「オリゴ糖のデメリット」はご存知ですか?過剰摂取すると現れる症状も解説!
オリゴ糖のデメリットとは?Medical DOC監修医がオリゴ糖のデメリット・メリット・過剰摂取すると体に現れる症状などを解説します。
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武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
「オリゴ糖」とは?
オリゴ糖は糖類の一種で、整腸作用や腸内細菌の増加に効果があります。
炭水化物の最小単位が単糖といわれるものです。この単糖が2個から10個結びついたものをオリゴ糖、もしくは小糖類と呼びます。一般的に使われるオリゴ糖はこの小糖類のなかの一つです。代表的なオリゴ糖はフラクトオリゴ糖や大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などで市販で売られています。
腸内には善玉菌と悪玉菌とどちらでもない日和見菌の三つのグループに分かれていますが、ビフィズス菌などの善玉菌の栄養源となって腸内環境を整えるサポートをするのがオリゴ糖です。
低カロリーで甘みが少なく、砂糖の代わりにお料理やお飲み物に加えて摂取することが特徴です。また特定保健用食品(通称トクホ)としても認められています。
この記事ではオリゴ糖のデメリット・メリット・過剰摂取による症状などを解説します。
オリゴ糖のデメリット
オリゴ糖にはお腹が緩くなるなどのデメリットがあります。詳しく解説します。
過剰摂取になりやすい
低カロリーで甘みが控えめなのがオリゴ糖の特徴ですが、甘みが物足りなくなってつい過剰に加えてしまうかもしれません。過剰に摂取してしまうと低カロリーのメリットが失われ、糖尿病対策としての効果も薄れます。肥満やむし歯の原因にもなりかねません。
お腹が緩くなりやすい
オリゴ糖は大腸内の善玉菌のエサとなる役割があるので、消化吸収されずに大腸まで到達するのが特徴です。しかし急にオリゴ糖を摂取したり過剰に摂取したりすると、下痢をしたりお腹が張ったりすることがあります。また体調や体質によっては下痢になりやすい人もいます。少量から接種を始め、徐々に量を増やすことが大切です。症状が改善しない場合は医師に相談しましょう。適量をまもることで日常生活への支障を避けることができます。症状が良くならないのであれば、自己判断せず医師に相談しましょう。さらに、お腹の調子が悪くなると日常生活にも支障をきたすため、適量を守ることが大切です。
オリゴ糖入りに注意
食品のなかにはオリゴ糖入りという表示がよくあります。しかし実際にはオリゴ糖はほんの少量しか含まれておらず、砂糖で甘みを増しているケースがあります。砂糖を控えようとして選んだはずが、結局は砂糖を摂取することになるので、購入の際は表示を鵜呑みにしないようにしましょう。また一部の商品は人工甘味料が使われているケースもあります。これらの人工甘味料は、健康への影響がまだ完全に解明されていないため、注意が必要です。
オリゴ糖のメリット
次にオリゴ糖のメリットを説明します。
健康的な便が出る
オリゴ糖は善玉菌のエサとなって腸内環境を正常に保つサポートをします。腸内環境が良くないと便秘や軟便を繰り返したり、黒っぽい色で悪臭のする便が出ます。健康的で理想的な便はやわらかいバナナ状で、黄色から黄色がかった褐色です。においはあっても悪臭はありません。
糖質のコントロールができる
オリゴ糖を適量使えば砂糖を使わなくても甘みを感じることができます。砂糖よりもカロリーが抑えめなところがメリットです。糖尿病で医師から糖質の摂取量を制限を指示されている人や、ダイエットで砂糖を摂りたくない人にはおすすめできます。
感染の予防や発がん性物質の生成抑制
オリゴ糖を摂取することで腸内の善玉菌が優位に働き、悪玉菌の増殖を抑え腸の運動を活発にします。腸の運動が活発になることで、食中毒や病原菌による感染を予防し、発がん性をもつ腐敗した物質の発生を抑制します。また善玉菌は腸内でビタミンを産生したり、カルシウムの吸収が促進されるので、オリゴ糖の役割は重要です。
オリゴ糖を過剰摂取するとどうなる?
フラクトオリゴ糖の場合、一日の摂取量は2から10グラムとされています。過剰に摂取した場合について説明します。
下痢や軟便
オリゴ糖を急に摂取したり過剰に摂取すると下痢や軟便になってお腹が緩くなることがあります。これは善玉菌が一時的に爆発的に増殖し、便を巻き込んで外に出ようとするからです。一時的なものなので、感染症のような腹痛や発熱を伴う下痢ではありません。数日で落ち着くケースが多いですが、はじめは少量から徐々に慣らしていくことが大切です。特に元々腸の弱い方は注意しましょう。
腹部膨満感
オリゴ糖が大腸で働くためには途中の胃や小腸では消化されにくいことが特徴です。そのため過剰に摂取すると消化不良になってお腹が張る感じになります。過剰に摂取するとお腹にガスがたまりやすくなります。特に消化器系が弱い人は注意が必要です。
糖質の過剰摂取や余計なものまで吸収
本来は糖質を抑えるために使用したオリゴ糖ですが、砂糖よりも甘みが少ないため、つい過剰に摂取しがちです。甘みを求めすぎた結果として、砂糖よりも多くの糖質を摂取してしまうかもしれません。低カロリーで血糖値が上昇しにくいとはいえ、過剰に摂取すると血糖値の上昇につながります。また市販のオリゴ糖は甘みを増すために人工甘味料が含まれていることがあり、オリゴ糖と一緒に余計なものを摂取している可能性もあります。
「オリゴ糖のデメリット」についてよくある質問
ここまでオリゴ糖のデメリットについて紹介しました。ここでは「オリゴ糖のデメリット」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
オリゴ糖を摂取する際の注意点を教えてください。
武井 香七 医師
過剰な摂取には注意が必要です。過剰に摂取すると下痢など悪い影響が出る可能性があります。きなこ・ごぼう・玉ねぎをはじめ、多くの食品には元々オリゴ糖が含まれています。オリゴ糖の一日の摂取量は2から10グラムとされていますが、食事からも摂取できているので過剰な摂取は避けましょう。もしオリゴ糖を食事に加えるのであれば、少量からはじめて徐々に増やしていくことをすすめます。腸内環境を整えるのであればオリゴ糖と一緒に食物繊維も摂取しましょう。
オリゴ糖と白砂糖の違いは何でしょうか?
武井 香七 医師
オリゴ糖と白砂糖は同じ炭水化物のなかの糖質に属しているので近い存在です。炭水化物の最小単位が単糖で、単糖が2個結合したものがしょ糖(砂糖)、単糖が2個から10個結合したものがオリゴ糖です。砂糖をはじめとする糖質は身体のなかでエネルギーを作り出す重要な役割があるので、まったく摂取しないと日常生活の活動量が減ってしまいます。一方で砂糖を摂取しすぎると、使われなかったエネルギーが体内に蓄積されて肥満症などを引き起こします。白砂糖はエネルギー生産ではオリゴ糖に勝りますが、蓄積されやすいことがデメリットです。オリゴ糖はエネルギー生産は低いものの過剰摂取ではお腹が緩くなるなどの特徴があります。
編集部まとめ
オリゴ糖の役割とデメリットについて解説しました。
オリゴ糖は腸内の善玉菌のエサとなって腸内環境を整える重要や役割があります。腸内の環境を良好に保ちお腹の調子を整えることから、特定保健用食品としても認められています。
しかしメリットばかりではなく、過剰な摂取はお腹が緩くなることがデメリットです。元々食品にも含まれている成分なので、オリゴ糖商品を付け加えるのであれば、はじめは少量からスタートし徐々に慣らしていくことが重要です。
「オリゴ糖のデメリット」と関連する病気
「オリゴ糖のデメリット」と関連する病気は1個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
内科の病気
糖尿病(過剰摂取の場合)
「オリゴ糖のデメリット」と関連する症状
「オリゴ糖のデメリット」と関連している、似ている症状は2個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
下痢や軟便
腹部膨満感
参考文献
オリゴ糖(e-ヘルスネット )
腸内細菌と健康(e-ヘルスネット )