投資を始めるつもりですが、専業主婦なので高額利益が出たときが心配です。扶養から外れるのはいくらからでしょうか?

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資産を増やすには、専業主婦でもできる投資が大切です。しかし、専業主婦が投資で利益を得た際に扶養から外れる金額はいくらからなのでしょうか。本記事では、扶養の基準や税金への影響を具体的に解説し、利益を気にせずに投資を始める際の注意点や対策を提案します。

専業主婦が扶養から外れる条件とは

まず、専業主婦で配偶者の扶養に入っている場合、投資から利益を得たことで扶養から外れる条件を理解しましょう。国税庁が発表している扶養親族に該当する条件は4つあります。

・「配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族をいいます。)または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。」
・「納税者と生計を一にしていること。」
・「年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)」
・「青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと。」

これらの条件にあてはまらない場合は、扶養親族から外れます。扶養から外れていると、自分で住民税と所得税を支払わなければなりません。扶養内であれば支払わなくてよい税金であるため、結果として世帯収入が減ってしまうことになります。
 

扶養の基準と税金への影響

扶養には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類あります。税法上の扶養は、家計の中心となっている人が収入の少ない同居している配偶者や子ども、両親などを経済的にサポートすることです。
扶養している人が居ると、配偶者は「配偶者控除」、子どもや親は「扶養控除」の対象となり、納税者の税負担が軽減されます。税法上の扶養となるためには条件があり、年間の合計所得金額が48万円以下(給与収入のある人は年間103万円以下)の場合が対象です。
扶養に加入していて、他の所得と合わせて48万円を超えてしまうと納税者の税額の増加や、自分で所得税を負担しなければならなくなります。また、社会保険上の扶養は、主な生計者が加入している社会保険の被扶養者をいいます。年間収入が130万円未満の配偶者や3親等以内の親族であれば、同じ社会保険に加入できます。
 

投資を始める際の注意点と対策

投資を始める際に開設する口座には「特定口座」と「一般口座」の2種類の口座があります。専業主婦が扶養や配偶者控除を気にせずに投資を始める際には、特定口座(源泉徴収あり)を選ぶとよいでしょう。
特定口座(源泉徴収あり)を選ぶと、証券会社が1年間の取引の損益を計算して「年間取引報告書」を作成してくれます。もし、投資をして利益を得た場合には源泉徴収してくれるので、税金を自分で納める必要がなく確定申告する必要もありません。
また、損益通算も証券会社で行うため、投資の利益と損失を相殺して税額を計算してもらえます。デメリットとしては、扶養の枠内の投資所得が48万円以下である場合でも非課税とならない点です。特定口座の「源泉徴収あり」では、投資の所得が48万円以下であった場合でも税金が天引きされてしまいます。
特定口座には「源泉徴収なし」もあり、48万円以内の投資所得を見込んでいる場合は、源泉徴収なしを選んでも問題ありません。年間を通してどのくらい稼ぎたいのかによって証券口座の種類を選ぶようにしましょう。
 

扶養の条件や税金に注意して投資を始めましょう

専業主婦が投資を始めるときには、扶養の条件や税金に関する制度について事前に理解しておくようにしましょう。税金のことを気にするのであれば、非課税で投資運用ができるNISAやiDeCoを利用する方法もおすすめです。節税効果ができる制度もうまく利用しながら、自分に合った方法で投資を行いましょう。
 

出典

国税庁 No.1180 扶養控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー