春節(旧正月)で日本へ インバウンド人気の都道府県5位「岐阜県」のなぜ 担当者が明かした秘策は
中国などアジアの国々では春節(旧正月)を迎えた。今年(2024年)の春節元旦は2月10日で、アジアの各国・地域では連休となるなど、訪日客が押し寄せてきている。
そんな中、オプショナルツアー予約サイトを運営するKKDAY JAPAN(KKday)が発表した「2024年春節 インバウンドに人気の都道府県ランキング」によると、1位が東京都、2位が大阪府、3位が北海道、4位が京都府、そして5位には岐阜県がランク入りした。
岐阜県といえば、世界遺産の白川郷や飛騨高山、岐阜城、下呂温泉などの観光地で知られるが、それにしても外国人観光客にとっての人気上位にくるのは、なぜだろう。
岐阜県庁はJ-CASTニュースBiz編集部の取材に、「SNSや動画を使ったデジタルマーケティングに早くから着手していたことが功を奏しました」と打ち明ける。
岐阜県の予約数、昨年との比較で200%以上増
この調査は、世界のユーザーが利用する体験予約サイト「KKday」の予約データをもとに、春節(旧正月)の休暇で日本に来る際の人気の都道府県をまとめたものだという。
同社のリリースに示されている解説では、
「なかでも、すでに昨年の春節の予約数を超え、人気が拡大しているのは、岐阜県、宮城県、熊本県です。特に岐阜県は、今年春節の予約数はすでに昨年と比較して200%以上増となりました。白川郷や飛騨高山が非常に人気であるほか、スキー場なども多くの予約があります」
とある。
なぜ岐阜県なのか。その疑問を探るべく、岐阜県の「令和5年度当初予算」にあたると「サステイナブル・ツーリズムを牽引する『岐阜未来遺産』の認定と受入環境改善等の支援」に1億1300万円を計上。
このほかにも、「JETRO等と連携したサステイナブル・ツーリズムの海外誘客プロモーション等」に7104万円、「海外重点市場の現地旅行会社等との連携による県内旅行商品の造成」に5051万円を計上するなど、インバウンド誘致に積極的な姿勢がうかがえる。
SNSへの露出のため、インスタグラマーやインフルエンサー起用
岐阜県庁の観光誘客推進課誘客政策係の担当者にも、話を聞いた。
担当者は「SNSや動画を使ったデジタルマーケティングに早くから着手していたことが功を奏しました」と打ち明ける。
具体的には、「旅行博への出展や海外現地の旅行会社と商談をして、現地旅行会社と協力して旅行商品を開発したり、SNSへの露出のためにインスタグラマーやインフルエンサーのツアーを行って海外のメディアで取り上げられたりしていることが大きいと思います」という。
さらに、今後に向けて「本年度予算でとりかかる『岐阜未来遺産』や『海外誘致プロモーション』によって、岐阜の歴史・文化を楽しめる体験型観光や新しい観光地の開発によって、今後もインバウンド誘致に向けて働きかけていきたい」と述べた。