IntelハイエンドCPUを搭載したPCで頻繁にゲームがクラッシュした問題の原因はマザーボードにあり
IntelのCore i9およびCore i7プロセッサーを使用中のPCユーザーが「一部のゲームでクラッシュが発生する」と報告した件で、原因が「オーバークロックを無理に行うマザーボード」にあることがIntelの調査報告書から判明したと伝えられました。
Intel releases the “13th and 14th Generation K SKU Processor Instability Issue Update” | igor´sLAB
Motherboard makers apparently to blame for high-end Intel Core i9 CPU failures | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2024/04/intel-reportedly-blames-motherboard-makers-for-core-i9-cpu-crashes/
2024年初頭から数カ月にわたり、IntelのCore i9-13900KとCore i9-14900Kを使用しているユーザーから「ゲームが頻繁にクラッシュする」との報告が相次ぎました。
報告では「Fortnite」のような比較的負荷の低いゲームをはじめ、「ホグワーツ・レガシー」「Remnant 2」「Horizon: Zero Dawn」など高グラフィックかつ高負荷な複数のゲームがクラッシュしたと伝えられていて、原因はプロセッサの電力消費にあるのではとの推測がなされていました。また「ホグワーツ・レガシー」や「Remnant 2」などはEpic Gamesの「Unreal Engine」を使用していたことから、Unreal Engineに問題がある可能性も指摘されていたとのこと。
Intelは2024年4月初旬時点で問題を認識し、「調査中」と述べていました。
一方でEpic Gamesや他の開発者のサポート文書では「プロセッサの電源設定」が原因であることが示唆されており、ユーザーはBIOS設定を変更するか、IntelのExtreme Tuning Utilityのようなツールを使って手動でプロセッサの速度を制限することが推奨されていて、CPUオーバークロックに関連するマザーボードの「SVID Behavior」の設定を「Intel Fail Safe」に変更するよう呼びかけられていました。
4月下旬、この問題に対するIntelの調査が終了しつつあることがテクノロジー系メディアのIgor's Labから伝えられ、ついに原因が判明したとPCユーザー沸き立ちました。
Igor's Labが入手したIntelの声明によると、Intelの一部CPUがクラッシュした問題の根本の原因はまだ特定されていないものの、該当するユーザーのほとんどは「オーバークロック対応のマザーボード」を使用していたことが判明しているとのこと。さらに、一部のマザーボードがIntelの推奨するオーバークロック設定を無視し、必要以上に性能を上げようとする仕組みを採用していることがわかっており、Intelはこうした設定が原因ではないかと推測しているとのことです。
Intelはマザーボードメーカー各社に対し、オーバークロック設定にIntel推奨のデフォルト値を使用するよう求め、必要なBIOSアップデートをリリースするよう求めました。また、本件に関する公式声明を2024年5月中に発表するとも伝えました。