パリ五輪は “トイレ難民” であふれかえる! 公衆トイレ増設されるも「小蝿」「垂れ流し」「悪臭」の三重苦
パリの公衆トイレの小便器前の回転扉。外から用を足す姿が丸見え
五輪の開会式を7月27日(日本時間)に控え、パリ市内は着々と五輪歓迎ムードに染まっている。店先には五輪のシンボルマークが飾られ、公式トレーナーを販売する店などが各所に軒を連ねる。
多くの警察官が街中をパトロールするなど、警備にも余念がないが、衛生面については……。今回、パリ五輪に取材に赴いた本誌記者が、驚きのトイレ事情を語る。
「パリにはとにかくトイレが少ないんですよ。五輪開催が決定して以降、多くの観光客が訪れるとあって公衆トイレが増設されたのですが、それでも足りていないのが現状です。渡仏する前に『トイレはとにかく、行けるときに行っておけ』とアドバイスされましたが、その意味がよくわかりました。
円安のせいでパリも物価が高く、私が泊まったホテルは1泊1万円ほどの安宿でしたが、驚いたのは部屋にトイレがなかったんです。仕方がないから、泣く泣く外の店のトイレで用を足しました」
一方で、臨時で増設された公衆トイレだが、パリっ子からも評判がよくないという。
「街にはあちこちに公衆トイレが設置されています。曲線的な見た目で、一見すると “芸術の都” パリにふさわしく、街並みに溶け込んでいるのですが……。近くに行ってみたら、ひどく異臭がするんです」(同)
「誰でもトイレ」的な男女問わず入れる便座式のトイレと、男性用の小便器の “2部屋” あるが、本誌記者が驚いたのは後者だった。
「私は男性なので、小便器で用を足そうと思ったんです。まず、回転式の扉を開けて中に入ります。すると銀色の壁がある。なるほど、この奥に小便器があるのかと思って、その壁を押したんですがびくともしない。
でも、こんな外から丸見えの状態で用を足すなんて思わないじゃないですか。臭いもひどいし、小蝿もたかっていたのであきらめて立ち去ろうとしたら、壁の真ん中から突然水が噴き出してきたんです」
そこで、記者は納得がいったのだという。「この壁に向かって用を足すのだ」と。
「確かに、壁の足下は水浸しになっていて、ひどい臭いはそこから這い上がってきました。フランス人は、この壁に向かって用を足すんです。下はただの網ですから、排泄された尿はほとんど地面に垂れ流されていきます。そりゃあ、臭うわけですよね」(同)
開会式には約30万人の観客が訪れると予想されるが、「小蝿」「垂れ流し」「強烈な悪臭」の三重苦に悩む “トイレ難民” があふれそうだ。