全国交通系ICカードを読み取る機械の更新費用は割高?

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熊本県内で路線バスや鉄道を運行する5社は、「Suica(スイカ)」「ICOCA(イコカ)」などの全国交通系ICカードによる決済を年内に廃止する方針だ。

5社の共同経営推進室の担当者はJ-CASTニュースBizの取材に、2025年3月に全国交通系ICカードを読み取る機械の更新費用として12億円が必要になると明かした。一方、クレジットカードのタッチ決済なら約7億円に抑えられると話す。

「不便をかけると思います」

5社は、九州産交バス、産交バス、熊本電気鉄道、熊本バス、熊本都市バス。現金での支払いのほか、地域限定のICカード「くまモンのICカード」は引き続き利用できるが、全国交通系ICカードでの支払いは2024年内に廃止する予定だと、担当者は話す。

クレジットカードのタッチ決済導入は、全国交通系ICカードのシステム更新が高コストなのに加え、インバウンド(訪日外国人)への対応なども理由だ。だが、担当者は「交通系ICカードの廃止は不便をかけると思います」と心境を明かした。

Suicaなどが使えないバス会社は、他にもある。茨城県内のバス会社「茨城交通」だ。同社の担当者によれば、全国交通系ICカードは元々使えず、現金支払いのほか、同社のICカード「いばっピ」が利用可能だった。

全国交通系ICカードを導入しなかった理由を、担当者はこう明かす。「基本的には導入費用などコスト面が大きいです」。他地域でも使えないバス会社は多いという。

茨城交通はQRコード決済も対応

別の理由もある。「いばっピ」を導入した2015年当時、茨城交通が実施する割引運賃サービスを全国交通系ICに設定するのが難しかったという。

同社では2024年2月から、決済手段の利便性を向上させるため、PayPayなどのQRコード決済とクレジットカードのタッチ決済を利用できるようにした。全国交通系ICカードが使えないと不便だという意見はあるが、ほかの決済サービスがあるならば問題ないという声も増えていると明かした。