甲府の篠田善之監督【写真:2024 Asian Football Confederation (AFC)】

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ACLベスト16敗退も…初参戦の甲府・篠田監督が大会を総括

 ヴァンフォーレ甲府は2月21日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16の第2戦を国立競技場で行い、韓国の蔚山現代に1-2で敗れた。

 J2クラブとしてACL初得点、ACL初勝利、ACL初のグループステージ突破と、歴史を作ってきた甲府だったが、Kリーグ王者には2試合で1-5と力の差を見せられる形になった。

 試合後の記者会見で篠田善之監督は、蔚山の強さについて「今までのグループリーグの相手とは、また違ったうまさと速さ、強さというのを選手たちも私自身も第1戦からすごく感じました。少し前がかりになりすぎて剥がされてしまうところは、チームとして成熟差がありませんでした。彼らはうしろからボールを運ぶのがうまかったので、もしかしたらブロックを敷くとかいろんなやり方があったかもしれませんが、自分の中では奪いに行く姿勢を見せたかったので、選手たちには『タイミングを見て行こう』とやってもらいました。ただ、質の高い選手が揃っていて、スピードがあってというのは、今までとは本当に違ったチームだったと思いました」と、自身の見解を語った。

 グループステージ6試合を勝ち抜き、ラウンド16の2試合を戦った甲府。この日も、そんな甲府の戦いを見に平日の国立競技場に1万5000人を超える観衆が集まった。

 篠田監督は「ACLに出場することで、誰しも『ヴァンフォーレが敗退するだろう』、『勝てない』、『1勝もできないんじゃないか』という思いはあったと思います。選手たちがそれを覆したのは、本当に素晴らしい働きだったと思います。私自身も本当に誇りに思います。ただ、ヴァンフォーレの選手たちのなかには、もっと力を出せる選手もいるでしょう。いろんなクラブの状況もあるかもしれませんが、本当にひたむきさを前面に出しながら、まとまって戦う姿勢は、アジアでどの戦いも彼らは見せられたと思います。そういった部分は本当に私も誇りに思っています」と、ここまで戦い抜いた選手たちを称賛した。(河合 拓 / Taku Kawai)