他人を優先してばかりで心が疲れた人に染み込む「昭和の賢人」の言葉
生活していると、どうしても自分より他人を優先してしまうことがある。子育てをしていれば、自分が食べたかったものを子どもも欲しがったら与えてしまうことはあるだろうし、仕事をしていれば自分の意見よりも目上の人の意見を通さざるを得ないこともある。やりたかったことを、家庭状況や経済的な環境を理由に諦めてしまうこともある。
「自分を大切に」とはよく言われるが、考えてみると自分を大切にするのは結構難しい。しかし、他人を優先しすぎると、人はだんだんと消耗していくし、自分を好きでいられなくなっていく。
◾️「あなたはあなたのままですばらしい」
人が何と言おうと、自分を正しく守るのは自分である以上は、自分をしっかり守りなさい。
これは『またうっかり、自分を後回しにするところだった』(中村天風著、アスコム刊)で紹介されている中村天風氏のメッセージ。どんな人でも世界でたった一人の存在であり、そんな貴重な自分を守れるのは自分だけなのだから、自分を後回しにせずに、自分を第一に考えなさい、と伝える言葉だ。我を通す必要はない。ただ、誰かのために何かを我慢しているのなら、それをあたりまえにすることはない。
人によっては、自分のことを信じられないがゆえに他人を優先してしまう人もいるかもしれない。「自分なんて」と思っているから、いざという時に自分をアピールできなかったり、自分の意見を押し通せなかったりする。ただ、「あなたはあなたのままですばらしい」というのが天風氏の教えだ。他人を優先してもいいし、しなければいけない場面もある。ただ、「自分なんて」という気持ちから、他人に対して遠慮するべきではない。それでは自分があまりにもかわいそうだ。
◾️反射的に怒りをぶちまけることはなぜいけないのか?
「自分を大切にしていない」ということには「自分より他人を優先させてしまうこと」だけでなく「自分の心に生じるネガティブな感情に振り回されてしまうこと」も含まれる。
「怒りや恐れはいっぺんきりの貴重な人生をスポイルしてしまう」と天風氏は説く。嫌な上司や友達、家族に腹の立つことを言われ、そのことを忘れられなかったり、反射的に怒りをぶちまけてしまったりするのは、マイナスの感情に負けているのと同じこと。怒りをぶちまけてスッキリするのはその時だけで、後々「やめておけばよかった」と思うことは目に見えている。
もちろん、他人の理不尽に黙って耐えよ、ということではない。それはそれで自分を大切にしていない。感情に振り回されず、怒りに任せた反応をするのではなく、怒りを覚えてもその感情はそのまま出さずに、優しい言葉で諭したり、注意したりするのが自分を大切にする人の対応なのだ。
◇
本書では、松下幸之助や稲盛和夫などの実業家から大谷翔平などスポーツ選手の行動や思想に大きな影響を与えた中村天風氏の言葉が解説されている。
自分を労ってあげられていない人、自分が十分に報われていないと思う人、自信が持てない人、他人に譲ってばかりいる人、心が消耗していると感じている人は、本書の天風氏の言葉が心地よく染み込むはず。心の立て直しにもってこいの一冊だ。
(新刊JP編集部)
【関連記事】
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「怒り」に振り回されない人になるための「魔法のひとこと」とは?
「自分を大切に」とはよく言われるが、考えてみると自分を大切にするのは結構難しい。しかし、他人を優先しすぎると、人はだんだんと消耗していくし、自分を好きでいられなくなっていく。
人が何と言おうと、自分を正しく守るのは自分である以上は、自分をしっかり守りなさい。
これは『またうっかり、自分を後回しにするところだった』(中村天風著、アスコム刊)で紹介されている中村天風氏のメッセージ。どんな人でも世界でたった一人の存在であり、そんな貴重な自分を守れるのは自分だけなのだから、自分を後回しにせずに、自分を第一に考えなさい、と伝える言葉だ。我を通す必要はない。ただ、誰かのために何かを我慢しているのなら、それをあたりまえにすることはない。
人によっては、自分のことを信じられないがゆえに他人を優先してしまう人もいるかもしれない。「自分なんて」と思っているから、いざという時に自分をアピールできなかったり、自分の意見を押し通せなかったりする。ただ、「あなたはあなたのままですばらしい」というのが天風氏の教えだ。他人を優先してもいいし、しなければいけない場面もある。ただ、「自分なんて」という気持ちから、他人に対して遠慮するべきではない。それでは自分があまりにもかわいそうだ。
◾️反射的に怒りをぶちまけることはなぜいけないのか?
「自分を大切にしていない」ということには「自分より他人を優先させてしまうこと」だけでなく「自分の心に生じるネガティブな感情に振り回されてしまうこと」も含まれる。
「怒りや恐れはいっぺんきりの貴重な人生をスポイルしてしまう」と天風氏は説く。嫌な上司や友達、家族に腹の立つことを言われ、そのことを忘れられなかったり、反射的に怒りをぶちまけてしまったりするのは、マイナスの感情に負けているのと同じこと。怒りをぶちまけてスッキリするのはその時だけで、後々「やめておけばよかった」と思うことは目に見えている。
もちろん、他人の理不尽に黙って耐えよ、ということではない。それはそれで自分を大切にしていない。感情に振り回されず、怒りに任せた反応をするのではなく、怒りを覚えてもその感情はそのまま出さずに、優しい言葉で諭したり、注意したりするのが自分を大切にする人の対応なのだ。
◇
本書では、松下幸之助や稲盛和夫などの実業家から大谷翔平などスポーツ選手の行動や思想に大きな影響を与えた中村天風氏の言葉が解説されている。
自分を労ってあげられていない人、自分が十分に報われていないと思う人、自信が持てない人、他人に譲ってばかりいる人、心が消耗していると感じている人は、本書の天風氏の言葉が心地よく染み込むはず。心の立て直しにもってこいの一冊だ。
(新刊JP編集部)
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