早くも注目されるネリ戦後 井上尚弥の“フェザー封印”が「賢明」される理由とは?「あまりに偉大であるために」

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いまも敵なしの強さを誇る井上。彼の強さには賛辞が集まり続けている。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 日本が生んだ“モンスター”に対する関心度は高まる一方だ。“悪童”ルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦の正式決定が近づく、ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)だ。

 来る5月6日に東京ドームで、元世界2階級王者で、WBCの指名挑戦者となったネリと対戦が決定的となっている井上。「モンスター」の行く末に期待が高まるなか、早くも“次戦以降”にも注目が集まっている。

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 米専門サイト『Boxing247』は、井上が米老舗専門誌『The Ring』のインタビューで「今年は3試合をする予定です。この3試合はスーパーバンタム級で行われると確信している」と言ったコメントを引用。早期転級を避ける方針を「賢明だ」と評した。

 もっとも、井上はかねてからスーパーバンタム級を「ベスト」と明言。昨年12月のマーロン・タパレス戦後には「今の適正階級はスーパーバンタム級だと思っているので、来年、再来年とまたこの階級でもっと強い姿を見せられるように精進していきたい」と年内は同階級で地位向上に努める方針を明らかにしてきた。

 そんな偉才の確固たる決意を受け、『Boxing247』も現階級残留を支持した。

「階級上げを急ぎすぎないのは賢明だと言える。一部のファン、とくに彼のアンチはイノウエが負けるのを見たがっているように見える。元ライトフライ級王者(の井上)に、ガーボンタ・デービス(WBA世界ライト級王者)のような選手との対戦を求めているからだ。ただ、幸いなことに、そのような愚かで、ありそうもない対戦話は、すべて消え去った」

 周囲のムードにも流されない井上の自己分析力を評価する同メディアは「自分にとってベストなことをするだけだ」とも絶賛。一方で「イノウエはあまりに偉大であるがために、ネリと戦った後、自身にふさわしいスーパーバンタム級の相手をあと2人も見つけるのは難しいかもしれない」と、敵なしがゆえにスーパーバンタム級で“限界”を迎える可能性も指摘している。

 偉大過ぎるために敵がいない――。ボクシングの本場でここまで言わしめる井上は、やはり末恐ろしい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]