『ザ・ボーイズ』アントニー・スター、ホームランダーみたいな人間と思われて困惑

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今月から配信が始まったシーズン4でさらにその人気が高まっているAmazon Prime Video(アマゾンプライム)の『ザ・ボーイズ』。同作で、表向きはスーパーヒーローだが実はヴィランのホームランダーを演じているアントニー・スターが、役柄と自身を混同されて困惑していると告白した。米Rolling Stoneが報じている。

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サディストでナルシストな当たり役を得たことで…

俳優が当たり役を得た際、そのキャラクターと俳優自身のパーソナリティを同一視されてしまうのはよく聞く話だ。それは演じる役柄の良し悪しに限らず言えることで、例えば『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』で主人公のトニー・ソプラノに扮した故ジェームズ・ガンドルフィーニは、同作で8年間演じたマフィアのボスと重ねて語られることがいまだに多い。

『ザ・ボーイズ』のアントニーの場合、彼自身とイベントなどで交流したファンの多くは、彼がホームランダーのようにサディスティックでナルシストな人間ではないと分かるとショックを受けるという。「なんてことだ! 君はホームランダーとは全然違うんだね」という言葉をよく耳にするそうで、アントニーはこうしたファンの反応を面白いと思うと同時に少し不愉快に感じ、「そうだね、彼はサイコパスのナルシストだよ。ありがとう」と答えるとのこと。アントニー自身の性格とはホームランダーとはまったく異なるため、彼は自分の演技がファンに与えた影響の大きさを痛感する一方で、それが生んだ誤解に困惑している。

これまで偉大で高潔なイメージのあったスーパーヒーローを欠点だらけで堕落した存在として描いている『ザ・ボーイズ』。ホームランダーはそんな堕落したヒーローの典型で、公の場では英雄のように振る舞うが、実際は利己的で冷酷だ。だが、そうした異常な行動と人間関係の欠如が、彼を魅力的で憎めないキャラクターにしている。

ちなみに、40代になって出演した『ザ・ボーイズ』で世界的な知名度を得たアントニーだが、母国のニュージーランドでは有名だった。2005年から6シーズン続いた同国のドラマ『Outrageous Fortune(原題)』では一卵性双生児だが性格は正反対の双子であるヴァン&ジェスロ・ウェストを一人で演じて一躍脚光を浴びた。2013年からは米Cinemaxの犯罪ドラマ『Banshee/バンシー』で、新任の保安官に成りすます元受刑者として4シーズンにわたって主演を務めている。彼の俳優としての多才さは、ホームランダーとはまったく異なるキャラクターを演じた数々の映画やドラマを見ても明らかだ。

その演技力で役柄に説得力を与えるがあまり同一視されているわけだが、『ザ・ボーイズ』は次のシーズン5で幕を下ろすことが決まっている。今後様々な役柄を演じていくことで、素のアントニーはホームランダーとは別人だと知ってもらえる日が来るだろうか。

『ザ・ボーイズ』シーズン1〜4はAmazon Prime Video(アマゾンプライム)で配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Rolling Stone