(漫画:©︎三田紀房/コルク)

記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。

その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。

そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載。連載を再構成し、加筆修正を加えた『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』は、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。連載第130回は、夏休みの勉強の息抜きについてお話しします。

勉強の息抜きどうすればいい?

夏休みに入ると、受験生からよくこんなことを聞かれます。

「勉強に疲れたら、どんな息抜きをすればいいですか?」と。


ずっと勉強していると、集中力が切れてしまったり、勉強する気分になれなくなってしまうことも多いと思います。そんなときにいったいどうやって息抜きをすればいいのか。きっと、気になる人も多いことでしょう。

しかしこの質問に対して、あえて極端な回答をするのであれば、僕は「息抜きなんてしないほうがいい」と思っています。勉強の息抜きは、勉強であるべきだ、と。受験生の夏休みは、どんなに勉強で疲れても、勉強をしたほうがいいと思うのです。

なぜそう考えるのかについて、漫画『ドラゴン桜2』のワンシーンを引用しながら、説明させてください。まずはこちらのシーンをご覧ください。

※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください





(漫画:©︎三田紀房/コルク)





(漫画:©︎三田紀房/コルク)





(漫画:©︎三田紀房/コルク)




(漫画:©︎三田紀房/コルク)

いかがでしょうか?結局、勉強がつらいからといって勉強以外の娯楽を楽しもうとしても、楽しめない場合が多いのです。

受験生には「受験勉強」という目的がある以上、その目的から外れたことをしたとしても、楽しいとは感じられなくなります。


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勉強の息抜きでテレビゲームで遊んでも、喉に小骨が刺さっているかのように、どこか気分が晴れず、遊びも楽しみ切れないものです。「やるべきことから逃げている感覚」があり、結局リフレッシュすることができません。

さらに、一度スイッチが切れると、そのままズルズルと滑り落ちていくかのように勉強計画も崩れていきます。勉強と逃げずに向き合ったほうが、結果的にいちばんつらくないのかもしれません。

「それでも、ずっと集中はできない」と感じた場合は、どうすればいいのでしょうか。それは、「息抜きになる勉強」を開発するしか方法はありません。

漫画を読んだり「ながら勉強」してみる

勉強になる漫画を読んでみるという方法が『ドラゴン桜2』では紹介されていましたが、これは確かに有効な手段の1つでしょう。世界史や日本史の漫画以外にも、SFの漫画を読んで現代文で登場する知識が得られることもありますし、経済・金融系の漫画で社会を学ぶのもいいでしょう。漫画だけでなく、アニメや小説でも問題ありません。

ちなみに僕が受験生のときには、『PSYCHO-PASS』というアニメを見て、敵役が引用している哲学者の言葉を調べて勉強していた記憶があります。より勉強とつなげるという意味では、例えば「現代文で出題された文章が面白かったから、引用元の本を買って全部読んだ」という受験生も多くいます。

本や漫画を読むのとは違うやり方としては、「ながら勉強」もいいかもしれません。アニメやテレビ・YouTubeを見ながら勉強するという手法です。普通に勉強するよりも効率は下がるのでよくないと思われがちですが、例えばまとめノート作りや単語カード作りなど、あまり脳を使わないでできる作業のような勉強もありますよね。そういう勉強に関しては、息抜きとして、何かをしながら勉強してもいいでしょう。

このほかにも、いろんな方法が考えられます。英語版で映画を見て英語リスニングの勉強をするとか、友達と一緒に問題を出し合って勉強する、YouTubeの勉強系の動画を視聴するなど、方法は無限に考えられます。

「息抜き」=「遊び」と捉えるのではなく、「息抜きのための勉強」を探して実行するのです。そうすれば、目が開いている間はずっと勉強していることになって、スイッチが切れず、ずっと受験に向けたマラソンを走り続けることができるようになります。ぜひ試してみてください。

受験勉強や、子供への教育など、西岡壱誠さんへの質問を募集しています。こちらの応募フォームからご応募ください。

(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)