「電子体温計」の寿命は何年なの? どんなときに買い替える? テルモに聞く
体調不良のときに欠かせないのが「電子体温計」です。体温を測ることで、医療機関を受診すべきかどうかの目安となります。電子体温計は電池の消耗や経年劣化などが原因で使えなくなることがあるため、いつでもすぐに使えるように、定期的に製品の状態を確認しておくとよいかもしれません。
ところで、電子体温計は、何年程度使用できるのでしょうか。どのような不具合が出たときに買い替えを検討したらよいのでしょうか。電子体温計や血圧計などの製造、販売を手掛ける、テルモ(東京都渋谷区)の担当者に聞きました。
耐用年数は5年
Q.電子体温計の耐用年数について、教えてください。
担当者「当社の電子体温計の場合、耐用年数は4年半または5年です。電池が交換可能な機種や水で丸洗いが可能な機種のほか、医療機関での使用を想定し、アルコール消毒に対応した機種などがあります。耐用年数は製品によって異なるため、各製品の取扱説明書や電子添文でご確認いただきたいと思います」
Q.耐用年数が過ぎた電子体温計を使い続けた場合、どのようなデメリットが生じる可能性があるのでしょうか。耐用年数をどの程度過ぎると、使用できなくなるのでしょうか。
担当者「耐用年数を過ぎても、電子体温計の性能がすぐに低下するわけではありません。ただ、耐用年数を過ぎた体温計は外装が破損していたり、先端の測温部や内部の電子部品などが劣化していることがあるため、そのまま使い続けると、起動しなかったり、体温を正しく測定できなかったりする可能性があります。耐用年数が過ぎる前に買い替えを検討いただくことをお勧めします。
ご不明な点や点検などのアフターサービスもお受けしておりますので、当社のウェブサイトやコールセンターもご活用いただければと思います」
Q.耐用年数以外で、電子体温計の買い替えを判断する目安について、教えてください。
担当者「『測定時にエラー表示が多発する』『正しい表示が出ない』など、以前とは異なる動作が繰り返し起きるようになった場合は、故障の可能性が考えられるため、買い替えの検討をお勧めします。
また、本体が部分的に破損した場合はすぐに買い替えをすることをお勧めします。本体が破損した体温計を使い続けていると、水分やごみなどが体温計内部に入り、本体が正しく機能しなくなる可能性があります」
Q.電子体温計を保管する際の注意点はありますか。
担当者「直射日光が当たる場所や高温多湿の場所で保管すると、製品が劣化するため注意が必要です。また、落下などの衝撃が加わると、体温計の先端の測温部が破損する恐れがあり、体温が正確に測れなくなる原因となります。
電池交換できない体温計の保管時は必ず付属のケースに入れてください。電池が消耗して使用できなくなります。製品によって使用上の注意点が異なるため、詳細は取扱説明書でご確認ください」
Q.電子体温計は、脇の下に入れて使うのが一般的だと思います。脇の下に入れるのではなく、口にくわえた状態で体温を測ることは可能なのでしょうか。
担当者「電子体温計には、脇の下に入れた状態で測るタイプの製品のほかに、口で体温を測るタイプの製品があります。脇の下で体温を測るタイプの機種を口にくわえても、体温を正しく測ることができません。
同様に、口で体温を測るタイプの機種を脇の下に入れても、正確な体温が測定されないため、ご注意いただきたいと思います。当社の場合、商品パッケージに『ワキ下用』『口中用』と表示しているため、購入時にご確認ください。
先述のように、体温計にはさまざまなタイプの製品があります。ぜひご自身の使用用途に合った体温計を選んでみてください」