(漫画:©︎三田紀房/コルク)

記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。

その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。

そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載。連載を再構成し、加筆修正を加えた『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』は、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。第127回は、受験の合否を左右する、夏休みの乗り越え方についてお話しします。

夏休みで合否が左右される


受験生にとって、天王山と呼ばれる季節がやってきました。

まとまった時間を使って、一気に受験勉強に集中することができる夏休み。受験生が自分自身の実力を上げるために、最適な期間だと言えるでしょう。

一方で、このように言うこともできます。夏休みは、ここで頑張れる人が合格し、頑張れない人が不合格になるという、受験の合否を左右する期間でもあるのです。

東大に合格した人たちは、夏休みをどのように過ごしていたのでしょうか。今回は、東大生たちの夏休みの勉強法についてシェアしたいと思います。

まずは、夏休みの勉強法について漫画『ドラゴン桜』で触れられているシーンがあるので、ご覧ください。

※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください





(漫画:©︎三田紀房/コルク)





(漫画:©︎三田紀房/コルク)

いかがでしょうか?漫画で語られていたとおり、結局、自習の質が低い生徒の成績は伸びません。どんなにいい授業を受けていても、生徒側の自学自習の質がよくなければ、無駄になってしまいます。夏期講習をたくさん入れてしまい、その復習ができずに成績が上がらない、なんて生徒も多いです。

重要なのは、自分で勉強する時間の質を上げることです。


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では、どうすれば自習の質が上がるのでしょうか。この答えはとてもシンプルです。問題を解きまくればいいのです。

普段、学校に通っていたり、塾に通っている人は、授業を受けるという「インプット」をしています。しかし、その授業の内容を生かして、自分で似たような問題を探して解いたり、自分が受ける大学の過去問を解きながら、今まで受けた授業内容を思い出して、どう解答するのかを考えたり……と授業と結びつけて考えながら、勉強するようなことはあまりないでしょう。そのような状態では、インプットした内容も忘れていってしまいます。

夏休みはひたすら問題を解こう

だからこそ、夏休みにやるべきことは、ひたすら演習して「アウトプット」することです。問題集を買って解きまくる。わからなかった問題に関してはチェックして、次の日になったらもう一度解いてみる。そうやって、できない問題を減らしていくのです。

結局、「できない問題ができるようになる」ということさえ達成できれば成績は必ず上がります。

逆に、問題が解けるようになっていないのであれば、やっている意味がありません。教科書や参考書を何度も読んでも、ノートを見返してみても、あまり意味はないのです。大事なのは、とにかく問題を解いて、一問でも多くの問題が解けるようになること。これに尽きます。だからこそ、夏休みの時期は問題を解きまくるべきなのです。

そして受験生であるならば、この問題演習では過去問を解くべきでしょう。東大に合格した生徒の中には、1年分の東大の過去問を1〜2日間で解いて、夏休みの間に全科目の過去問を30年分解いたという人もいました。

丁寧に解く必要があるタイミングもありますが、夏休みは基本的に数をこなしたほうがいいと思います。今までインプットした知識を生かして、とにかく膨大な量の問題を解いてみる。そうする中で、できない問題がどんどんできるようになっていくわけです。ぜひ、参考にしてみてください。

受験勉強や、子供への教育など、西岡壱誠さんへの質問を募集しています。こちらの応募フォームからご応募ください。

(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)