那須川天心の成長に世界ランカー驚き「パンチも強い」 転向4戦目へ公開スパーで激闘
那須川天心ボクシング4戦目
ボクシングの那須川天心(帝拳)が4日、都内の所属ジムで練習を公開した。20日に東京・両国国技館でボクシング転向4戦目として、ジョナサン・ロドリゲス(米国)とノンタイトル10回戦を予定。自身初の10回戦へ“激闘型スパーリング”を披露し、またも進化を見せた。戦績は25歳の那須川が3勝(1KO)、25歳のロドリゲスが17勝(7KO)2敗1分け。
那須川がまた見違える姿を見せた。バンタム級でWBO3位、IBF4位につける24歳のクリスチャン・メディナ(メキシコ)と対峙。中間距離から隙をつくようにアッパー、ボディー、左ストレートを叩き込んだ。相手が飛び込んでくれば左フック。パワーパンチで鈍い音をジム内に響かせた。
メディナは昨年8月に現IBF王者・西田凌佑(六島)と同級挑戦者決定戦で対戦。判定負けしたが、世界に手が届くところにいる実力者だ。スパーを終え、那須川について「彼は凄く良いボクサー。パンチも強いし、スピードもある。足運びが素晴らしい」と称賛。ここまで30回ほど拳を交え「最初はパンチを当てるのは難しくなかったけど、今は速く動けるようになったので成長したと思う」と驚いていた。
那須川は最大8回のスパーを含め、ここまで100回以上を消化。来週末の打ち上げまでに自己最長の10回も予定する。中間距離での駆け引きを反復練習。指導する元世界2階級制覇王者・粟生隆寛トレーナーは「新しいことをやってハマる日、ハマらない日がある。ハマったら『おぉ』と言えるくらいめちゃくちゃいいボクシングをする」と太鼓判を押した。
帝拳ジム代表の浜田剛史氏も「パンチに体重が乗ってきた」と成長を評価。那須川はスパーを含め、シャドー、ミットを計9回披露し、大粒の汗を流した。「手応えがあります。精度を上げる練習をしてきたし、3試合目から4試合目で進化していないと意味がない」と自信を見せた。
昨年4月のボクシングデビュー戦は6回戦、9月の2戦目は8回戦でともに判定勝ち。8回戦だった今年1月の3戦目は初の世界ランカーを相手に圧倒し、相手の棄権で3回終了TKO勝ちした。現在の世界ランクはバンタム級でWBA7位、WBC13位、WBO10位。東洋太平洋は3位、WBOアジアパシフィックは1位、日本ランクはスーパーバンタム級で4位につける。
ロドリゲスは2018年にデビュー。昨年11月には元WBA世界スーパーフライ級王者でWBA世界バンタム級4位だったカリド・ヤファイ(英国)に初回KO勝ちした。世界ランクはWBA4位につけ、死角からの右フックが脅威。那須川にとっては初の世界ランカー対決となる。
○…今興行はトリプル世界戦。WBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M.T)が指名挑戦者の同級1位ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)と初防衛戦を迎える。WBO世界スーパーフライ級王者・田中恒成(畑中)も、同級12位ジョナタン・ロドリゲス(メキシコ)と初防衛戦。WBO世界フライ級王座決定戦では、同級2位・加納陸(大成)と同級3位アンソニー・オラスクアガ(米国・帝拳)が対戦する。「Prime Video presents Live Boxing」の第9弾として、Amazon プライム・ビデオで生配信される。
(THE ANSWER編集部)