Googleが放射線科医向けに画像診断・病歴チェック・論文検索が可能なAIシステムをバイエルと提携して構築
Google Cloudが医薬品メーカーのバイエルと提携し、放射線科医向けのAI搭載ヘルスケアアプリケーションを開発することが明らかになりました。主に医療データの約90%を占めるとされる画像データの分析が行われる予定で、患者の画像を以前の画像と比較したり、画像内の異常にフラグを立てて関連する医療情報を提示したりすることが可能になります。
Bayer and Google Cloud to accelerate development of AI-powered healthcare applications for radiologists
#TeamBayer is dedicated to providing impactful #AI solutions to help radiologists reduce workload and provide accurate diagnoses. We’re excited to announce our partnership with @googlecloud to accelerate the power of AI and better serve patient diagnoses. https://t.co/p5tBMQrfbL— Bayer AG (@Bayer) April 9, 2024
Google partners with Bayer on new AI product for radiologists
https://www.cnbc.com/2024/04/09/google-partners-with-bayer-on-new-ai-product-for-radiologists.html
2024年4月9日、Google Cloudとバイエルが放射線科医を支援するAIソリューションの協議を行ったことを発表しました。今後両社は提携し、生成AIに基づくツールを含むGoogle Cloudの技術を活用して、最終的に患者の利益につながる画期的でインパクトのあるソリューションの開発を加速できるよう支援するとのことです。
バイエルいわく、放射線科医やその他の臨床医は毎日のように膨大な仕事を受け持っており、そのために燃え尽き症候群に直面しているとのこと。こうした医療関係者の負担を軽減するため、反復的な作業や、膨大なデータセットに対する洞察の提示をAIに任せる試みがスタートします。
この取り組みでは、放射線科では欠かせない医療画像データがAIにより分析される予定とされています。Google Cloudのトーマス・クリアンCEOが語ったところによると、画像の異常にAIがフラグを立てて患者の病歴に基づいた関連情報を提示するほか、定期検診に訪れた患者の画像をAIが過去の画像と比較し、その情報を要約するといったことができるようになるそうです。
こうしたプラットフォームはGoogle Cloud上に構築され、Vertex AI、BigQuery、Healthcare API、Chronicleなどのツールが使用される予定。テスト用の最初のバージョンがEUとアメリカで2024年後半に利用可能になる予定です。
クリアンCEOは「AI導入の目的は、放射線科医に必要な情報を簡単に提供し、患者記録の検索に15〜20分を費やす手間を省くことです」と語りました。
また、バイエルの放射線科担当プレジデントであるネルソン・アンブロジオ氏は「放射線科は医療において重要な役割を担っており、患者の転帰を改善できるような洞察を効率的かつ正確に明らかにする必要性はかつてないほど高まっています。バイエルは放射線学において何十年にもわたり研究と革新に貢献してきた伝統があります。Google Cloudとのコラボレーションを通じて、増え続けるデータを価値あるインパクトのある洞察に変換し、放射線科医の時間を節約しながら、最終的には患者の利益のためになるソリューションの構築を支援します」と述べました。