iPadを買うならどれがおすすめ? iPadの賢い見極め方[カメラ編] - iPadパソコン化講座
決して安価とは言えない今のiPadシリーズを購入する際に、どのようなポイントをチェックすべきか。これまでの記事ではチップとディスプレイについて解説してきましたが、第3回目となる今回はiPadのカメラに関する購入時の見極めポイントを見ていきましょう。
○基本仕様が似通ったiPadのカメラ
iPadシリーズには、iPhone同様に本体の背面と前面にカメラが搭載されています。
まず、通常の写真や動画撮影に利用する背面のカメラ(以下、バックカメラ)の仕様に関しては、iPad Pro(M4)、iPad Air(M2)、iPad(第10世代)、iPad mini(第6世代)のいずれのモデルでも仕様は大きく変わりません。
搭載されているのは「12MP広角カメラ」で、f1.8の絞り値、5枚構成のレンズ、最大5倍のデジタルズーム、パノラマ最大63MP、Focus Picxelsを使ったオートフォーカスといったカメラの基本仕様も同じです。写真や動画の撮影はiPadではなく、iPhoneなどのスマートフォンで行うのがほとんどの人はモデル間の差はあまり気にすることはないでしょう。
ただし、一方でiPadでも頻繁に撮影をしたり、少しでも良い画質を求めたりする場合は、細かな仕様の違いをチェックすべきです。中でも画質を重視する場合は、sRGBよりも25%広い色域(P3)で撮影可能なiPad以外のモデルを選ぶのがベストです。また、iPad Proは唯一サファイアクリスタル製カバーを搭載しているので、特に外出先で使用する際にレンズを保護できます。
さらにiPad ProとiPad Airは、異なる露出の写真のベストな部分を1枚の写真に合成する機能「スマートHDR」の最新版(4)に対応し、写真全体の明るさやディテールがより高品質に再現されます。そのほか、夜間撮影することが多い場合は、フラッシュ強度や色バランスを自動的に調節するTrue Toneフラッシュの有無、高度な赤目補正にも目を向けましょう。
なお、ビデオ撮影に関しては、すべてのモデルで4Kビデオ撮影や1080p HDビデオ撮影が可能です。唯一iPad Proだけが最大4K、30fps(または60fps)のProResビデオ撮影が可能になっています。Appleが開発したProResは高い色忠実度と低い圧縮率が特徴とする、プロの映像制作にも利用される高品質なビデオフォーマットです。
また、iPad Proでは最大3倍のデジタルズームに対応している点、また搭載されているマイクやスピーカの違いから、オーディオズームやステレオ録音も可能です。iPadで少しでも高品質なビデオを撮影したい場合は、iPad Proが頭1つ飛び抜けています。
iPad Proの1つ前のモデルでは広角カメラと超広角カメラを搭載していましたが、現在のiPad Proでは広角カメラだけになっています。広角カメラの下にあるのはiPad Proのみ搭載しているLiDARスキャナです
11インチ iPad Proの12MP広角カメラで撮影した写真。48MPのメインカメラを搭載した最新のiPhoneと比べると劣るものの、それでもタブレットとしては実に美しい写真を撮影できます
iPad ProやiPad Airは広い色域での撮影に対応し、スマートHDR4によって写真やビデオをより良い色と質感で表現します。また、明るさが足りない場合のディテールの再現性も高まっています
スマートHDR4とスマートHDR3で品質が愕然と異なるわけではありません。スマートHDR4では、たとえば図のようなグループ写真における個々の対象物の色やコントラスト(肌の色など)が向上しています
iPhoneでは5sから搭載されているTrue Toneフラッシュは暗い場所での撮影でも肉眼で見たときに近い形で撮影可能。iPad ProにはiPhone 14 Proから採用された、写真の焦点距離に連動して動き、より明るいアダプティブTrue Toneフラッシュとなっています
iPad Proに搭載されているアダプティブTrue Toneフラッシュは夜間の撮影だけでなく、書類をスキャンする際も力を発揮します。スキャン時に影が映り込む場合でも複数の写真を撮影して、影がないように合成してくれます
iPad Proには4つのスタジオ品質のマイクとドルビーアトモス対応の4スピーカオーディオシステムを搭載しています。そのため、ステレオスピーカよりもより豊かなオーディオを録音して再生できます
○ビデオ会議するなら横向きカメラがベスト
iPadに搭載されている前面のカメラ(フロントカメラ)は、主に自撮りやビデオ会議などで利用されます(Face ID搭載モデルの場合は顔認証にも)。リモートワークが浸透した現在は、人によってはバックカメラよりも頻繁に使うことが多いかもしれません。
フロントカメラの主な仕様についてまとめた下の表を見ていただくとわかりますが、iPad Air、iPad、iPad miniには大きな違いがない一方で、iPad Proだけが一部の仕様がやや異なっています。中でも特筆すべきなのがフロントカメラが「超広角TrueDepthカメラ」になっていること。iPad AirやiPad、iPad miniと比べてより広い範囲を撮影することが可能です。
また、ビデオ会議をすることが多い人にとっては、iPad mini以外のモデルではフロントカメラは「横向きにしたときに上」に搭載されている点も見逃せないポイントです。これによりビデオ会議のときに目線が左右に横に寄ってしまうことがなくなりました。
さらに、iPad Proはポートレートモードで「進化したボケ効果」と「被写界深度コントロール(背景のボケ具合の調整)」、6つのエフェクトを備えた「ポートレートライティング」(照明エフェクト)に対応しているのもポイント。これらは比較的最近のiPhoneを利用していればお馴染みの機能なので使ったことがある人も多いでしょう。フロントカメラを利用した自撮りなどをする際におすすめです。さらに、iPad ProとiPad Airではバックカメラ同様に写真のスマートHDR 4に対応しています。
iPad Proのフロントカメラは超広角カメラで、一段と画角が広くなっています
iPad mini以外のモデルではフロントカメラは「横向きにしたときに上」に搭載され、ビデオ会議のときに目線が左右に横に寄ってしまうことがなくりました
○iPadでどこまで撮影する?
ここまでiPadシリーズの現行モデルのカメラの違いについて見てきましたが、カメラの基本仕様は似通っているため、写真やビデオを撮影したり、ビデオ会議に利用したり、自撮りしたりするのはいずれのモデルでも困ることなく行えます。チップやディスプレイと比べれば、カメラの違いはモデル間でそこまで大きくないと考えるほうが良いでしょう。
そのため性能や機能が豊富なiPad ProやiPad Airのような上位モデルを選ぶかは、プラス+アルファの価値をどこまで求めるかによります。現在最高峰のクオリティを求めたり、iPadを写真や映像のクリエイティブワークに活用したりするならばiPad Proがベストなチョイス。一方で、普段使い程度であればそれ以外のモデルでも十分であり、その中で写真の一歩上のクオリティを求めるならばiPad Air、ビデオ会議を品質を高めたいなら横向きカメラのiPad AirやiPadといったような形で吟味していくとよいでしょう。
○基本仕様が似通ったiPadのカメラ
iPadシリーズには、iPhone同様に本体の背面と前面にカメラが搭載されています。
搭載されているのは「12MP広角カメラ」で、f1.8の絞り値、5枚構成のレンズ、最大5倍のデジタルズーム、パノラマ最大63MP、Focus Picxelsを使ったオートフォーカスといったカメラの基本仕様も同じです。写真や動画の撮影はiPadではなく、iPhoneなどのスマートフォンで行うのがほとんどの人はモデル間の差はあまり気にすることはないでしょう。
ただし、一方でiPadでも頻繁に撮影をしたり、少しでも良い画質を求めたりする場合は、細かな仕様の違いをチェックすべきです。中でも画質を重視する場合は、sRGBよりも25%広い色域(P3)で撮影可能なiPad以外のモデルを選ぶのがベストです。また、iPad Proは唯一サファイアクリスタル製カバーを搭載しているので、特に外出先で使用する際にレンズを保護できます。
さらにiPad ProとiPad Airは、異なる露出の写真のベストな部分を1枚の写真に合成する機能「スマートHDR」の最新版(4)に対応し、写真全体の明るさやディテールがより高品質に再現されます。そのほか、夜間撮影することが多い場合は、フラッシュ強度や色バランスを自動的に調節するTrue Toneフラッシュの有無、高度な赤目補正にも目を向けましょう。
なお、ビデオ撮影に関しては、すべてのモデルで4Kビデオ撮影や1080p HDビデオ撮影が可能です。唯一iPad Proだけが最大4K、30fps(または60fps)のProResビデオ撮影が可能になっています。Appleが開発したProResは高い色忠実度と低い圧縮率が特徴とする、プロの映像制作にも利用される高品質なビデオフォーマットです。
また、iPad Proでは最大3倍のデジタルズームに対応している点、また搭載されているマイクやスピーカの違いから、オーディオズームやステレオ録音も可能です。iPadで少しでも高品質なビデオを撮影したい場合は、iPad Proが頭1つ飛び抜けています。
iPad Proの1つ前のモデルでは広角カメラと超広角カメラを搭載していましたが、現在のiPad Proでは広角カメラだけになっています。広角カメラの下にあるのはiPad Proのみ搭載しているLiDARスキャナです
11インチ iPad Proの12MP広角カメラで撮影した写真。48MPのメインカメラを搭載した最新のiPhoneと比べると劣るものの、それでもタブレットとしては実に美しい写真を撮影できます
iPad ProやiPad Airは広い色域での撮影に対応し、スマートHDR4によって写真やビデオをより良い色と質感で表現します。また、明るさが足りない場合のディテールの再現性も高まっています
スマートHDR4とスマートHDR3で品質が愕然と異なるわけではありません。スマートHDR4では、たとえば図のようなグループ写真における個々の対象物の色やコントラスト(肌の色など)が向上しています
iPhoneでは5sから搭載されているTrue Toneフラッシュは暗い場所での撮影でも肉眼で見たときに近い形で撮影可能。iPad ProにはiPhone 14 Proから採用された、写真の焦点距離に連動して動き、より明るいアダプティブTrue Toneフラッシュとなっています
iPad Proに搭載されているアダプティブTrue Toneフラッシュは夜間の撮影だけでなく、書類をスキャンする際も力を発揮します。スキャン時に影が映り込む場合でも複数の写真を撮影して、影がないように合成してくれます
iPad Proには4つのスタジオ品質のマイクとドルビーアトモス対応の4スピーカオーディオシステムを搭載しています。そのため、ステレオスピーカよりもより豊かなオーディオを録音して再生できます
○ビデオ会議するなら横向きカメラがベスト
iPadに搭載されている前面のカメラ(フロントカメラ)は、主に自撮りやビデオ会議などで利用されます(Face ID搭載モデルの場合は顔認証にも)。リモートワークが浸透した現在は、人によってはバックカメラよりも頻繁に使うことが多いかもしれません。
フロントカメラの主な仕様についてまとめた下の表を見ていただくとわかりますが、iPad Air、iPad、iPad miniには大きな違いがない一方で、iPad Proだけが一部の仕様がやや異なっています。中でも特筆すべきなのがフロントカメラが「超広角TrueDepthカメラ」になっていること。iPad AirやiPad、iPad miniと比べてより広い範囲を撮影することが可能です。
また、ビデオ会議をすることが多い人にとっては、iPad mini以外のモデルではフロントカメラは「横向きにしたときに上」に搭載されている点も見逃せないポイントです。これによりビデオ会議のときに目線が左右に横に寄ってしまうことがなくなりました。
さらに、iPad Proはポートレートモードで「進化したボケ効果」と「被写界深度コントロール(背景のボケ具合の調整)」、6つのエフェクトを備えた「ポートレートライティング」(照明エフェクト)に対応しているのもポイント。これらは比較的最近のiPhoneを利用していればお馴染みの機能なので使ったことがある人も多いでしょう。フロントカメラを利用した自撮りなどをする際におすすめです。さらに、iPad ProとiPad Airではバックカメラ同様に写真のスマートHDR 4に対応しています。
iPad Proのフロントカメラは超広角カメラで、一段と画角が広くなっています
iPad mini以外のモデルではフロントカメラは「横向きにしたときに上」に搭載され、ビデオ会議のときに目線が左右に横に寄ってしまうことがなくりました
○iPadでどこまで撮影する?
ここまでiPadシリーズの現行モデルのカメラの違いについて見てきましたが、カメラの基本仕様は似通っているため、写真やビデオを撮影したり、ビデオ会議に利用したり、自撮りしたりするのはいずれのモデルでも困ることなく行えます。チップやディスプレイと比べれば、カメラの違いはモデル間でそこまで大きくないと考えるほうが良いでしょう。
そのため性能や機能が豊富なiPad ProやiPad Airのような上位モデルを選ぶかは、プラス+アルファの価値をどこまで求めるかによります。現在最高峰のクオリティを求めたり、iPadを写真や映像のクリエイティブワークに活用したりするならばiPad Proがベストなチョイス。一方で、普段使い程度であればそれ以外のモデルでも十分であり、その中で写真の一歩上のクオリティを求めるならばiPad Air、ビデオ会議を品質を高めたいなら横向きカメラのiPad AirやiPadといったような形で吟味していくとよいでしょう。