プレミア開幕迫るも…リバプール補強ゼロ 遠藤ら退団なら「代役見つける」現地伝えた内部情報
新生リバプールの補強が進んでいない理由に現地脚光
日本代表MF遠藤航が所属するイングランド・プレミアリーグのリバプールはアルネ・スロット監督の下でプレシーズンマッチで好調を維持しているものの、この夏は目立った補強が今のところゼロ。
英公共放送「BBC」は他クラブからの関心が伝えられる遠藤やFWルイス・ディアスの去就に言及しつつ、プレミアリーグ開幕まで2週間を切りながらリバプールの補強が進んでいない理由について伝えている。
2015年からチームを率いたユルゲン・クロップ前監督がチームを去り、オランダ人指揮官のスロット監督の下で新たな船出を切ったリバプール。アメリカツアー中に行われたプレシーズンマッチではキャプテンのオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクや、ブラジル代表GKアリソンなどEUROやコパ・アメリカ参加組の主力選手は不在のなか、スペインのベティス、同じプレミアリーグのアーセナルとマンチェスター・ユナイテッドを相手に3連勝を飾るなど、開幕に向けて上々の調整が進んでいる。
そうしたなかで、リバプールのオーナーであるフェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)は2022年に元スポーツディレクター(SD)として名門再建を導いた敏腕マイケル・エドワーズ氏をフットボール部門統括のCEOとして呼び戻すなど強化部門の陣営は充実しているが、今夏の移籍市場では新戦力の補強がまだ1人も行われていない。BBCのニザール・キンセラ記者は「ここまでの移籍の少なさには不満を抱えるサポーターもいる」と指摘したうえで、補強が進まない理由についての見解を示している。
「クラブ内部ではクロップによって細部まで調整されて築き上げられたグループを崩壊させないように慎重を期していると言われている。求められる選手の能力は非常に高く、スカッドを改良するための選手の選択肢はこのサッカー界でも非常に少なくなっている」
スロット新体制を迎えたなかで、ベースは昨季から変えずに新たなチーム構築を目指しており、それと同時に求められるレベルに達した選手の選択肢は市場で限られたものとなっていることが補強が進まない要因となっているようだ。
ターゲットの1人として評価されていた18歳のU-18フランス代表DFレニー・ヨロはいち早くオファーを出したマンチェスター・ユナイテッドへの移籍が決定。昨夏に続いて今夏もライバルの後手に回っている印象だが、キンセラ記者は今後のリバプールの動きについて「遠藤航とルイス・ディアスに対する関心が高まっている。この2人がチームを去った場合は代役を見つけるためのマーケットに参入せざるを得なくなるかもしれない」と伝えていた。
遠藤に対してはフランスの名門マルセイユからの1400万ユーロ(役22億円)オファーがあったが、クラブはこれを拒否した。左ウイングのディアスにはスペインのFCバルセロナやフランスのパリ・サンジェルマンへの移籍が噂されている。注目される2人の去就が、リバプールの今夏の補強戦略に影響を及ぼすことになりそうだ。(FOOTBALL ZONE編集部)