鴨川を望むロケーション抜群のかき氷専門店

京阪本線の祇園四条駅から徒歩約4分、阪急京都本線の京都河原町駅から徒歩約5分のところにある「京冰菓 あてなるもの」。レザーアパレル「ノーノーイエス京都店」の店舗内に併設された2024年9月29日(日)までの期間限定のかき氷専門店です。「レザーアパレルとかき氷」と聞くと、一見つながりがないようにも思えますが、「レザーは一生もの、 かき氷は一瞬もの」。「一生」も「一瞬」もそのよろこびは違わないもの、というアイデアから生まれたお店。非日常を感じられる空間づくりやメニューにこだわり、2024年5月15日(水)から営業を開始しました。

©京冰菓 あてなるもの

「あてなるもの」の意味は、「高貴なもの」。清少納言が書いた随筆「枕草子」の一節に登場する日本最古といわれるかき氷は、「あてなるもの」と紹介されており、当時は貴族だけが食べることができた貴重なものでした。そんなかき氷を、清少納言ゆかりの地である京都で楽しんでもらいたい、との思いから「あてなるもの」と命名。ちなみに、お店のロゴはNHK大河ドラマ『光る君へ』で題字揮毫、書道指導を担当している根本知先生に依頼して作成したもの。大河ドラマファンも要チェックのお店です!

店内は、京都らしい和の趣たっぷりな外観とはまた雰囲気が異なるスタイリッシュな空間です。こちらは、「ノーノーイエス」で販売している商品が並ぶアパレルスペース。ジャケットや足袋、財布などのレザーアイテム、特殊2層染めを行ったTシャツなどがずらりと並んでいます。

待ち時間が発生する場合は涼しい店内でアパレル商品をチェックして待つのも◎

オシャレなアイテムを眺めながら店の奥へと進んでいくと……。

かき氷専門店「京冰菓 あてなるもの」があります! 一番奥には開けた景色。改めて鴨川沿いだと実感するのと同時に、隠れ家のようなオシャレなかき氷専門店があるとはビックリ。

新感覚! 独創的なテイストとビジュアルのかき氷3種

©京冰菓 あてなるもの

「京冰菓 あてなるもの」で提供しているかき氷は全部で3種類。京都らしい定番の抹茶味の「SWEET」、瀬戸内のとびしまレモンやみかん、ゆずを使った「FRUITS」、ジンジャーシロップや生黒胡椒入りの「SPICY」の3種類は、それぞれSサイズ1500円とMサイズ3000円があります。球体のガラス器にしているのは、保冷効果があることと、食べているときにこぼれないようにするためだそう。見た目も涼しげですよね。

「FRUITS」Sサイズ1500円

暑い日におすすめしたいのは、さっぱりテイストの「FRUITS」。見た目も味もさわやかで、映えるビジュアルもおすすめポイントです。Sサイズはひとりでぺろりと完食できる分量。

元気がでるビタミンカラーのかき氷は、写真映えするオシャレなひと品。一見、氷は粗く削っているように見えますが、食べてみるとふわふわで、口の中に入れた瞬間スッと溶けていく食感がたまりません......!

また、添えられたドライオレンジに氷をのせて、一緒にいただくのもおすすめ! シロップがほどよい甘さなので、溶けてしまった氷もジュースのように飲むことができて、最後までおいしくいただけます♪ 

©京冰菓 あてなるもの

抹茶味の「SWEET」は、京都・宇治田原の宇治抹茶と練乳をブレンドした濃厚抹茶ソースをはじめ、白玉やあんこなどをトッピングした甘いかき氷。抹茶のほろ苦さがいい塩梅にマッチしていて、抹茶好きにはたまらない一品です。

©京冰菓 あてなるもの

ピリッと辛い「SPICY」は、日本酒をブレンドしたジンジャーシロップに、マグロのおだし、イワシチップス、クリームチーズとプロセスチーズ、プチッと食感の生胡椒などが入っていて、なんとも斬新な味わいのかき氷。かき氷といえば甘い系や、さっぱり系が多いですが、新感覚のテイストに一度食べるとファンになるかも♪ スタッフ一番人気のかき氷だそう。

かき氷を削るのは「削り師」とよばれる専任スタッフ

氷は透明感のある純氷を使用。ふわっふわのかき氷になるように、氷の温度管理にも気を付けているそうで、通常は−20℃で保管するところを、前日に−5℃の冷凍庫に移して保管。氷を削る前に常温で数分おいて、氷の温度を安定させた状態で削っています。

約1000年前の味を再現したスペシャルなかき氷が登場

©京冰菓 あてなるもの

3種類のかき氷に加えて、「京冰菓 あてなるもの」では2024年6月19日から新メニュー「SPECIAL」3000円の販売を開始(1日2食限定)。実は、このかき氷、約1000年前の味を再現したスペシャルなかき氷なんです!

©京冰菓 あてなるもの

トッピングに使用している「甘葛(あまづら)シロップ」は、国内最古のかき氷に関する記述、「枕草子」の一節「削り冰にあまづら入れて、新しき金椀かなまりに入れたる」に登場する古代の甘味料を再現したシロップ。この甘味の再現には、200年ほど多くの研究者が研究を重ねてきたそうで、「幻の甘味」とも言われてきました。

ツタの樹液から作られる甘葛シロップ/©京冰菓 あてなるもの

その「幻の味」を奈良女子大学の前川佳代氏を中心とする「奈良あまづらせん再現プロジェクト」メンバーが再現! 「京冰菓 あてなるもの」で、この甘葛シロップを使ったかき氷がいただけます。そのほか奈良時代からの製法で作られる国産のもち米と麦芽を原料とした「米飴」、平安時代からあるヤマモモ、ナツメ、甘栗など、古くからある食材を使用して作られているのも特徴の一つ。いにしえのかき氷を、ぜひこの機会にご賞味あれ♪ 

©京冰菓 あてなるもの

お店で提供される飲み物は、燻製茶「KUNtea(クンティー)」。体を冷やさないように水ではなく、温かいお茶を提供しているそう。若蒸し煎茶と、ウィスキーオークのスモークチップを掛け合わせた「宵燻」という温かいお茶です。香りはスモーキーですが、味はまろやかなお茶という面白い味わい。こちらも合わせて、チェックしてみてくださいね。

スタイリッシュな店内。アンティーク小物にも注目

コンクリート打ちっぱなしのスタイリッシュな店内はモノトーン系のインテリアが多く、全体的に落ち着いた空間です。

1点ずつデザインが異なる銀食器も素敵!お店で提供しているお茶はこちらのカップでいただける

テーブルやイス、食器などはすべてオーナーセレクト。

アンティークの薬瓶は花瓶として使用している

なかにはヨーロッパで買い付けたアンティークもあります。

座席は4人掛けのテーブル席が2つ。大きな窓から光が差し込んで、明るく開放感があります。混雑時は相席対応になりますが、オープン直後から14時くらいまでは比較的ゆっくりできるそうなので、横並びに座り、景色を眺めながら過ごすことも可能。混雑を避けたいならこの時間帯が狙い目です。

座席の頭上にはスマホを置いて真上から撮影できるガラス板もあるので、混雑していなければゆったり撮影できるかも。SNSで“真上フォト”なるものが流行っているそうなので、興味がある人はぜひトライしてみて。

テーブルの天板は黄金色のレザーです。「平安時代の風情を感じてもらいたい」との思いから、金箔をレザーに貼り付け自作したというこだわりの品。使えば使うほど味が出るテーブルは、レザーアパレルならではのインテリアですね。

レコード音楽に耳を傾けながらゆっくり過ごしたい

4発の大型「ECLIPSE」スピーカーが立体的な音響として楽しめるよう設計されている

窓の外に広がる青い空と緑を眺めながら音楽に浸る時間は、なんともぜいたくなひととき。ほっとひと息つきたいときにも、おすすめのお店です。

鴨川沿いにあるレザーアパレルの店舗奥には、まるで隠れ家のようなオシャレなかき氷専門店がありました。まだあまり知られていない穴場スポットなので、暑い日にまったりとかき氷を楽しみたい方はぜひどうぞ! 期間限定営業なのでお見逃しなく。

■京冰菓 あてなるもの(きょうひょうか あてなるもの)
住所:京都府京都市下京区和泉屋町162(ノーノーイエス京都店内)
TEL:075-744-1884
営業期間:2024年9月29日(日)まで
営業時間:12〜15時
定休日:月・火曜

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Text&Photo:中田優里奈(ウエストプラン)

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