ピアニスト石井琢磨、ベルリン交響楽団との共演でベルリン・デビューが決定! 全国10都市を超える来日ツアーにも参加

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自らのYouTubeチャンネル「TAKU音-TV」がフォロワー数27万人を超え、9月のコンサートツアーも続々と完売となっているピアニスト石井琢磨が、来年2025年6月にベルリンのフィルハーモニーザールで、ベルリン交響楽団との共演でベルリン・デビューを果たし、そのまま全国10都市を超えるベルリン交響楽団との日本ツアーで共演をすることが決定した。

今、日本のクラシック音楽シーンでも、新しい存在感を放ち、反田恭平や角野隼斗につづき売切れ公演が続出するピアニストである石井であるが、共演1年前に共演するベルリン交響楽団のベルリン公演に潜入し、なんとフィルハーモニーザールでのリハの休憩時間に、図々しくコンサートマスターと共演してしまうという、YouTubeチャンネル「TAKU-音TV」の企画まで実施し、その模様も本日7月28日(日)アップされた。

新時代に相応しいピアニストがなぜベルリン交響楽団との共演が決定したのか、先月ベルリンでどんな風にしてYouTubeチャンネルの企画が撮影されたのか。招聘元のテンポプリモの中村氏と石井琢磨のCDプロデューサーでベルリンにも同行した青木氏に話を聞いた。

ベルリン交響楽団

――まずはベルリン交響楽団との共演が決定した経緯を教えてください。

中村:25年にベルリン交響楽団が日本ツアーを実施するにあたって、日本でドイツ音楽をしっかりと弾けるピアニストということで、リサーチをした上で、中村からオーケストラに石井さんを推薦しました。YouTube上でその活動や演奏スタイルは確認できますから、オーケストラの方からもすぐに是非!と返事があって、便利な時代になったなと思います。

――ベルリンでの共演も同時に決定になったのでしょうか?

中村:少し時間差があったのですが、今年に入ってから、中村がベルリンに打合せに行ったときに、石井さんはウィーンと行き来しているから、6月に現地にいらっしゃるようなら、ベルリンに足を伸ばしてもらうのもありかな?と思いついて、イープラスさんにスケジュールを確認して、オーケストラに打診したところ、すぐにトントン拍子に話が進みました。ベルリン交響楽団は伝統あるオーケストラですが、新しいことにも積極的にトライする自由度がある組織だと思います。

――なるほど。タイミングも良かったのですね。ベルリン交響楽団はどんなオーケストラなのか、もう少し教えていただけますか?

中村:ベルリン交響楽団は1966年に誕生した、まもなく60周年を迎えるオーケストラです。戦後の西ベルリンで、ベルリン・フィルなどと並んで4つあったオーケストラの一つとして、ベルリンっ子たちに愛されてきました。最近では、ベルリン・フィルのオーボエの首席をつとめたシェレンベルガーが、21年から23年まで首席指揮者を務めて、活動を盛り上げて来ました。シェレンベルガーは任期を終えましたが、今もオーケストラとは親密な関係にあって、来年の公演ではベルリンも含めて日本公演の全てで指揮をしてくれる予定です。石井さんのYouTubeの中でも、唯一の日本人メンバーでホルン奏者の高柳裕次さんが言っていましたが、サウンドは暗くてドイツ的。石井さんの弾くシューマンのピアノ協奏曲にも、その後のベートーヴェンの交響曲にも相応しい音楽を音色を奏でてくれるオーケストラだと思います。

ハンスイェルク・シェレンベルガー氏

――石井さんのYouTubeのチャンネルの撮影はどんな風に決まっていったのですか?

中村:石井さんのCDのプロデューサーをされている青木さんとお話をしているうちに、今年の5月から6月にレコーディングも含めてウィーンの方に滞在されていることを知って、もしタイミングが合うなら、一年前のベルリンの公演も見学いただいたらいかがでしょうか?とお誘いをしたところ、公演のプロモーション素材も含めて撮影をしてみてはどうだろうか?という話になりました。

――公演を見に行く話が発展していったんですね。映像を見ると、YouTubeらしい企画となっていますが?

中村:そうですね。 そこはアイデアが豊富な石井さんらしく、ウィーンでレコーディングをされている頃に閃かれたようで、私のところに青木さんからメールがあり、「無理を承知で申し上げるのですが、YouTubeチャンネルの企画として、リハの後とかにフィルハーモニーザールのステージで、オケのメンバーのどなたかと共演できないか」と。日数もなかったのですが、オケの方でも面白がってくれまして、リハの前半でピアノが出ているから、その直後つまりリハの休憩時間なら、ということでうけてくれました。

リハーサル見学の様子(YouTubeチャンネル「TAKU音-TV」より)

コンマスと会話する石井(YouTubeチャンネル「TAKU音-TV」より)

――現地ではどんな感じだったのでしょうか?

青木:私自身は初めてのベルリン・フィルハーモニーザールで、初めての海外オーケストラ相手に中村さんもいない中で、このハードルの高そうな企画だったので、到着するまでは本当にドキドキしていたのですが、オーケストラ・マネージャーのフィリップが非常に親切かつ細やかに対応してくれたので、楽しく収録を終えることが出来ました。ベルリン交響楽団の皆さんは、非常にフレンドリーで柔軟に対応いただきましたし、リハーサルをされていた指揮者のエドゥアルド・マルトゥレさんが石井さんの休憩時間の演奏を見て凄く褒めてくれて、音楽監督をされているマイアミ交響楽団に是非おいでよ~と声をかけていただいたりと、訪問する前の緊張と不安が嘘のようにスムースに進みました。企画のことをここでしゃべり過ぎてしまうと、ネタバレになってしまうので、是非石井さんのYouTubeチャンネルの方をご覧いただければと思います。

――リハーサルと収録をされた翌日は、石井さんと一緒にベルリン交響楽団の公演をご覧になったのですよね?

青木:はい、石井さんと一緒に、ドボルザークのピアノ協奏曲と交響曲第8番を堪能させていただきました。さきほど中村さんもおっしゃっていましたが、ベルリンで60年近く活動してきたオーケストラだけあって、素晴らしいドボルザークを聴かせていただきました。来年の来日がとても楽しみになりましたし、この素晴らしいオーケストラと石井さんのピアノでシューマンの共演が実現すること自体に自分自身ワクワクしていますね。

YouTubeチャンネル「TAKU音-TV」より

――最後に石井琢磨さんご本人からも一言いただきました。

石井:このお話を頂いた時のことは忘れもしません。「ベルリン交響楽団の定期演奏会ソリストに抜擢されました。」と、伝えられてあまりにびっくりしすぎて声も出ませんでした。まさか自分がベルリンフィルハーモニーホールでベルリン交響楽団とピアノ協奏曲を演奏できる日が来るなんて到底信じられなかったです。
ドッキリを疑うほどでした。 世界の名だたる著名な音楽家達が名演を奏でてきたあの舞台です。なんて光栄なのでしょう。
少し時間が経過してから、これはドッキリではなく現実なんだ、と思えるようになりました。信じるのに時間が少し必要だった程、それぐらい驚愕したのです。とんでもないことって人生で起きるんだなぁって。
常日頃から音楽に向き合ってきて、舞台に上がる時はいつも誠心誠意演奏してきて…そんな姿を神様が見てくれていて、このチャンスを頂けたのかなぁと思っています。そして日々応援してくださる皆様のパワーがベルリンまで届いたのだって信じています。シューマンのピアノ協奏曲を演奏させていただきますが、この作品は石井琢磨にピッタリだって思ってもらえるようにしっかり準備をして臨みたいと思います。石井琢磨がベルリンで夢の舞台に挑戦すること、そして日本でのツアーを応援してくだされば幸いです!がんばります!

【超絶神回】ベルリンフィルハーモニーホールで突撃演奏交渉してみたら日本人初の前代未聞な結果に!【重大発表あり】

インタビュー・まとめ:神山薫