Microsoftが2024年第4四半期(4〜6月)の決算を発表しました。売上高と利益はどちらもアナリストの予想を上回る数字を記録したものの、クラウド分野が売上予想を下回ったため、好調にもかかわらずMicrosoftの株価は一時下落しています。

FY24 Q4 - Press Releases - Investor Relations - Microsoft

https://www.microsoft.com/en-us/investor/earnings/fy-2024-q4/press-release-webcast



Microsoft (MSFT) Q4 earnings report 2024

https://www.cnbc.com/2024/07/30/microsoft-msft-q4-earnings-report-2024.html



Xbox Hardware Revenue Down 42% From Last Year as Activision Acquisition Continues to Boost Content Sales - IGN

https://www.ign.com/articles/xbox-hardware-revenue-down-42-from-last-year-as-activision-acquisition-continues-to-boost-content-sales

2024年第4四半期のMicrosoftの総売上高は前年同期比で15%増の647億3000万ドル(約9兆8600億円)、純利益は前年同期比で10%増の220億4000万ドル(約3兆3600億円)です。Microsoftの同期における売上高は、アナリストの予想を上回る数字でした。

Microsoftの主力事業であるインテリジェントクラウドの売上高は前年同期比で19%増の285億2000万ドル(約4兆3400億円)を記録。インテリジェントクラウド部門の売上には、Azureパブリッククラウド、Windowsサーバー、Nuance、GitHubなどの売上が含まれます。なお、Microsoftのサティア・ナデラCEOは、GitHubの売上が年間20億ドル(約3040億円)にも到達することを明かしました。

Azureおよびその他のクラウドサービスの売上は、前年同期比で29%増加しています。それにもかかわらず、投資家はクラウド部門の収益が予想を下回ったことを理由に売りに出しており、これによりMicrosoftの株価は一時7%も下落しました。一方で、Microsoftは2025年上半期にクラウド分野の成長が加速すると予測しており、楽天的な見方を示しています。

MicrosoftのAzureおよびその他のクラウドサービスの売上増(29%)のうち、8%はAIサービスによる売上だそうです。これについてナデラCEOは「今年、当社のシェア拡大はAIによって加速しました」と語っています。しかし、Microsoftの最高財務責任者であるエイミー・フッド氏は、AzureのAIサービスの需要は依然として利用可能な容量を上回っていると語っており、設備投資が整えばより多くの売上が見込めることを示唆しました。なお、Microsoftは2024年4月にも同様の発言を行っています。



MicrosoftのOffice製品およびLinkedInを含む生産性およびビジネスプロセス部門の売上高は前年同期比で11%増の203億2000万ドル(約3兆1000億円)、Windows・ゲーム・検索広告などを扱うモアパーソナルコンピューティング部門の売上高は前年同期比で14%の159億ドル(約2兆4200億円)です。なお、OEMメーカーへのWindowsライセンスの売上は前年同期比で4%増加しています。また、ナデラCEOはMicrosoftのゲーム分野が抱える月間アクティブユーザーの数は、5億人を超えることを明かしました。

ゲーム部門全体でみると前年同期よりも好調ですが、ハードウェアの売上高は前年同期比で42%も減少していることが明らかになっています。ただし、ハードウェアの売上が落ち込んでいるのはMicrosoftだけではありません。任天堂も2024年度第3四半期の業績発表時に、Nintendo Switchの販売台数が減少傾向にあることを明かしています。Nintendo Switch・Xbox Series X/S・PlayStation 5のすべてでハードウェアの売上が落ち込んでいることについて、ゲームメディアのIGNは「プロダクトライフサイクルの後半にさしかかっているため仕方のないこと」と指摘しました。

任天堂が2024年度第3四半期の業績を発表、売上高は5986億円・Nintendo Switchの販売台数は690万台で有機ELモデルが好調 - GIGAZINE