新フォルダブルスマホ「Galaxy Z Flip6」をフォト&ムービーレポート!

既報通り、Samsung Electronics(以下、Samsung)は10日(現地時間)、フランス・パリにて新製品発表会「Galaxy Unpacked July 2024: Galaxy AI Is Here」を開催し、新しいフォルダブルスマートフォン(スマホ)「Galaxy Z Fold6」および「Galaxy Z Flip6」、スマートウォッチ「Galaxy Watch Ultra」および「Galaxy Watch7」、完全ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds3」および「Galaxy Buds3 Pro」などを発表しました。

このうちのGalaxy Z Flip6はアメリカや韓国などの1次販売国・地域で2024年7月24日(水)に発売され、発売に先立って7月10日(水)より予約受付が実施されており、価格は欧州では1,330ユーロ(約232,000円)からとなっています。また同社の日本法人であるサムスン電子ジャパンは11日、日本市場にてGalaxy Z Flip6を2024年7月31日(水)に発売すると発表し、合わせて日本でGalaxy Z Flip6を取り扱う移動対通信事業者(MNO)であるNTドコモやKDDIおよび沖縄セルラー電話からも案内がありました。

日本ではサムスン電子ジャパンからオープン市場向けメーカー版(いわゆる「SIMフリーモデル」)「Galaxy Z Flip6(型番:SM-F741Q)」、NTTドコモから「Galaxy Z Flip6 SC-54E」、KDDIおよび沖縄セルラー電話の携帯電話サービス「au」から「Galaxy Z Flip6(型番:SCG29)」がそれぞれ7月31日に発売され、発売に先立って7月17日(水)9時より予約受付が実施されています。

販路はメーカー版が公式Webストア「Samsung オンラインショップ」および「Galaxy Harajuku」、「Galaxy Studio Osaka」、「Galaxy Experience Space」、NTTドコモ版がドコモショップや量販店、公式Webストア「ドコモオンラインショップ」など、au版がauショップやau Style、量販店、公式Webストア「au Online Shop」などとなっています。なお、各社で販売されるモデルや本体色、価格、キャンペーンについては以下の記事をご参照ください。

・Samsung、電池持ちが向上した新フォルダブルスマホ「Galaxy Z Flip6」を発表!日本では7月31日発売、7月17日予約開始。価格は15万9700円から - S-MAX
・NTTドコモがGalaxy Z Fold6・Z Flip6・Watch Ultra・Watch7・Buds3・Buds3 Proを7月31日に発売!予約開始で価格も案内 - S-MAX
・auがGalaxy Z Fold6・Z Flip6・Watch Ultra・Watch7・Buds3・Buds3 Proの取扱を発表!7月31日発売、7月17日予約開始。価格も案内 - S-MAX

その他、Galaxy Z Flip6などの新製品を実際に手に取って体験できる特設イベントとしてGalaxy Experience Spaceを実施が「SHIBUYA TSUTAYA」(東京・渋谷)にて2024年7月11日(木)から8月6日(火)まで開催されています。今回はそんなGalaxy Z Flip6の日本向け製品をメディア向けイベントなどで実際にタッチ&トライする機会がありましたので、外観や特徴を中心に写真や動画を交えて紹介したいと思います。


Galaxy Z Flip6の前面。左から通常カラーのシルバー シャドウおよびイエロー、ミント、ブルー。日本ではこれらに加えてSamsung オンラインショップ限定カラーとしてホワイトとブラックの6色が販売されます

Galaxy Z Fold6はSamsungの折り畳めるディスプレイを搭載したフォルダブルスマホのうちの縦折り型「Galaxy Z Flip」シリーズの第5世代で、これまでの同シリーズとコンセプトは同じで縦折りで内側に折り畳めるメインディスプレイを搭載し、開いた状態では普通のスマホサイズとして使え、閉じるとコンパクトに持ち歩けるようになっており、新たにチップセット(SoC)が最新のQuacomm製「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxy」となってスペックアップしています。

これにより、圧倒的なパフォーマンスですべての人に唯一無二の体験を提供し、新たに「Galaxy AI」に対応することで「AIズーム」や「AIスケッチ」、「ポートレートスタジオ」などに対応してさらに生産性や効率化が向上しています。引き続いて防水(IPX8準拠)には対応しているほか、新たに一般的な「IP6X」(粉塵が内部に侵入しない)ではなく「IP4X」(直径1.0mmの固形物まで内部に侵入しない)ながらも初の防塵性能が謳われています。


Galaxy Z Flip6を持ってみたところ

画面は内側のメインディスプレイがアスペクト比9:22の約6.7インチFHD+(1080×2640ドット)有機EL「Foldable Dynamic AMOLED 2X」(約426ppi)、外側のカバーディスプレイが約3.4インチ720×748ドット有機EL「Super AMOLED」(約306ppi)を搭載し、内・外側の画面ともに1〜120Hzアダプティブリフレッシュレート(可変)に対応し、明るさはさらに向上してピーク輝度がメインディスプレイで2600nits、カバーディスプレイで1600nitsとなっています。またメインディスプレイは強度を保ちながら折り目の改善を実現し、より折り目が目立たなくなっているとのこと。

実際に既存の前機種「Galaxy Z Flip5」を並べて比べると確かに多少折り目が目立たなくなっているとわかりますが、Galaxy Z Flip6を単体で試した限りではそこまで大きく変わっているという印象はなく、まだまだ折り目はしっかりとあって実用上は視認性などでは気にならないものの、タッチ操作などをすればはっきりと折り目は確認でき、見た目としても画面を消したときは確実に折り目がわかるといった具合です。この辺りは毎回かなり苦労して開発してることは伺えますが、フォルダブルディスプレイの限界は感じます。


Galaxy Z Flip6におけるメインディスプレイのパンチホール部分

一方、折り畳んだ状態で使えるカバーディスプレイや背面パネルは強化ガラス「Gorilla Glass Victus 2」(Corning製)で覆われて傷が付きにくく割れにくくなっており、側面などのフレームは落下や傷に強いより強化されたアーマーアルミニウム素材が用いられています。サイズ感としてはかなり縦に長いので持ちやすくはありますが、片手操作はしにくく、特に中央で折り畳む仕組みがあるためか、音量上下キーや電源キーがかなり上に寄っているので一般的な同じサイズ感のスマホよりもキーは押しづらく感じます。

また重さは最近のハイエンドスマホとしては軽いほうですし、持った時の印象としてもこのサイズ感のスマホとしては「重い」といったことはないと思います。大きさは閉じた時で約85.1×71.9×14.9mm、開いた時で約165.1×71.9×12.1mm、質量は約187g。メインディスプレイの上部中央にはパンチホールが配置されており、パンチホール部分にはフロントカメラが内蔵され、生体認証として顔認証に対応しているほか、本体右側面にある電源キーには指紋センサーが内蔵されて指紋認証にも対応しています。カメラの構成は以下の通り。

<フロントカメラ(インカメラ)>
・約1000万画素CMOS(1画素1.22μm)/広角レンズ(F2.2、焦点距離23mm)

<リアカメラ(アウトカメラ)>
・約5000万画素CMOS(1画素1.0μm、4in1、Dual Pixel PDAF)/広角レンズ(F1.8、焦点距離23mm、OIS)
・約1200万画素CMOS(1画素1.12μm)/超広角レンズ(F2.2、画角123°、焦点距離12mm)


Galaxy Z Flip6を途中まで折り畳んだ状態。ヒンジも新たにデュアルレール構造によるフォールディングエッジにサポートされ、外部からの衝撃をより分散して強化されているとのこと

中でもリアカメラはメインセンサーが強化されたことによってカメラ体験がアップグレードされ、新たに4つの画素を1つにまとめてより明るく撮影できる4in1ピクセルビニング技術が採用され、細部までクリアで鮮明な画像を捉えることができるほか、2倍の光学相当ズームでノイズのないクリアな画像を提供し、最大10倍の「AIズーム」で高度な撮影体験を実現しています。また強化した「ナイトグラフィー」で薄暗い場所でもより鮮明な映像を撮影可能となっています。

さらにGalaxy Z Flipシリーズの特徴でもあるフレックススタイルも引き続いて便利に使え、最も多彩なカメラ体験を提供する「フレックスカメラ」はクリエイティブな選択肢をもたらし、新しい「オートズーム」機能は被写体を認識して自動でズームイン・ズームアウトすることによって最適な画角に調整してくれるため、置き撮りにぴったりな新機能となっています。ただし、オートズームは低照度の環境では機能が制限され、ズームを手動で調整するか、フロントカメラとリアカメラの切り替えを行うとオートズームは解除されるとのこと。


Galaxy Z Flip6の右側面には音量上下キーと指紋センサー内蔵した電源キー、アンテナラインが配置



Galaxy Z Flip6の左側面にはSIMトレイ(SIMカードスロット)とアンテナラインが配置。他社のフォルダブルスマホでは閉じた時にアンテナラインがずれていたりすることもありますが、ハイエンドモデルで世代を重ねて進化してきたGalaxy Z Flip6だけにきっちりと揃っている高いデザイン性も魅力



SIMトレイをトレイ取り出しツール(いわゆる「SIMピン」)で引き出したところ。SIMはnanoSIMカード(4FF)サイズのスロットが1つとデュアルeSIMに対応



本体上側面にはマイクが2つ、下側面にはマイクが2つとUSB Type-C端子、外部スピーカーが配置



ヒンジ部には「SAMSUNG」ロゴが記載

カバーディスプレイも進化しており、開かずにAI機能を利用することが可能になり、AI機能「Galaxy AI」の1つである「おすすめの返信」機能を使えば、直近のメッセージを分析して最適な返信を提案してくれるため、キーボード入力や音声入力をしなくてもすぐにメッセージを返信することが可能となるなど、便利な機能の多くをカバーディスプレイから利用できるのでポケットサイズのまま最大限に各機能を活用することが可能となっています。

またカバーディスプレイは健康管理アプリ「Samsung Health」や通知にもアクセスが可能で、音楽ウィジェットでは次に聴きたい曲を選ぶこともでき、マルチウィジェット上で同時に情報を確認することができるようになっています。その他にもAI搭載の「今の天気壁紙」を使えば、時間や天気によってリアルタイムに壁紙が変化したり、選択した画像に合わせて時計の位置を動かしたり、フレームカラーを提案する「おすすめのスタイルを表示」機能によって誰でも簡単におしゃれな壁紙を作成することができます。


Galaxy Z Flip6のカバーディスプレイ。フォルダブルスマホのライバルとなる「motorola edge」シリーズは最新機種「motorola edge 50 ultra」で折り畳んだ状態のほぼ全面がカバーディスプレイとなっているのに比べるとまださらに大画面にできる余地はある状況



折り畳んだ状態の背面。今回、日本向け製品はメーカー版およびNTTドコモ版、au版ともにキャリアロゴはなく、ヒンジ部に「SAMSUNG」ロゴがあるのみで、おサイフケータイ(FeliCa)マークも記載がない仕様になっています。せっかくなので製品製造番号(IMEI)の表記もなくして欲しい気もしました



開いた状態の背面側で持ってみたところ。カバーディスプレイは画面が消えていると黒く、画面の周りの縁(ベゼル)も各本体色ともに黒いので、開いて使っているときには基本的に背面側は半分が黒い



Galaxy Z Flip6の背面。左から通常カラーのシルバー シャドウおよびイエロー、ミント、ブルー。



Galaxy Z Flip6のリアカメラ部分。出っ張りは多少ありますが、Galaxy Z Flipシリーズは閉じた状態で置くことが多いと思われ、リアカメラ部分を下にして置かない限りは安定して置けるのでそこまで気にならないのではないかと感じています

またGalaxy Z Flip6の最も大きな改善とも言えるのはバッテリー容量が4000mAhに増量されたことで、ソフトウェアの最適化とともにより長時間の使用が可能となり、例えば、au版なら「Galaxy Z Flip5(型番:SCG23)」との比較だと、連続通話時間(VoLTE)および連続待受時間(4G)ではGalaxy Z Flip6が約2190分および約360時間、Galaxy Z Flip5が約1950分および約330時間というようにともに伸びています。

一方、充電機能は急速充電(最大25W)、ワイヤレス充電(最大15W)、ワイヤレスリバースチャージ(最大4.5W)と変更がなく、充電時間はau版ではGalaxy Z Flip6が約110分、Galaxy Z Flip5が約100分(ともにTypeC共通ACアダプタ02使用時)とのこと。その他にもGalaxy Z Flip6は新たにGalaxy Z Flipシリーズでは初めて冷却システムとしてベイパーチャンバー(VC)が搭載され、パフォーマンスを安定して最大化できるようになっているとのこと。また内蔵メモリー(RAM)もGalaxy Z Flip5の8GBから12GBに増量されています。


Galaxy Z Flip6のau版の端末情報とソフトウェア情報。OSはAndroid 14ベースのOne UI 6.1.1

その他の仕様はAKGによってチューニングされたデュアルステレオスピーカーを搭載し、Dolby Atmosに対応しているほか、Wi-Fi 6Eに対応したIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax準拠(2.4および5、6GHz)の無線LAN(Wi-Fi)、Bluetooth 5.4、NFC Type A/B、位置情報取得(A-GNSS:GPS・GLONASS・Galileo・BDS・QZSSなど)、緊急速報メール、加速度センサー、気圧センサー、光センサー、ジャイロセンサー、近接センサー、地磁気センサー、ホールセンサーなど。

SIMはnanoSIMカード(4FF)スロットが1つとデュアルeSIMのデュアルSIMデュアルVoLTE(DSDV)をサポートし、携帯電話ネットワークは5G NR方式のSub6に対応しています。OSはAndroid 14をベースにした独自ユーザーインターフェース「One UI 6.1」がプリインストールされており、7世代のOSバージョンアップをサポートするとしており、人気のSNSアプリ「Instagram」との連携も実現してアプリ内でナイトモード機能を使用して写真を撮影してそのままアップロードや共有することも可能となっています。



Galaxy Z Flip6には「設定」の第1階層目に「Galaxy AI」や「便利な機能」が配置されており、便利な機能では「フレックスモードパネル」などが設定可能

またSamsung Galaxyのセキュリティプラットフォーム「Samsung Knox」が引き続いて搭載されており、重要な情報の保護とエンドツーエンドハードウェア、リアルタイムでの脅威検知、コラボラティブプロテクションによる脆弱性の対策が行われ、Galaxy AIの設定を通じてAI体験向上のためのデータ使用を許可するかを完全にコントロールすることができ、新たに「Samsungクラウド」上でデータをバックアップ、同期、復元する際には「Enhanced Data Protection」がエンドツーエンド暗号化で提供されます。

さらにOne UI 6では「Knox Vault」や「セキュリティ&プライバシーダッシュボード」、「自動ブロッカー」、「パスキー」、「Secure Wi-Fi」、「Quick Shareのプライベート共有」などのSamsungが誇るセキュリティーおよびプライバシー機能が搭載されています。なお、Galaxy AIとしては「通話アシスト」および「チャットアシスト」、「通訳」、「ノートアシスト」、「文字起こしアシスト」、「ウェブアシスト」、「フォトアシスト」、「スケッチアシスト」、「今の天気壁紙」、「ヘルスアシスト」が利用できます。


Galaxy Z Flip6のアクセサリー

その他にもサステナブルな未来に向けた継続的な取り組みも引き続いて行われており、リサイクル素材の使用としてGalaxy初となるリサイクルの金と銅の使用を筆頭に拡大し続け、リサイクルプラスチックやアルミニウム、ガラスなどの多様なリサイクル金属が使用されているほか、梱包箱には100%再生紙が使われています。なお、同梱品はGalaxy Z Flip6本体のほか、SIM取り出し用ピン(試供品)、USBケーブル(CtoC)(試供品)、取扱説明書となっています。



記事執筆:S-MAX編集部
記事執筆:2106bpm(つとむびーぴーえむ)


■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・S-MAX - Facebookページ
・Galaxy Z Flip6 関連記事一覧 - S-MAX
・Samsung Galaxy Z Flip6(サムスン ギャラクシーZフリップ6) | Samsung Japan 公式
・Galaxy Z Flip6 SC-54E | Android スマートフォン | 製品 | NTTドコモ
Galaxy Z Fold6 | スマートフォン(Android スマホ)| au