酒井大成&樋口幸平、『キングオージャーVSドンブラザーズ』で味わう「何だこれは?」の世界観 全員死亡に「驚きはなかった」
スーパー戦隊「VSシリーズ」最新作として、「王様戦隊キングオージャー」「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」がコラボレーションするVシネクスト『キングオージャーVSドンブラザーズ』。両作品でレッドを演じた酒井大成(ギラ・ハスティー/クワガタオージャー役)と樋口幸平(ドンモモタロウ/桃井タロウ役)がインタビューに応じ、テイストが異なる両戦隊の共演、二人の後輩でもある最新作「爆上戦隊ブンブンジャー」の感想を語った。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
スーパー戦隊から離れたことでの変化
Q:(酒井さんへ)座長として「キングオージャー」テレビシリーズを完走した心境を教えてください。
酒井大成(以降、酒井):この1年間、本編の撮影以外でも、アフレコやイベントで、本当にいろんな方と出会い、支えていただきました。だからこそ、こうしてやり遂げることができたということをすごく感じています。
Q:宇蟲王ダグデドとの最終決戦を描いた最終三話(第48話〜第50話)は、映画級のスケールだとSNS上で話題になりました。
酒井:あんなに映画っぽくなるとは、思ってもいなくて……。スタッフさんとキャストのみんなが一丸となったからこそ、いいものが作れたんだと思います。まさに努力の結晶です。
Q:(樋口さんへ)「ドンブラザーズ」放送終了から1年が経ちましたが、役者としての変化はありますか?
樋口幸平(以降、樋口):スーパー戦隊に出演していた期間は、主演作で抱えるプレッシャーがある中で、その作品を中心に仕事に向き合っていました。「ドンブラザーズ」が終わった今も、新しい役、新しい作品にチャレンジし続けています。これから先、いろんな経験をしていくと思いますが、やはり「ドンブラザーズ」は自分の一番深くにある作品ですし、現役の特撮ヒーローを演じている方々を、より客観視できるようになりました。これから先も「ドンブラザーズ」が原点であることに変わりはないですし、またいつか帰ってこられるように頑張りたいです。
死ぬことに関して何一つ驚きはない
Q:『キングオージャーVSドンブラザーズ』は、両スーパー戦隊のメンバーが死の国ハーカバーカで対立する展開が、上映前から話題になっています。台本を読んだ時、お二人は本作のストーリーにどのような感想を抱きましたか?
酒井:僕らはファンタジー寄り、「ドンブラザーズ」は現実寄りという設定こそあると思いますが、そこまで違いがあるとは思っていませんし、キャラクターの個性とかもお互いに強烈です。台本を読んだ時は……「何だこれは?」と思いました(笑)。でも、意外とすんなり作品の世界観に入ることができました。
樋口:「何だこれは?」が「ドンブラザーズ」の良さでもあるので、台本を読んで、久しぶりにその感覚を味わうことができました。「キングオージャー」のみなさんにも、「ドンブラザーズ」の「何だこれは?」に浸っていただけたと思いますし、僕たち「ドンブラザーズ」は「キングオージャー」のかっこよさだったり、異色の部分に触れることができて、すごくよかったです。マッチしないと思ってたものが、いざやってみると、すごくマッチしたのではないかと感じています。
Q:キングオージャー&ドンブラザーズが全員死亡してしまう導入も異色ですよね。
酒井:各キャラクターの死に方は、かなりブッ飛んでいます(笑)。
樋口:僕は死に慣れているので……(笑)。「ドンブラザーズ」で8回ぐらい死んでいたかと思います。なので、死ぬことに関して何一つ驚きはなかったです。
Q:せっかくの機会ですので、お互いに聞いてみたいことはありますか?
樋口:(酒井へ)1年間通して「これは身になった!」って思うことは?
酒井:1年間スーパー戦隊の撮影に向き合い続けると、全ジャンルのお仕事ができるんです。芝居やアフレコはもちろん、バラエティーにも出演できるので、それらを一度に経験できたのはすごく貴重でした。特にアフレコは、芝居やスーツアクターさんの動作に合わせて、その場のひらめきで声を当てなければならず、最初は本当に難しかったのですが、気付いたらできるようになってきて。まだまだ途中ですが、そこは成長した部分なのかなと思います。
樋口:僕もアフレコは大変でした。ダメダメすぎて、撮影所を走ったエピソードもあります(笑)。
酒井:(樋口へ)桃井タロウは声も個性的だけど、それはどうやって役づくりしたの?
樋口:タロウがなぜああなったのか、僕自身もよくわかっていないのですが、監督に「こうした方がいいんじゃない?」と言われて声を出したら、自然と構築されていった気がします。なので、第1話と第50話でタロウのキャラが変わってるんですよ。でも、それが面白いんです。第1話のタロウは、自分自身がまだ出来上がってないからすごくニコニコしてたのに、OKが出ていました。その後、第50話で記憶がなくなり、第1話のタロウに戻ると、ラストシーンはニコッとして「縁ができたな」で終わるんです。自分と役が上手くつながったといいますか、全てが第50話にして完結した作品になったと思います。
「キョウリュウジャー」の絆が垣間見られた
Q:(酒井さんへ)『キングオージャーVSドンブラザーズ』と2本立てで上映される『キングオージャーVSキョウリュウジャー』についてもお伺いします。同作ではギラが宇蟲王として登場しますが、役づくりはいかがでしたか?
酒井:ある日、脚本家の高野水登さんに「大成は今後どんな役をやりたい?」と聞いていただいた時、僕がチラッとしてみたい役についてお話してみたんです。たかみなさんは僕たちの意見を尊重してくださる方なので、それが本当になったのかもしれないと思いました(笑)。役づくりも大変でした。真の邪悪な部分をどうしたら見せられるのか、うまく表現できたかはわかりませんが、そこを意識しながら宇蟲王ギラを演じています。
Q:「キョウリュウジャー」のオリジナルキャストも再集結を果たしました。竜星涼さんをはじめ、先輩キャストとの共演はいかがでしたか?
酒井:「キョウリュウジャー」の方々が揃って変身するシーンがあったのですが、一発でOKが出ていたんです。10年経ってもピッタリ揃うことがすごくて、「僕たちも10年後はそうなっているのかな?」とか想像したりしました。「キョウリュウジャー」の絆が垣間見られて、すごく楽しかったです。
Q:最後に、お二人の後輩でもある「爆上戦隊ブンブンジャー」(テレビ朝日系・毎週日曜午前9時30分〜)の感想もお聞かせください。
酒井:スーパー戦隊のかっこよさが、第1話を観た時に伝わってきました。僕が幼少期に観ていた「忍風戦隊ハリケンジャー」「特捜戦隊デカレンジャー」のような、王道な主人公が引っ張っていくような展開が観られると思って期待しています!
樋口:「キングオージャー」の放送が始まった時、僕らも「王道なスーパー戦隊」と言っていましたよね。(「ブンブンジャー」も)かっこいいですよね。僕たちにはない色だから、観ながら「ここ、かっこいいな!」と思っちゃいました。
酒井:ブンブンチェンジの最後で顔にマスクが装着される演出、めっちゃくちゃかっこいいですよね! 僕たちは(琥珀に包まれて)一気に変身するので、あの演出にすごく憧れています。
Vシネクスト2本立て『キングオージャーVSドンブラザーズ』『キングオージャーVSキョウリュウジャー』は4月26日より新宿バルト9ほか期間限定上映/Blu-ray&DVDは10月9日発売
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