新型コロナやウクライナ戦争、パレスチナ危機、能登半島地震など次から次へ危機が起きている。2月20日の「大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)」では、「危機のいま古典を読む」の著者で評論家の与那覇潤さんに古典が教えてくれることについて伺った。

大竹「なぜ古典がそれほど大事だとお考えになるようになったんですか?」

与那覇「今の時代に一番欠けているものって安心だと思っているんですよ。コロナだったり、ウクライナ戦争だったり、パレスチナ危機だったり、どんどん新しいニュースがきて、色んなメディアが『史上初です』とか『こんなこと初めて!』『大変!』というふうに発信すると、他の人に対して自分のメッセージを伝えたいんだっていう熱い気持ちを持っている人ほど不安を煽っちゃいがちだと思うんですよね」

小島慶子「良かれと思って…」

与那覇「不安を煽っちゃう。コロナだったら『40万人死ぬかも!』、ウクライナだったら『このままいったら中国も台湾を攻め込みますよ!』だとか、あるいは、この前の地震だったら『絶対に今回も原発事故が起きます!』みたいに言っちゃう。それってマズイんじゃないかと思ったんですよね。確かに今、色んな事が大変である。新しいことも起きているんだけど、それについて考える手掛かりは僕たちのもとにきっとあるんだ。それが人を初めて安心させることができて、新しい危機にも適切な形で対応できるようになるんじゃないか。それで今回『危機の今だからこそ、古典を読む』というようなタイトルでまとめさせていただいたんです」