中国・蘇州は美しい運河で知られる(写真はイメージです) Photo:PhotoAC

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中国・蘇州で、日本人学校のスクールバスが刃物を持った男に襲われる事件があり、犯人の男に立ち向かった中国人女性が亡くなった。この他にも中国では、外国人を対象にした無差別殺傷事件が起きている。背景にあるのは、中国社会の閉塞感や経済不況、そして今も続く反日教育だ。中国では今も反日ドラマや映画がたくさん放映されているほか、SNSも閉鎖的で海外の情報に触れることが難しい。さらに昨今は「日本人学校スパイを養成している」といったデマ動画が拡散されSNSで人気を集めている。なぜ反日動画は多くの中国人に支持され、デマを信じる人が減らないのか、その理由と実態を紹介したい。(日中福祉プランニング代表 王 青)

日本人学校のスクールバスが襲われ、中国人女性が亡くなった

 6月24日、中国の江蘇省蘇州市で、痛ましい事件が起きた。日本人学校のスクールバスを待っていた日本人母子2人が刃物を持った中国人男性に襲われ、怪我を負ったのである。バスの案内係で、身を挺して男の犯行を止めようとした中国人女性・胡友平さんは、男に何度も刺されて2日後に命を落とした。この悲劇的なニュースは、日中両国に大きな衝撃を与えた。

 SNSでは胡さんを悼み、たたえる声が溢れた。日本では、「日本の子どもたちを守る勇気と行動に感謝いたします。亡くなられたことは残念でなりません。ご冥福をお祈りします」「日本人をかばい、身を挺して亡くなられた胡さん、あなたの名前は忘れません」といったコメントが殺到した。

 中国でも同様に、胡さんへの哀悼と感謝の意を示す書き込みが多数寄せられた。「私のような男でも、あの場面に遭遇したら、胡さんのように身の危険を顧みず、犯人を制止できるか、自信を持って言えない。胡さんの勇気に敬意を表します」「一人の普通の女性が、自分の命で暴徒と戦い、彼女が救ったのは日本の子どもたちだけではなく、わが国の体面も保ったのだ。我が国にも善良で勇気のある人がいるということを世界に示すことができた」といった声が上がっている。また、最近の中国では、高齢者や急病人が道で倒れていても誰も助けないという社会現象もある中で、胡さんの行動は多くの人に感動を与えたというコメントも多く見られた。

 このように、日中両国において胡さんへの賛美の声が上がり、涙を誘うような雰囲気が広がっている。

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