『羅家 東京豚饅』(公式ホームページより)

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 新宿駅に異変が起きている。4月17日にエキナカ施設・EATo LUMINE(イイトルミネ)がオープン。それと同時に改札内の施設入り口付近に、長い長い行列ができたのだ。豚まん専門店『羅家 東京豚饅』に並ぶ人々の列だ。なぜオープンしたての店に? それはこの店が、あの『551蓬莱』創業者の孫が手がけた店だからだ。

【写真】“ジェネリック551蓬莱”の店舗前にできた長蛇の列

《ジェネリックどころじゃない、完コピ》

『551蓬莱』は、大阪・難波に本店を構える超人気店。大阪を中心に京都、神戸など関西地方に全61店舗あり、“大阪のソウルフード”とも呼ばれる豚まんが特に有名だ。ゴールデンウイークには、その豚まんを旅の土産とすべく、駅の行列に加わった人も多いだろう。玉ねぎの甘さと肉のうまみが際立つ餡、しっとりむっちりとした皮。関西を代表する味わいが東京、しかも新宿駅構内で買えてしまうとは! さっそく記者もその列に加わってみた。

 平日16時、すでに50組ほどの客が並んでいた。若い女性客がやや多めだが、男性客も3割くらいで年代は幅広い。50分ほど並んで売り場の前にたどり着く。レジで売れ筋商品を尋ねると、やはり一番人気は『豚饅』で、すぐに食べられる個装のタイプ、箱入り商品ともによく出ているそう。“せっかく行列したし”という思いからか、さらに日持ちのするチルドタイプを併せて購入する人も。値段は『551』が1個230円なのに対して1個300円。少し高めだが、その味わいは……記者にはかなり“551み”があるように感じた。

 ネット上では、

《ジェネリックどころじゃない、完コピ》
《関西人プライドで食してみたが、悔しいけど味の違いが分からなかった》

 といった、本家に似ていて驚く声や、

《東京豚饅うますぎ。もう大阪に行かなくてもいい》

 という“本家超え”の絶賛まで。

《幼少期から創業者と共に暮らし、(中略)ネタ(皮)の発酵、カヤク(餡)の配合など、創業者である羅邦強が考案したレシピを再現した完全無添加の豚まんが、この『東京豚饅』です》(公式ホームページより)

 そりゃあ似てるわけだ。多少お高かろうが、551風のできたてが東京で食べられるならうれしい。うれしくないのは、あの長蛇の列だが……。

電話番号の末尾が551

 実は2021年に恵比寿本店が、昨年11月には自由が丘店がすでにオープンしている。恵比寿本店では、できたての熱々を冷たい台湾ビールと共に楽しめるイートインスペースも併設していて、恵比寿の住民によると行列がないタイミングもあるという。オープン初日には行列1時間超え、現在も平均60〜70組、50〜60分待ちである新宿店と比べると、こちらが狙い目かもしれない。ちなみに東京の3店舗すべて、電話番号の末尾が551となっているのが面白い。

 なお、編集部まで持ち帰る道中、あの「スメハラ」「飯テロ」といわれる特有の“551臭”が少ないように感じた。新幹線の中で肩身を狭くするにおいがないとすれば電車で移動する東京の民にはありがたい話だ。新・東京土産の定番として、今後もぜひ勢力を拡大していってほしい。