男性にも更年期障害があるのをご存知ですか? 表れる症状も解説
男性更年期障害の症状は、のぼせや多感、全身倦怠感、頭痛などの「身体症状」と不安感に襲われたり神経質になったり、うつ症状、不眠などの精神症状が表れることがあるそうです。原因はテストステロンの減少にあると代官山パークサイドクリニックの岡宮先生は言います。詳しく教えてもらいました。
※この記事はMedical DOCにて【男性更年期障害を予防するために大事なコトとは】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
岡宮 裕(代官山パークサイドクリニック)
杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院腎臓・内分泌・代謝内科入局。その後、横浜市立市民病院、静岡赤十字病院、練馬総合病院などに勤務。2009年、「代官山パークサイドクリニック」を開院。「体に負担の少ない、一人ひとりに最適な治療」をモットーに、症状やニーズにじっくりと耳を傾けながら診療をおこなっている。
編集部
女性だけでなく、男性にも更年期障害があると聞きました。本当ですか?
岡宮先生
はい。まだそれほど知られていませんが、男性にも更年期障害があります。男性の更年期障害は、「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」とも呼ばれています。
編集部
どのような症状が現れるのでしょうか?
岡宮先生
女性の更年期障害と同様に、症状は身体症状と精神症状にわけられます。身体症状では、のぼせや多汗、全身倦怠感、頭痛、めまい、耳鳴り、ED、筋肉や関節の痛み、筋力低下、頻尿などがみられます。一方で、精神症状では不安感に襲われたり神経質になったりするほか、うつ症状やイライラ、不眠、無気力、記憶力や集中力の低下などの症状が出ることがあります。
編集部
身体症状と精神症状、どちらも現れるのですか?
岡宮先生
いいえ。必ずしもそういうわけではなく、人によって症状は様々です。ただし、男性の場合は女性の更年期障害に比べて、精神症状が出やすい傾向があります。
編集部
そもそも、なぜ男性にも更年期障害が起こるのですか?
岡宮先生
男性の更年期障害が起こるのは、主に精巣で分泌される男性ホルモンの「テストステロン」が減少するからです。テストステロンは男性らしさに大きく関係しており、性機能を正常に保ったり、筋肉や骨を強くしたりする働きを担っています。発症する時期として最も多いのは、50~60代です。しかし、個人差が大きく、早ければ30代くらいで発症する人もいます。
編集部
症状はどのように現れるのですか?
岡宮先生
男性の場合、女性の更年期障害と違って、閉経という大きなイベントがありません。そのため、心身の変化は非常に緩やかです。しかし、仕事や家庭などで大きなストレスとなるようなことが起きると、それをきっかけにして急激に症状が進むという場合があります。