22年落ち日産「スカイライン」が約「6000万円」!? 新車価格の“約9倍”! もはや伝説級の「オシャ“グリーン”」採用した最終型「Mスぺ“Nur”」香港で落札
“スカイライン”を冠したGT-Rのファイナルモデルが……
2024年7月1日、海外のカーオークションサイト「Collecting Cars」において、日産「スカイライン GT-R“M spec Nur”(エムスペック ニュル)」が、36万6000米ドル(約5917万円)で落札されました。
世界的に大人気のモデルとはいえ、税抜き630万円の新車価格に対し「約9倍」という非常に高価な落札額となったのはなぜでしょうか。
Collecting Carsは、2018年に創設されたカーオークションサイトです。欧州をはじめ、シドニーやロサンゼルス、アブダビなどに拠点を持ち、欧州車や日本車をメインにオークションが開催されています。
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今回、日本円にして6000万円近い高額で落札されたのは、スカイライン GT-Rのなかでも最終モデルとなる限定車でした。
2007年に登場した日産のスーパースポーツカー「GT-R」ですが、かつては「スカイライン」シリーズの頂点にラインナップされたネーミングでした。
日産が市販車ベースのツーリングカーレースに参戦するため、もともと純粋なレーシングカー用に開発した2リッター 直列6気筒 DOHC「S20」型エンジンを、「ハコスカ」の愛称で知られる3代目スカイライン(C10型)の上級モデル「スカイライン2000GT」に搭載したのが始まりです。
その後1989年に16年ぶりに復活したBNR32型スカイラインGT-R(GT-Rとしては3代目)は、最高出力280psを発揮する「RB26DETT」型ツインセラミックターボエンジンや、電子制御トルクスプリット4WD「アテーサE-TS」、後輪操舵システム「スーパーハイキャス」などと組み合わされ、ふたたびレースシーンでの快進撃を遂げました。
以降このパワートレインを進化させながら、1995年登場の4代目BCNR33型、1999年登場の5代目BNR34型とモデルチェンジを重ねていきます。
そして今回の落札車両である5代目BNR34型スカイライン GT-Rは、2002年2月に発売された同モデルのファイナルエディションであるGT-R“M spec Nur”(以下、GT-R Mスペック ニュル)です。
ベースは、前年の2001年5月に「大人の感性を刺激し、大人のこだわりをも満足させる、もうひとつのGT-R」のコンセプトを掲げ発売された「スカイライン GT-R Mスペック」です。
上質な専用本革シートや、リップルコントロールショックアブソーバーによるしなやかな乗り心地を特徴としています。
GT-R Mスペック ニュルでは、レース用N1仕様エンジンに高精度なバランス取りをされたピストンやコンロッドを採用し、高回転域の回転フィールに磨きをかけたほか、限定車専用のゴールドシリンダーヘッドカバーを搭載。
フルスケール300km/hが刻まれた専用スピードメーターや立体成形の専用グレードエンブレムを採用し、専用特別塗装色「ミレニアムジェイドメタリック」も設定されるなど、内外装にわたって特別な1台として仕立てられました。
GT-R Mスペック ニュルの新車販売価格は630万円(消費税抜き)で、同時に発表された「スカイライン GT-R“V spec II Nur”」(新車時価格:610万円)とあわせて1000台の限定発売でしたが、即日完売になったといいます。
その後の日産の発表によると、1000台のうちGT-R Mスペック ニュルの販売比率はわずか25%(約250台)だったといいます。
なおBNR34型はGT-R Mスペック ニュル発売直後の2002年8月に生産を終了し、結果として車名に“スカイライン”が入るGT-Rはこれが最後となってしまいました。
その面でもGT-R Mスペック ニュルは、コレクターズアイテムとして極めて価値の高いモデルとなっているのです。
オークションサイトCollecting Carsには、日本から2023年に香港へ持ち込まれたGT-R Mスペック ニュルが出展されました。
ボディカラーは限定色のミレニアムジェイドで、メーターパネルに標示される走行距離はわずか1万4785キロという低走行車です。
日本語の取扱説明書に加え日本での整備記録なども備わっており、過去の履歴も比較的明確なようです。
89回の入札を経て、前述の通り36万6000米ドル(約5917万円)で落札されました。