味の素とライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムは6月6日、人々の暮らしを見つめ、そこから新商品を考案する「暮らしの素プロジェクト」を開始すると発表した。クラシコムの「北欧、暮らしの道具店」で培ったD2Cのノウハウと、味の素のブランド力や開発力を活かし協働することで、ターゲットとの強いつながりのある商品の企画開発を目指す。

今回のプロジェクトでは、味の素の商品開発リソースを活用し、クラシコムのプロセスに沿って商品の企画開発を行う。今月から協働でマーケティングを行い、出来上がった商品は「北欧、暮らしの道具店」などで販売する予定だ。

「北欧、暮らしの道具店」では、D2Cビジネスで蓄積したノウハウで、2014年から「BRAND SOLUTION(ブランドソリューション)」として、200以上のブランドのマーケティングを支援している。そのなかで、味の素とも2018年から商品のプロモーションを手掛けていた。

企画開発から検証まで一貫して推進



今回のプロジェクトより、その協業の範囲を拡大し、マーケティングプロジェクトとして、ターゲティングから商品の企画開発、その後の検証まで幅広く取り組んでいく。

味の素は、食品表示などのレギュレーションに関する監修を行い、社内公募でメンバーを募集する。またクラシコムは、デザイナーや商品の企画開発の担当者が加入し、クリエイティブディレクションを統率する予定だ。

本プロジェクトは、生活者とコミュニケーションを通じて密なつながりを持ち、商品の企画開発を手掛ける味の素の「Pond構想」の一環として開始したもので、同社は多角的な視点での企画開発技術の蓄積を目指している。

味の素の執行役常務の岡本達也氏は、「我々はマニュファクチャラーであり、商品開発の面で難儀している点がある。この点において、クラシコムのものづくりは素晴らしいため、我々もお客さまとさらなる絆を深め、新たな価値を提供できると期待している」とコメントしている。

一方、クラシコムは、これまでの広告事業で蓄積したノウハウをもとに、企業への支援領域の拡張を目指す。

同社の代表取締役社長の青木耕平氏は、「さまざまな企業と協働する中で、商品のプロモーションだけでなく、その前の段階の、何をすべきか、という段階から一緒に考えてほしいと思っていた。信頼できる企業と取り組みたいと思っていたところ、味の素と今回のプロジェクトを進めることができるのを嬉しく思う」と話している。

Written by 坂本凪沙