激安キャバクラでも頑張って働いていたみずえちゃん

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 大人の社交場・銀座のクラブにホステスとして勤めているみずえちゃんと申します。10年以上交流のあるお客様が先日お店へ遊びにいらっしゃいました。お互いおじさんとおばさんになったわけですが「あの頃は大変だったよね〜」と昔話ができる戦友を持つのは良いことですね。
 その傍ら、ライターとしても活動しており、これまでに私がお酌をさせていただいたおじさま方との実体験をもとに、夜遊びやモテに関する情報を発信をしています。

◆激安キャバクラでおじさんにお説教された話
 
 コロナパンデミック真っただ中でなかなか銀座に出勤できなかった頃、郊外の激安キャバクラに出勤していたことがあります。西武鉄道池袋線のとある駅から徒歩約1分、某牛丼チェーン店などが入居する雑居ビルにあり、いつもいい香りがしていたのを思い出します。

 セット料金は1セット(50分)がタックス&サービス料抜きで4,000円。お店でいただくお酒のほとんどがハウスボトルの鏡月でした。店内にはカラオケが設置されており、お客様は10枚つづりになっているカラオケチケットを1,000円で購入して、お気に入りの女の子に西野カナを歌わせたりしていました。

 そんなある日のこと。指名嬢のいるおじさんの席に、ヘルプ(指名されたキャバ嬢が他のお客様を接客している間、待っているお客様の席について会話やドリンク作りなどをする女性)としてつかせていただきました。その際に、私のとある余計な一言がきっかけでお客様を怒らせてしまったことがあります。わかりやすく“地雷”を踏みました……。

 今回は、激安キャバクラで私が出会った「お説教おじさん」についてお話したいと思います。
  
◆地雷ワードは「銀座から来ました」でした

 その日は、人気嬢のバースデーで、ほとんどの席が彼女のお客様でいっぱいでした。私は彼女のヘルプとして、おひとりで来店された男性の隣に着きました。

 スーツ姿のおそらく50代の彼は、ハウスボトルの鏡月を水割りで飲んでいらっしゃいました。シャンパンなどの抜きものが出ている席にかかりっきりになってなかなか帰ってこない指名嬢をちらちらと見ながら、煙草を吸ったり消したりしていました。

 指名している女の子が帰ってくるまでの間、場つなぎをするのが私のお仕事です。出身地や旅行先での出来事などを当たり障りのない話をして時間をつぶしていました。

「このお仕事は長いの? 前はどこにいたの?」と彼が聞くので「はい。大阪の北新地と、銀座で少しだけ」と答えました。どこで働こうと飲み屋の女なんて所詮飲み屋の女です。胸を張れることなんてひとつもないし、自慢する意図も当然ありません。ところが彼はみるみるうちに顔を真っ赤にして

「だから何だ!それは何だ?自慢か?バカにしているのか!」

 と、怒り出しました。さらに「都落ちしたつもりでいるんだろう」「銀座にいたからなんだ? そんな自慢話をしても惨めになるだけじゃないのか?」と続けました。

◆「将来どうするつもり?」とお説教スタート

 地雷を踏んでしまった私。さらにおじさんのお説教は続きます。

「こんな将来性の無い仕事をいつまで続けていくつもり?」

 と、畳みかけます。ちなみに、酔っぱらってお説教をするおじさんは結構います。全然珍しくありません。あなたも知らず知らずのうちに、若者にお説教をかましてオトナの対応をされていませんか? 気を付けましょう。

 おじさんはなぜ説教をするのかというと、常日頃我慢を強いられているからです。運よく女に生まれ、ちやほや甘やかされて生きているとあまりピンと来ないかもしれませんが、おじさんという生き物に対する世間の風当たりは相当キツイんです。上司に叱られ、後輩にバカにされ、妻に怒鳴られ、子どもたちには軽蔑され……こうして不平と不満をため込んでいるのがおじさんです。