体験してわかったApple Vision Proの魅力【最新ヒット商品&流行モノ頂上決戦】

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【最新ヒット商品&流行モノ頂上決戦】

アップルから、MacやiPhone、iPadに続く新たなデバイス「Vision Pro」が、アメリカで2月2日に発売された。Vision Proは何ができるのか? 日本円で約50万円で手に入れる価値があるのか? 同機をさっそく入手したITジャーナリストの西田宗千佳氏に話を聞いた。

*  *  *

Vision Proを初めて使うと「さすがアップルだな」と思わせられた。視線トラッキングのチューニングが終わったら、いよいよVision Proが創り出す“3Dの世界”へ入っていける。基本操作は視線移動と2本の指を弾く動作で行う。その3Dバーチャルの世界で何ができるかと言えば、PCやiPhoneなどと同じことができる。Webブラウザや地図アプリを起ち上げ、メールアプリなどで文章を書きながら、音楽を聞ける。同機をアメリカで購入し、いち早く体験しているITジャーナリストの西田宗千佳氏は、次のように語る。

「既にいくつもの原稿をVision Proで書いています。これまでもVRやARのヘッドマウントディスプレイ機がありましたが、PCのようにマルチタスクが可能で、なおかつその完成度が非常に高い点が、それらとの決定的な違いです」

Webブラウジングや原稿が書けるだけでなく、もちろんYouTubeも映画も視聴可能だ。例えば同機で3D映画『Avatar』を見させてもらった。その迫力が半端ない。これまで長くAV機器の取材をしてきた西田さんも高く評価する。

「2Dコンテンツの視聴でも、高価なプロジェクターやスクーンで映画を観るのと同等です。さらに3Dの映画であれば、映画館で見るよりもクオリティが高いと断言できます」

ひとりで観るのなら、自宅にホームシアター環境を整えるより、同機の方が高い映像体験が可能かもしれない。さらに、その高い映像品質で、全ての“世界”は創られている。例えば同機は、ユーザーが今いる場所を背景にすることも、PCで壁紙にあたるような映像に切り替えることもできる。その壁紙を、山の上から峰々を見下ろす映像にスイッチすると…異なる空間へ移ったと感じている自分がいた。しかもその空間で、Webブラウザや地図アプリを起ち上げ、メールアプリなどで文章を書きながら、音楽も聞けるのだ。

要は普段PCで行っていることと同じなのだが、実世界では、机上の前後左右や天井にいくつものディスプレイを並べるのは難しい。一方、このバーチャルな空間であれば容易だ。

「そうした“広く自由度の高い空間”を、狭い自宅の部屋でも、オフィスやカフェでもVision Proを持っていけば“創れる”のです」

15分ほど使った後、初めてPCやiPhoneを手にした時のことや、初めて自転車や車に乗った時のことを思い出した。そんな可能性を感じさせる、同機の国内発売が待ち遠しい。

ITジャーナリスト/西田宗千佳さん
フリージャーナリスト。PC、オーディオ&ビジュアルなどを得意ジャンルとし、取材記事と個人向け解説記事を手がける。新聞、雑誌、WEBなど幅広く活躍。『生成AIの核心「新しい知」といかに向き合うか』(NHK出版新書)など、著書多数

 

<NEXT HIT>

アップル
「Vision Pro」(3499ドル ※約52万7000円)

MacやiPhone、iPadに続く新たなデバイス。それらと同じく動画や音楽が楽しめ、仕事に役立つアプリが3D空間で使える。

▲こめかみに位置する内蔵スピーカーから、迫力の立体音響が響く。Apple LosslessやDolby Atmosにも対応

▲眼鏡との併用は不可だが、コンタクトレンズは可。また内部に装着する自身に合ったインサートレンズをオーダーできる

▲本体の重さは600〜650g。太めのストラップで本体と顔がしっかりと密着し、重さを感じさせない

▲本体右のボタンを押すと、ホーム画面に戻り、インストールされたアプリアイコンがずらりと並ぶ

 

■Apple Vision Proココが凄い!

既にiPhoneやiPadでお馴染みのアプリが使えるほか、Vision Proに特化した3D対応のアプリも開発され、順次使えるようになるだろう。

ユーザーの手の位置が正確に映し出される。実世界に在るキーボードでタイピングしたりコップを取ったり、テーブルの角を避けたりできる。

様々なアプリを同時に起動して、自由にバーチャル空間に配置できる。実世界の空間の限界から開放されるため、仕事もはかどる。

3D表現と、手や指の認識能力が高い。自分の指でバーチャルのブロック玩具をつまんで積み上げていくのも容易だ。

※2024年3月6日発売「GoodsPress」4月号18-19ページの記事をもとに構成しています

>> 特集【最新ヒット商品&流行モノ頂上決戦】

<取材・文/河原塚英信 写真/湯浅立志(Y2)>

 

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