AI時代に大切な「探求学習」とは何か?
2月22日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、特集コーナーのテーマは「探求学習」。渋谷区が4月から、区立のすべての小中学校で探求学習の時間を大幅に増やすということがニュースとなった。探求学習とは生徒自らが問題を設定し、解決のために情報を収集、分析する時間のことだが、どういった意味があるのか。さらにこれからの教育はどうあるべきかなど、語り合った。
西川あやの「これだけネットが発達していると、計算や情報を調べるのってコンピューターでいいよね、得たものを社会でどう活かすかが重要なんだ、というところで、まず疑問・関心を自分たちで集める。それを追求して分析する。それを人にどう伝えるか、どう発表するか、ということを(探求学習は)生徒たちの主体性に委ねているみたいです」
入山章栄「この感覚、すごくわかって。まさに普段、経営学者として僕が言っていることです。よく言われますが、これから必要な能力って3つあって、すべて探求学習なんです。ビジネスをやる人も、西川さんや中田さんの世代から、さらにそうなんですけど、単純に『答えはもうある』時代なんですね。特にこれからはAIが出てくる。AIは我々の何万倍も賢い。『1+1=2』みたいなことは全部計算してくれるわけです」
西川「はい」
入山「(1点目として)大事なのは答えを解く力じゃなくて、自分で問いを立てる力なんです。これって何だろう、と考えることが重要で。2点目は立てた問いで自分が見つけたこと、考えたことを相手に伝える力。まさにソフトスキルですね。これもすごく重要で、なぜかというと、AIが出てくるとみんな同じこと言うでしょう?」
西川「はい」
入山「僕もよく言うんですけど、何を言ったかよりも誰が言ったかが大事な時代になるんです。たとえば中田(花奈)さんと別の若い女性がいて、中田さんが麻雀のこと話すのと、その女性が話すのとでは、中田さんの言うほうが説得力が違う可能性もある。中田さんというブランドがある、伝え方が上手ければそれが加速する。
3点目、結局ほとんどの便利系の仕事はAIがやってくれるので、これから価値を出す仕事はみんなが『好きなことをやる』っていうことなんです。でも結構、僕も上の世代の人たちも、好きなことってあまり考えたことない。上から仕事が降ってくるのをやらされている世代だから。これからは自分がやりたいことを追求していくのが仕事の価値を出すことになってくるので、まさに探求ですよね」
西川「社会人になってからやらなきゃいけないことに直結する学びだなと思います。石川さん(事前にインタビューした、石川教育研究所の石川幸夫さん)が例としておっしゃっていたのが、いわゆる詰め込み教育、私たちのように知識を憶える時代だと、『1192(いい国)つくろう鎌倉幕府』、年号も憶えて、こういうことがあった……という事実を暗記していた。それが鎌倉幕府の背景(を探る)、入山さんがおっしゃったように『問いを立てる』、このときどういう気持ちだったんだろう、どういうきっかけだったんだろう(と考える)、という思考力や探求心を芽生えさせる。そのためのやり方らしいですね。でも『なんでもいいと』言われると……」
中田花奈「どう授業を進めていくんだろう、と思っちゃいますね」
西川「学校の先生は大変そうだな、と思いました。委ねられる部分があるので」