さまは大学で福祉に関する授業を履修されるなど、かねてより福祉活動全般に関心をお持ちだった。配属先は「青少年・ボランティア課」。情報誌の編集や研修会の運営などをご担当されているという。

「陛下が各地にお出ましになる際、多数の警察官が警備に当たります。皇宮警察、警視庁の警衛課、所轄、さらに沿道警備。陛下は感謝の気持ちを伝えられるのはもちろんのこと、沿道警備の担当者のことまで考えて行動されます。もしここで5分遅れたら沿道警備の方々にどんな影響が出るだろうか。そこまで考えておられます。

愛子さまの働きぶりはそんな陛下の姿と重なります。適当にやっておけばいい。陛下も愛子さまもこうした考えは1ミリも持たれておられない。常に何事にも真摯に取り組まれていると思います」

焼酎「愛子」の空瓶を…

逆に、陛下と似ていないところはありますか? こう聞くと、乃万氏は笑みを浮かべてこう振り返った。

「愛子さまは陛下よりもさらに厳格でいらっしゃる。父君であっても母君であっても注意すべきところは注意されることもあるようです。陛下は水問題を長年ライフワークとされており、水フォーラムの名誉総裁をなさっています。

陛下がご自分でも仰っているエピソードですが、朝、歯を磨いているとき、水を出しっぱなしにしていたところ、愛子さまに『お父さま、それはいかがなものですか』と注意されたそうです。愛子さまがまだ小さい頃です。陛下は頭を掻きながら『それ以来、気をつけるようにしています』と仰っておられますが、どこかうれしそうでいらっしゃるように感じたものです」

陛下の子煩悩ぶりを表すエピソードがあるという。

「皇太子時代のあるとき、陛下の行きつけだった目白の寿司屋で大学のゼミの同期会が開かれました。その席では、屋久島の『愛子』という焼酎が振る舞われましたが、非常においしく、みんなですぐ空けてしまった。

帰り際、陛下に『乃万くん、この空瓶を持ち帰ってもいいか、ご主人に聞いてくれないかな」と頼まれました。瓶のラベルには『愛子』と書かれており、子煩悩な陛下としては置いて帰るのが忍びなかったのでしょう(笑)』

雅子さまお手製の「おつまみ」

乃万氏は夫婦で御所に伺うこともあったが、雅子さまの細やかな気配りには夫婦ともども感心しきりだったという。

「『雅子さまはどのようなお方ですか』と問われることが多々ありますが、『明るく聡明で、気配りのかたまりのような方』と答えております。

ご成婚後間もなくの頃、陛下の気の置けない我々学友は新年のご挨拶のため妻を伴って御所に伺っておりました。中には赤ちゃんを連れてくる者もいましたが、その赤ちゃんのために菊の紋章があしらわれたベビーコットがさりげなく置かれていました。これも雅子さまのさり気ないお心遣いでした。

やはりご成婚後間もなくの頃、両陛下からソフトボールのお誘いがあったときのことも鮮明に覚えております。雅子さまは学生時代、ソフトボール部に所属されていた。『もしや雅子さまも……打っていいのか』と困りましたが、雅子さまは応援団に回られ、女性陣と楽しくお話しをされていました。

試合後、御所内にある奉仕団の休憩場において、懇親会が催されました。スポーツを楽しんだ後のくつろいだ会でしたが、テーブルに目をやると、普段あまり目にすることがないものが供されていました。みんなで『これは何だろうね』と話していたら、雅子さまが『たくあんでございます』と仰るのです。

手に取ってみると、たしかにたくあんでしたが、驚いたのはその細やかな気配りです。なんと、たくあん一切れ一切れがアルミホイルに包まれており、楊子が添えられてあったのです。たくあんが乾燥しないように、そして我々が手を汚さないようにするための工夫が施された一品でした。

これをご発案されたのは、雅子さま。しかも、雅子さま自らも手を加えられていたと知り、その気配りの素晴らしさに感動したものです」

雅子さまが陛下に「ねぇ、あなた」

両陛下、愛子さまは今年5月、栃木県の御料牧場で静養された。宮内庁の公式インスタグラムで公開されたプライベート感あふれるご一家のお写真は共感を呼び、地中に埋まったタケノコを掘り出そうと踏ん張る愛子さまのお姿には68万以上の「いいね!」が寄せられている。乃万氏が見た、ご一家のプライベートでの様子とは。

「昔は厳格な宮中の言葉があり、お父さまのことは『おもうさま』、お母さまのことは『おたたさま』と呼んでいました。ご幼少の頃は陛下もご両親をそのように呼んでおられました。ただ令和の今、愛子さまは普通に『お父さま』『お母さま』とお呼びになっています。

呼び方といえば、私が中東のことを話題にしたとき、雅子さまが陛下の方を向かれて『私たちも行ったわよね、ねぇ、あなた』と仰ったことがありました。思わず『えっ、あなた!?』と声が出るほど驚くと同時に、ご夫婦の良好な関係がうかがえました」

では、ご一家の関係性はどうなのか。乃万氏は続ける。

「上皇陛下は、常にご一家の家長として存在感を発揮しておられたと思います。一方、陛下は雅子さまと愛子さまが一体となっていらっしゃるところを遠くから見守っているような形でしょうか。

雅子さまと愛子さまの絆は強く、愛子さまが日赤にご就職されたのは、名誉総裁をお務めになっている雅子さまの影響があったと感じます。ご就職に限らず、ご家庭の細かなことは雅子さまと愛子さまがお話しされて決めていく。陛下はそれを優しく見守り、最終的にご自身のお考えを述べられるのではないかと思います。

陛下は『皇室というものは時代の流れとともに日々変わっていくべきである』と仰っています。ご家庭についても同様でしょう。陛下のご家庭は3人でひとつ。愛子さまと雅子さま、それを見守る陛下。まさに令和の天皇家像だと思います」

54年来のご学友が明かす、今上天皇陛下の「お人柄」「成績」からまさかの「あだ名」「酒豪伝説」「たった一度のわがまま」まで