ホンダ「N-BOX」に「クーペ仕様」が存在!? 非スライドドア&巨大ウーハー搭載! 斬新すぎる「軽ハイトワゴン」とは?

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初代「N-BOX」にあった斬新すぎる派生車種とは?

 軽自動車のみならず、日本の新車市場でもっとも売れているのがホンダ「N-BOX」です。
 
 N-BOXは、2023年度の新車販売台数(登録車と軽自動車の合計)で3年連続1位となったほか、軽自動車だけでは9年連続で1位を獲得。
 
「日本イチ売れている軽自動車」であるN-BOXは、2023年9月にフルモデルチェンジし、3代目モデルへと進化しました。

スライドドアじゃない!? 「N-BOX クーペ」とは?

 そんなN-BOXは、初代モデルが2011年に登場。人気の「軽スーパーハイトワゴン」のなかでも、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトの採用やエンジンルームのサイズ圧縮などにより、ライバルを上まわる広い室内空間を確保したことで大ヒットとなっています。

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 そして2014年12月には、N-BOXをベースとした派生車「N-BOXスラッシュ」が誕生しました。一体どのようなモデルだったのでしょうか。

 N-BOXスラッシュは、N-BOXより全高を約100mm低くした1670mmに設定し、リアに向かってルーフラインを絞り、ウインドウラインは逆にせり上げることで、クーペスタイルを演出。

 箱型ボディでありながら、2ドアクーペのように見える工夫を施したユニークなモデルです。

 N-BOXはリアドアがスライドドアですが、これに対してN-BOXスラッシュはヒンジドアに変更。ボンネットまわりのフロントセクション以外のボディパネルと、ウインドウガラスすべてが新規で設計されています。

 デザインは、内外装やカラーが異なる5つの世界観を表現したインテリアカラーパッケージを用意。

 1950〜60年代のアメリカ雑貨などをイメージした「ブライトロッド スタイル」、ホットロッドとも呼ばれる、カスタムカーをイメージした「ストリートロッド スタイル」、カリフォルニアのダイナーレストランをイメージした「ダイナー スタイル」、ハワイの海岸線をサーフ&ドライブするイメージした「グライド スタイル」、古いジャズやブルースが演奏されるライブハウスをイメージした「セッション スタイル」といった5つのスタイルが設定され、それぞれの個性を発揮しました。

 加えて、車内を“ライブ会場”に変える、「サウンドマッピングシステム」(8スピーカー+1サブウーファー)をインパネ下部に配置。

 車内スペースに制約のある軽自動車ながら、パワフルな重低音と、全域でバランスのとれた高音質サウンドを追求したスピーカーレイアウトを採用したほか、迫力ある重低音を再生するために専用のバックロードホーン型サブウーファーを開発するなど、音にこだわったこともN-BOXスラッシュの特徴のひとつです。

 また、それまでのチップアップ&ダイブダウン機構に加え、前後スライド機構も搭載したリアシートを実現し、さまざまなシートアレンジが可能でした。

 パワートレインは、高性能な660ccのNA(自然吸気)エンジンと同ターボエンジン、CVT(無段変速オートマチック)を専用チューニングし、爽快な加速と燃費性能を両立。

 ほかにも、N-BOXスラッシュだけの装備として、電動パーキングブレーキやパワーステアリングのアシスト力を選択できる「モード切り替えステアリング」といったアイテムも盛り込まれました。

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 こだわりが詰まったN-BOXスラッシュは、ベースのN-BOXが2017年にフルモデルチェンジして2代目へと移行したあとも販売が続けられ、2018年1月にはマイナーチェンジを実施。

 新たなスタイルが設定されるなど独自路線を歩んでいたのですが、2020年2月に販売が終了された後は後継車が登場することはなく、現時点では1世代限りのモデルとなっています。

 そんななか、現行N-BOX(3代目)にSUV風の新モデルが追加されるのではないかと噂されており、実現すればN-BOXスラッシュ以来の派生車種が登場することになるかもしれません。